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「気づいたら傷だらけ」「財布がない」 元警察官が実際に見た『年末の惨劇』とは?

By - りょうせい  公開:  更新:

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酔っ払いの写真

※写真はイメージ

仕事終わりの忘年会。

1年の疲れをねぎらい、同僚と笑い合いながら過ごす時間は、冬の楽しみの1つですよね。

一方で、筆者が警察官として勤務していた頃、この季節になると『ある不安』を抱えていました。

それは、忘年会の帰り道で起きるトラブルが、目に見えて増えることです。

酒を飲んで気持ちが大きくなることで発生するケンカ。帰宅途中や路上で寝てしまったことによる財布やスマホの紛失。そして、飲酒絡みの交通事故。

どれも「自分は大丈夫」と思っている人ほど巻き込まれやすい出来事でした。

「せっかく楽しい時間を過ごしたのなら、その余韻を家に持ち帰ってほしい…」

そんな思いから、今回は筆者がかつて現場で経験した『忘年会帰りに起こりやすい、飲酒が絡む3つの危険』と、その対策についてお伝えします。

想像以上に多い飲酒が絡む『トラブル』

筆者はこれまで、酒を飲んで記憶を飛ばしたり、嘔吐したり、トラブルを起こしたりしたことが一度もありません。

その理由は、18歳で警察官になり辞めるまでの10年間、飲酒が原因で起きる惨状を数え切れないほど見てきたからです。

現場で目にする光景は想像以上に悲惨で、そして件数は圧倒的に多いものでした。

救急車の写真

※写真はイメージ

忘年会シーズンは、酒絡みのトラブルが目に見えて急増します。

他人との口論がエスカレートしたケンカ、店舗の備品を壊してしまう騒動、泥酔して歩けなくなり保護される事案…。

中には、意識を取り戻した時にはすでに傷だらけの姿となり、警察署で保護されていたという人もいました。

迎えに来た家族が泣きながら対応する姿を見ると、酒が引き起こす影響の大きさを痛感せざるを得ませんでした。

飲酒時に急増する『紛失物』

忘年会シーズンになると、電車内や路上で寝込んでしまい、財布やスマホを失くす事案が急増します。

泥酔していると、自分がどこで寝ていたのか、どう帰宅したのかすら覚えていないことも珍しくありません。

もちろん交番に届けられて、無事に持ち主の元に戻るケースもあります。しかし、財布の場合は現金だけ抜かれる、キャッシュカードを盗まれ、使い込まれるなど事件に発展することが多くあるのも事実。

このように、失くしたものが窃盗事件の被害品となることもあるのです。

筆者が警察官時代、大切なものを失くした人が落ち込む姿を何度も見てきました。お酒を飲むと、記憶が曖昧になってしまうことを念頭に置いて過ごすようにしましょう。

落とした財布の写真

※写真はイメージ

歩行者も車も事故リスクが高まる

忘年会帰りの事故は、歩行者側にもドライバー側にも注意が必要です。

酔った歩行者がフラフラと車道へ出てしまったり、突然立ち止まったり、路上で寝込んでしまったり…。

こうした不規則な行動から事故に発展するケースは少なくありません。

発見した時にはすでに大ケガを負っていたという事案もありました。

自動車事故の写真

※写真はイメージ

さらに、この時期は飲酒の機会が増えることで『飲酒運転』の発生件数も増加します。

つまり忘年会シーズンは、車や自転車も不規則な動きをする可能性が高まる時期。

忘年会帰りに歩行者として事故に遭わないように気をつけるだけでなく、車を運転する人はドライバーとしても十分注意することが大切です。

3つの危険に共通する『避けるための行動』

飲酒が絡むトラブルは、少しの意識で防げるケースが多くあります。

まず、自分の適切な酒量を知り、その範囲で飲むことが基本。飲みすぎを避けるだけで、ケンカ・紛失・事故のほとんどを遠ざけられます。

一緒にいる人が明らかに酔っている場合は、介抱したり、自宅まで送り届けたりといった対応も大切です。

同行者の安全を守ることは、自分の身を守ることにもつながります。

飲み会をしている写真

※写真はイメージ

また、解散や別れの挨拶は店内で済ませ、外で立ち止まらないようにしましょう。

路上で話し込む時間が長くなるほど、飛び出しや転倒、ほかの酔客との接触などの危険は増えます。

さらに、ながらスマホやイヤホンの使用を避け、常に周囲の状況を観察する意識を持ちたいところです。

騒いでいる人がいれば距離を取り、繁華街で車道が近い道や、道幅が狭い道は避けるなど、状況に応じて行動を変えることが安全につながります。

忘年会を楽しい思い出にするために…

忘年会は、1年の頑張りを仲間と分かち合える大切な時間です。

しかし帰り道には、酒絡みのケンカ、紛失、事故など、気をゆるめた瞬間に起きてしまう危険が潜んでいます。

自分の酒量を守ること、仲間を気に掛けること、屋外で立ち止まらないこと、周囲の動きを観察すること。

これらを意識するだけで、年末のトラブルは大きく減らせます。

どうか楽しい夜の余韻をそのまま家まで持ち帰り、楽しい気持ちのまま帰宅してほしいです。


[文・構成/りょうせい]

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