ニューヨークと東京の日常の違いから見えてくること 私たち一人ひとりがどう生きるのか
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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
世界はこれからどうなる? 問われているのは私たち自身
ニューヨークの旅から帰り、久しぶりに夕食の買い物に近所のマーケットに行きました。
ちょうど雪の影響があった翌日だったからでしょうか。みかんが一個200円。
野菜の多くが一袋、または一個298円、398円。量も少ないような気がします。
ニューヨークの物価高は、円安も相まってびっくりしますが、日本の物価が上がっているとは言え、最近になって急激に上がっているのはちょっと普通ではない感じです。
税金の上がり方も、何か不穏な気がします。
国際情勢が激しく動いている今、私たちの『日常』の外側では何が起こってもおかしくない状況が続いています。
今自分たちが『どこにいるのか』『どこに向かおうとしているのか』をしっかりと見ておく必要が高まってきました。
それは、好きとか嫌いという感情で判断するのではなく、理性で判断できるようにするためです。
ニューヨークの地下鉄に乗るときにはちょっとした緊張感を伴います。
ここ数年で、治安は悪化していると言います。
大声で叫んでいる人もいれば、物乞いもいる。
歌いながら乗り込んできて、次の駅で降りる『シンガー』もいる。
最近では若いヒスパニック系の女の子が子供を背負いながらお菓子を売りにくる。
怖いのはドラッグで行ってしまっている人たちです。
どんな人と遭遇しても、無表情で無視すること。
これがニューヨークの地下鉄での注意点です。
混沌とし、誰もが他人に興味を持たない都会なのですが、食、アート、文化の最高のものが集まるのもニューヨークです。
今回は図書館、書店、古書店、美術館、博物館をめぐりました。
ニューヨーク公共図書館は宮殿のような建物で、これが初めから図書館として建設されたことに文化度の高さを感じます。
イーストビジレッジの小さな古書店の充実度も素敵でした。
「東京の街にはゴミ箱がないけれど、ここには角ごとにあって便利」とニューヨークの友人は言います。
ゴミ箱はありますが、道にはゴミは散乱していました。
東京にはゴミ箱はないけれど、ゴミは落ちていない。
いい、悪いという判断ではない『違い』を知る。
それぞれの歴史、文化の違い。感性、感覚の違いがあります。
自分の物差しだけでは測れないことがある。
その上で、互いの多様な日常に折り合いをつけていくことが大切になるのではないかと思うのです。
ニューヨークの地下鉄のカオスも、文化度の高さも面白がると、見えてくるものがあります。
世界がこれからどうなっていくのか。
違う価値観を持つリーダーたちが、どのような『最善』を選んでいくのか。
その根底には私たち一人ひとりの在り方があるように思います。
結局問われているのは私たち自身、その時その時にどう生きるのかということなのです。
いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で
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※記事中の写真はすべてイメージ
作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」