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『利用』と『使用』の違いとは?もう間違えない使い分けの3つのポイント

By - grape編集部  公開:  更新:

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『利用』と『使用』の違いに疑問を感じている女性

※写真はイメージ

何かを使う時に用いる単語の『利用』と『使用』。

日常的によく使う言葉ですが、実は細かなニュアンスが異なります。何気なく使っているため、それぞれの正しい意味を知っている人は、あまり多くないかもしれません。

そこで今回は、『利用』と『使用』の意味の違いと、使い分ける3つのポイント、実際に使用する際の具体例をご紹介します。それぞれの意味の違いを理解し、正しい使い方をマスターしましょう。

『利用』と『使用』意味の違い

辞書を開いている画像

※写真はイメージ

何かを使うという意味のある『利用』と『使用』。

しかし同じように使ってしまうと、微妙に意味合いが異なる場合があります。まずはそれぞれの言葉の意味を、掘り下げてみましょう。

『利用』とは、使うものの機能や性能を生かしてうまく使うことを意味します。

『利』には役に立つという意味があり、『利用』はただ単に使うだけでなく、そのもの自体を役立てて使う場合に表現する言葉です。

一方で『使用』とは、単純に人やものを『使う』ことを意味します。そのもの自体の役割に沿った使い方をした場合に『使用』と表現するイメージです。

『利用』と『使用』の例文

例文を考える女性

※写真はイメージ

実際にどのような場面で使うのか、具体例があると分かりやすいでしょう。

『利用』と『使用』は、次のような使い方が考えられます。

利用の例文

使うものの機能や性能を生かしてうまく使うこと、役立てて使う場合は次のような使い方になります。

【例】

  • マイナンバーカードを保険証として利用する。
  • 廃棄物を利用してオブジェを作る。

また、目的を果たすために都合のよい手段として使う場合にも『利用』が使われます。

例えば、次のような使い方が可能です。

【例】

  • 上司の立場を利用して仕事を部下に押し付ける。
  • 伝書鳩は鳩の帰巣本能を利用した通信方法である。

なお、上記の例のようにもの以外のサービスや抽象的なものなどにも『利用』が用いられます。

使用の例文

次は『使用』の使い方を見てみましょう。

【例】

  • 虫眼鏡を使用して本を読んだ。
  • ミーティングに会議室を使用する。

虫眼鏡で文字を大きくして読む場合、虫眼鏡本来の使い方をしているため『使用』を用います。

これがもしも、虫眼鏡で火を起こした場合は、本来の使い方とは異なるため『虫眼鏡を利用して火を起こした』となるでしょう。

会議室は、もともと会議のための部屋であり、本来の使い方をしているため『使用』を使うのが適当です。

また『使用』は、時に『使用人』のように人に対して用いることがあります。

しかし『人を使う』という言葉は、互いの間に上下関係がある場合のみ使える言い回しです。対等な相手に対して使うと失礼に当たるため、注意しましょう。

『利用』と『使用』を使い分ける3つのポイント

※写真はイメージ

『利用』と『使用』は『使う』という点では同じ意味合いを持っていますが、使う際の目的や使い方などによって、どちらを使うべきかが変わってきます。

『利用』と『使用』を使い分けるポイントは3つです。1つずつ詳しく解説します。

1.使うものの役割や目的を考える

まずは、使うものの役割や目的を考えましょう。もともとの用途で使う場合は『使用』、異なる用途で使う場合は『利用』となります。

例えば、歯ブラシで歯を磨く時は本来の使い方のため『使用』、使い古しの歯ブラシを掃除に使う時は本来の用途とは異なるため『利用(再利用)』です。

2.使い方が単純か複雑かを見極める

役割や目的を考えることにも通じますが、使い方が単純か複雑かを見極めることもポイントの1つになります。

『使用』は、そのものの役割に沿って使うため、使い方は単純です。

【例】

  • 公共交通機関で音楽を聴く時は、イヤホンを使用してください。

しかし『利用』は、本来の用途とは異なる使い方をすることにより、複雑化することがあります。

【例】

  • 牛乳パックは再利用されてトイレットペーパーに生まれ変わる。

トイレットペーパーになるにはさまざまな工程があり、複雑化しているため『利用』を使います。

3.使うことで利益が得られるかどうかを判断する

使うことで利益が得られるかどうかも判断基準になります。利益が得られる場合は『利用』、そうでない場合は『使用』を使いましょう。

利益が得られるものとしては、クーポンやサービス、特典、制度などが挙げられます。

クーポンなどは『使用』でも間違いではありませんが、『利用』のほうが、よりお得感や便利さが伝わりやすいでしょう。

『利用』と『使用』と似ている言葉

辞書を引く女性

※写真はイメージ

『利用』や『使用』といった、使うことを意味した言葉には、ほかにも『運用』『活用』などがあります。

どのような場面で使うことが適切なのか、それぞれの意味も確認しておきましょう。

運用

投資などでよく耳にする『運用』も、使うことを意味した言葉になります。

『運』には、運命などの意味のほかに、物事をスムースに動かし、働かせるといった意味もあるようです。

そのことから『運用』とは、そのもの自体の働きを生かして用いることを意味しています。『使用』よりも『利用』に近い意味にとらえられるでしょう。

例えば『資産運用』といえば自身の資産を、貯金、株、投資信託などの金融商品や不動産売買などを有効活用して増やすことをいいます。

また『広告運用』は、広告を配信しうまく働かせることで、企業の売り上げアップや認知度アップを目指すことです。

活用

何かを使うという意味では『活用』も同様です。

『活用』とは、使うものの機能などを十分に生かして使うことを意味します。単に使うだけではなく、有効に使うという点では、利用と近い意味だといえるでしょう。

『利用』と『活用』の違いは、『活用』のほうが使うもののよさを十分に生かしていることが考えられます。

『フル活用』といった言葉は「時間をフル活用する」のように、最大限に利用することを意味する言葉です。

『利用』と『使用』の違いを理解して正しく使おう

『利用』と『使用』は、使うという点では共通しています。

ただし、『利用』がものの機能などを生かして使う意味に対し、『使用』は人やものを単に使うという意味です。

言い換えても違和感がないこともありますが、明確に意味が通じるようにするためには、使い分けが大切になります。

文章内で使う際は、それぞれの特徴を把握し、正しく使えるようにしましょう。


[文・構成/grape編集部]

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