『ブラック・ジャック』コラボの消毒液が誕生! 「心強い」「どう置いても素敵」と絶賛の声
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普段、酒類の輸出事業を主としている株式会社ジェムインダストリーズは、順風に業績を伸ばしていました。
しかし突然、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)が流行して世界は一変。過剰なまでに、世間は自粛ムード一色に包まれます。
4~5月頃はまるでビジネスをすること自体が悪のような風潮さえ感じられ、「お酒という嗜好品を販売する自分たちの仕事は微力だ」と岡田さんは思っていたそうです。
また、最前線で戦う医療現場の人々をテレビで見ながら、悶々とした日々を過ごしていました。
消毒液不足と業界の変化
そんな中、消毒液の不足から政府が規制緩和政策を行い、酒造メーカーによる手指消毒用の高濃度エタノール製品の製造販売が可能となりました。
ニュースを知った岡田さんは、初めて「自分たちに出番が来た」と感じます。
当時、『転売目的で消毒液が買い占められ、医療現場に行き渡らない』という社会問題があったことから、「酒造メーカーと医療現場をつなぐ役割になろう」と医療機関に多量の消毒液を供給。
この時の想いを、岡田さんは次のように語っています。
「酒が人の命を奪うことはあっても、酒が人の命を救うという発想は私もありませんでしたから、とてもやりがいを感じるお仕事でした」
漫画・アニメの力を試してみたい
「普通の生活やビジネスができない今こそ、新しいことにチャレンジするタイミングではないか」とも考えるようになっていた岡田さん。
連日、医療現場の人たちの活躍がメディアで報じられていた影響もあり、医療漫画『ブラック・ジャック』を全巻注文して読んでいたそうです。
その時、岡田さんはふと思います。
「今の世の中をブラック・ジャックやピノコが応援してくれたら心強いのにな…」
この時点でアイディアが固まっていた訳ではなかったものの、駄目元で手塚プロダクションに相談。すると即決で了承を得られたため、岡田さん自身とても驚いたのでした。
せっかくなら、元気になる商品を
話は順調に進みましたが、岡田さんには1つの懸念がありました。
コロナウイルスで多くの人々が犠牲になり、消毒液不足も続いていたため、コラボ企画が不謹慎にならないかが心配だったのです。
そのため、「悪目立ちしないよう、デザインも暗めで、大人しい商品に…」と当初は考えていました。
しかし6月頃から徐々に経済が動き出し、少しずつ明るさを取り戻す社会を見て、岡田さんの考えに変化が。
「どうせやるなら、明るく、楽しい商品を。しかも振り切ろう」
気付けばピンク一色だったり、液体越しにふざけたピノコの顔が映っていたりと、見たこともない派手で楽しいビジュアルの消毒液が完成。
さらに『医療従事者応援企画』ということで、売上1本につき5円を医療従事者へ寄付するという活動もプラスしたのです。
岡田さんの想いは商品を通して多くの人に伝わっているようで、今まで消毒液のイメージにはなかったビジュアルを喜ぶ人も。
人々の心を明るくする消毒液『ブラック・ジャック66』の誕生は、きっと誰かの命を守ることにつながっていくことでしょう。
[文・構成/grape編集部]