ロマンス詐欺の“赤信号”とは? 元警察官が教える『絶対に見逃さない3つのサイン』
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マッチングアプリやSNSなどのオンライン上で、相手の恋愛感情を利用して金銭をだまし取る、ロマンス詐欺。
単なる金銭トラブルではなく、『心の隙間』に入り込み、信頼そのものを利用する犯罪です。
恋愛が絡むトラブルの相談だと思って話を聞いていると、実は詐欺だった…。
警察官として勤務していた筆者は当時、そんなケースを何度も見てきました。
「優しい言葉に救われた」と話す被害者もいましたし、中には「この人だけは信じられる」と本気で思っていた人も少なくありません。
詐欺師であるにも関わらず、優しく、まめで、理想とする人物のように寄り添ってくれたと語る人も…。
だからこそ、裏切られた時の衝撃は深く、「恥ずかしくて誰にも言えなかった」と涙をこぼす人もいました。
最大のサインは『会わない・ビデオ通話を避ける』
では、どのような点に注意すれば、ロマンス詐欺の被害を防げるのでしょうか。
ロマンス詐欺でもっともよく見られる特徴が、会わない理由を並べ、ビデオ通話を避け続けるという点です。
「海外勤務で時差がある」
「カメラが壊れている」
「今日は電波が悪い」
上記のような、もっともらしい理由はいくつでも出てきます。
理由は簡単で、加害者の顔写真は盗用であり、本人ではないためです。そのため、顔を見せる行為は詐欺にとって致命的。
どれだけ関係が深いように見えても、ここを避け続ける相手は要注意です。
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ただし近年は、実際に会って関係を築きながら金銭をむしり取るケースも出てきています。
SNSで知り合い、数回会って信頼を得た後、大きな金額を求められるという手口です。
「会えたから安全」ではありません。ポイントは、恋愛感情を利用して金銭を要求するかどうかです。
距離を一気に詰めてくる言葉は『テンプレ』の可能性
ロマンス詐欺の加害者は、初期段階で必ず関係を急速に深めようとする特徴があります。
・数日で「運命だ」と言う。
・毎日、朝晩欠かさず連絡。
・理想をなぞったような褒め言葉。
・価値観が驚くほど合う。
これらはすべて、心理的な距離を一気に縮め、依存を生ませるための『テンプレート』。
多くの被害者が「こんなに相性がいい人は初めて」と語りますが、会話の内容は台本化されている場合も多く、複数人でアカウントを操作する組織的なケースもあります。
恋愛感情が芽生えると、人は冷静な判断をしにくくなるもの。
だからこそ、「優しすぎる」「話が合いすぎる」と感じる相手ほど慎重になってください。好意の裏に、目的が隠れている場合があります。
最後の分岐点!金銭要求の直前にトラブルが発生
警察時代、筆者が被害者から事情を聞いていて、一番多いのがこのパターンです。
金銭を求める直前に、必ずと言っていいほど以下のような『突発的なトラブル』が起きます。
・口座が凍結された。
・荷物が税関で止められた。
・手術費が払えない。
・契約トラブルで大金が必要。
・仲介業者への急な支払い。
いずれも、相手の『助けたい』という気持ちにつけ込むための定番ストーリーです。
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さらに「返すから立て替えてほしい」「これさえ乗り越えれば必ず会える」などと、希望を持たせる言葉をセットで使ってくるケースも…。
これに加え、恋愛感情を利用して架空の投資話を持ちかける『ロマンス×投資』詐欺もあるようです。
元警察官としてこれだけは断言します。恋愛関係でお金を求めた時点で、それはもう恋愛ではありません。
心と財産を守るため冷静な判断を
ロマンス詐欺は、優しい言葉や理想の関係を『演じる』ことで心に入り込み、最後に大切なお金を奪う悪質な犯罪です。
『会わない』『ビデオ通話を避ける』『距離を急に詰めてくる』『金銭が絡む』…どれか1つでも当てはまれば、慎重になる必要があります。
大切なのは相手を疑うことよりも、あなた自身の心とお金を守ること。
そのためには、恋愛がどれだけ盛り上がっていても、『金銭の要求』だけは決して飲まないことを強く意識してください。
金銭的なダメージだけではなく、心にも深い傷を負わせるロマンス詐欺。本記事を通じて、悲しい思いをする被害者が、1人でも多く減ることを願います。
[文・構成/りょうせい]