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お守り代わりに入れておいた催涙スプレー 違反になるって本当?

By - ことのは  公開:  更新:

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催涙スプレーのイメージ写真

※写真はイメージ

北村真一の写真

弁護士

北村真一

まこと法律事務所 代表弁護士。

物騒なニュースが流れるたび、「もしも自分の身に降りかかったら…」と不安になることはありませんか。

特に仕事帰りの夜道や、1人での外出時、自分を守るために、何か備えておきたいと考えるのはとても自然なことです。

そんな中、インターネット通販などで手軽に購入できる『催涙スプレー』をお守り代わりにバッグに入れているという人もいるかもしれません。

しかし、その『安心』が、実は法律違反になる可能性があるそうです。

弁護士「『護身用』でも、違法になる可能性があります」

自分を守るためのアイテムが、なぜ罪に問われてしまうのでしょうか。

大阪府大阪市で、まこと法律事務所を運営する北村真一弁護士にうかがいました。

――護身用に催涙スプレーを持っているだけで、犯罪になるのですか。

はい、『軽犯罪法違反』になる可能性があります。

この法律では、『正当な理由がなくて刃物、鉄棒そのほか人の生命を害し、または人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者』を処罰すると定めています。

催涙スプレーは、相手の視力を一時的に奪うなど、人体に害を加える器具にあたります。

そのため、理由なく隠し持っていると、取り締まりの対象になり得るのです。

――身を守るためというのは『正当な理由』にならないのですか。

ここが難しいポイントです。

単に『何かあった時のために』『漠然とした不安があるから』という理由だけでは、『正当な理由』とは認められない可能性が高いでしょう。

もし、『護身用ならOK』としてしまうと、誰もが武器を持ち歩ける危険な社会になってしまいますよね。 そのため、警察の判断は非常に厳しいのが現状です。

カバンをチェックする男性の写真

※写真はイメージ

――では、絶対に持ち歩いてはいけないのでしょうか。

過去の裁判では、『無罪』となったケースもあります。

それは、『深夜にサイクリングをする』という具体的な必要性があり、かつ『リップスティック型などの小型で攻撃性が低いもの』だった事例です。

つまり、『深夜の仕事帰りなど、具体的な危険が想定される状況か』と『必要最小限の大きさや形状か』の2点が判断されるということです。

昼間の買い物などで所持していれば、やはり違法となる可能性は残ります。

法律も、自分も守る『賢い選択』

「じゃあ、どうやって身を守ればいいの?」と不安になってしまう人もいるでしょう。

おすすめなのは、防犯ブザーです。大きな音で周囲に危険を知らせる防犯ブザーは、相手を傷つける武器ではないため、所持していても法的に問題はありません。

また、相手をひるませる効果も十分に期待できます。

防犯ブザーの写真

※写真はイメージ

「自分を守るための道具で、自分が捕まってしまった」といった悲しい結末を迎えないためにも、催涙スプレーを含む、護身用具の携帯には慎重になる必要があります。

法に触れないものを携帯したり、人通りの多い道を選んだりすることから始めてみることが、本当の意味で『自分の身を守る』ことにつながるのかもしれませんね。


[文・取材/ことのは 構成/grape編集部]

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