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公園や商業施設、駅構内など、街中のさまざまな場所にトイレが設置されています。
男性用、女性用、性別や障がいを問わず利用できる『共用トイレ』と区分されているのはよくあること。
しかし、トイレによっては別の分け方をしているところもあるようです。
2023年3月、東京都渋谷区議員がTwitterに投稿したことに端を発した、女性用トイレをめぐる議論が巻き起こっています。
渋谷区女子トイレをめぐり議論勃発
すだケンこと、須田賢渋谷区議員は同月6日、同区立幡ヶ谷公衆便所に「女性用トイレがない」と指摘。
同便所には、小便器2つを設置した男性用トイレが1か所、『共用トイレ』の個室が2ブースあります。
現状について、須田議員は「渋谷区としては女性用トイレをなくす方向性だが、個人的には残すべきだと思う」と、Twitterを通じて世間に訴えたのです。
すると同月7日、渋谷区公園課公園維持係はウェブサイトで、今回のトイレに関する概要を説明。
今回の幡ヶ谷公衆便所は、公益財団法人日本財団と協働して進めているプロジェクト『THE TOKYO TOILET』の一環として整備したものだといいます。
同プロジェクトでは、多様性を受け入れる社会の推進を図ることを目的とし、同区内17か所の公共トイレの整備を実施中。
さらに「須田議員が投稿した『女性用トイレをなくす方向性』はない」と発表しました。
幡ヶ谷公衆便所に『共用トイレ』を2つ設置したことで、「性別に関係なく誰もが快適に利用できる環境が整った」と見解を示している同区。
男性用トイレを別途設置したのは、「より多くの人々が『共用トイレ』をさらに快適に利用できるようにするため」ともつづっています。
同区公園課公園維持係に話を聞いたところ「今後、幡ヶ谷公衆便所に新たに女子トイレを設けることはありませんが、区立公衆トイレから女子トイレをなくす方向性はありません」との答えが返ってきました。
ネット上では、幡ヶ谷公衆便所について、さまざまな声が上がっています。
【理解を示す声】
・多様性を尊重する価値観がある現代では、性別によりトイレを分けない考えは一部理解できる。
・男性が小便器ではなく個室を使いたい時があるだろうから、共用トイレが2つあるのはいいかもしれない。
【反対の声】
・多様性は大切だけど、一方で女性が安心して利用できる環境を維持することも必要なのでは?
・『共用トイレ』で、女性が入って来るのを待ち伏せする犯罪が起きないかが不安です。
主に寄せられていたのは、「『共用トイレ』の設置は、ジェンダーレスの価値観を尊重している」「男性も個室を使いたい時がある」といった一定の理解を示す声と、「男性用トイレはあるのに女性用トイレがないのはなぜ?」といった疑問の声です。
『ジェンダーレス』の言葉にあるように、性別にとらわれずに生きていく価値観が尊重されている昨今。
人々の考えや世の中の価値観の変化に合わせて、公共の施設を作り変えていくのは、悪いことではありません。
多様性が認められる世の中だからこそ、多角的に物事を見た上で、環境を整えていくことが望まれています。
[文・構成/grape編集部]