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「なんとなく恥ずかしい」 女性が抱えるココロとカラダの悩みに専門医は…

By - grape編集部  公開:  更新:

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『女性の一生は波乗りの連続!これだけは覚えて欲しいキーワード3選』

イベントの締めくくりとなるクロージングトークセッションでは『女性の一生は波乗りの連続!これだけは覚えて欲しいキーワード3選』をテーマに、産婦人科医の大須賀穣先生と対馬ルリ子先生が再び登壇。

ゲストにフリーアナウンサー・タレントの阿部華也子さんが出演し、MCを谷岡慎一アナウンサーが務めました。

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左から、大須賀穣医師、対馬ルリ子医師、阿部華也子さん、谷岡慎一アナ

ここまで、さまざまなテーマでトークセッションが繰り広げられてきた、同イベント。初開催から今回で9年目を迎え、大須賀先生は「同じテーマでも毎年新たな情報が出てくるため、医学が日進月歩だということがよく分かる」としみじみ。

対馬先生も、「最初は100人くらいのディスカッションから始まったイベントが、今や何万人、何十万人の目に触れる規模のコンテンツになっていて感慨深い」と語りました。

阿部華也子「1か月の中でも体調や機嫌に波はある」

続けて大須賀先生は、さらに理解を進めるために、『女性の人生は波乗りの連続』だと知ることが大事だと提起。

生理による波、妊娠や出産の際に訪れる大きな波、更年期による急降下など、ホルモンの変動を波に例え、「さまざまな波を乗り越えなければならない」と説明しました。

この話を聞いた阿部さんは、「生理があることで1か月という短い期間の中でも、体調や機嫌に波はある」と納得の様子。

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対馬先生は、「男女ともにお互いの健康特性について知りながら、カバーし合えるとよいのではないかと思う」といい、男性に理解をうながしながらも、女性にも『上手な波乗りスキル』を身に付けてほしいと話しました。

ここで大須賀先生から、女性の健康を推進する上で、特に重要だという3つのキーワードが明かされました。

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それが、『ヘルスリテラシー』『プレゼンティーイズム』『ウェルビーイング』です。

ヘルスリテラシーとは、健康に関する情報を入手し、理解し、活用する能力のこと。

ヘルスリテラシーが高いほど、月経困難症※24、更年期時のいずれでも、仕事のパフォーマンスが高いという調査結果もあるといいます。

プレゼンティーイズムとは、心身の健康問題によって、仕事のパフォーマンスが低下している状態のこと。

生理痛や更年期による不調があっても、それを我慢して仕事をする女性は多くいますが、そういった健康課題が原因でベストパフォーマンスを発揮できない状態が、プレゼンティーイズムです。

可視化しづらい問題ですが、厚生労働省によると、プレゼンティーイズムによる経済的損失は、欠勤の約18倍ともいわれる大きな問題なのだとか。

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大須賀先生は、「社会、特に企業が従業員の健康をどのように考えるかで対策は変わる」と力説。

具体策の1つとして、会社で義務付けられている健康診断の際、月経困難症、月経前症候群(PMS)※25、更年期といった女性特有の健康課題が、仕事に悪影響を及ぼしていないか、問診で問うといった方法が政府で検討されているそうです。

『個人の努力』だけでなく『社会の支援』も必要

3つめのウェルビーイングは、近年非常に注目されているワードで、個人や社会が経験するポジティブな状態を指し、幸福度と近しいものです。

大須賀先生は、ウェルビーイングを高めるためには『個人の努力』だけでなく『社会の支援』も必要だと解説。

例えば、産婦人科を受診しやすくなるような環境作り、企業内を働きやすくしていくことなどが、大切なのだそうです。

対馬先生は「ライフステージごとに自身の状態を把握し、月経トラブルや更年期障害などの健康課題について正しい知識を持って向き合うこと、まずは身体のウェルビーイングの実現が、やがて心のウェルビーイングにもつながると語ります。

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社会において、求められる、必要とされるということも立派なウェルビーイングであり、SDGsと同様に世界中で取り組んでいきたい大事なワードだと力を込めました。


※24 月経困難症 | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修
※25 月経前症候群(PMS) | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ|厚生労働省研究班監修

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