だしを取る時、沸騰させる?させない? だしメーカーに聞いた『正解』は…
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画像提供:小林食品株式会社

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- 取材協力
- 小林食品株式会社
だしを取るのは和食の基本といわれます。
かつお節や昆布でだしを取ることが多いですが、その際、お湯は先に沸騰させたほうがいいのでしょうか。
なんとなくお湯を沸かしたほうが、だしの成分がよく煮出せるような気がする人もいるかもしれません。
おいしいだしの取り方について、小林食品株式会社(以下、小林食品)に取材しました。
小林食品は業務用専門の削り節を生産している会社で、いわば『だし』のプロです。
実は『かつおだし』と『昆布だし』で違う!
小林食品によると「お湯を沸騰させる・させないは、昆布だしとかつおだしで異なる」といいます。
それぞれのだしの取り方を見てみましょう。
昆布だしの取り方
昆布だしの場合、昆布は表面の汚れを布巾などで軽く拭いてから、水に30分程浸けてから火にかけましょう。これにより、よりうま味成分が引き出されます。
30分ほど経ってから中火でじっくりと温めてください。
昆布で出汁を取る際のポイントは、急激に加熱をしないこと、昆布を入れている間は決して沸騰させないことです。
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小林食品からこのようなアドバイスをもらいました。
昆布のうまみは低温で抽出されます。
昆布のうま味の素であるグルタミン酸は60℃でもっとも抽出され、80℃以上になると抽出されにくくなります。
湯温が80℃以上になると鍋底から気泡がポコポコと出始め、昆布が鍋の中で浮いてきますので、このタイミングで昆布を取り出すのがポイント。
昆布を取り出した後に、臭みをとるために沸騰させます。
沸騰させるタイミングは、昆布を取り出した後です。入れたままだと、ぬめりが出るので気を付けてください。
取り出した後に、沸騰させて臭いを消すのです。
かつおだしの取り方
かつおだしの場合、お湯を沸騰させて、いったん火を止めてからかつお節を入れます。
小林食品によると、かつお節(花削り)を使用する場合は、以下の手順がおすすめだそうです。
1.鍋に1000ccの水を入れ、沸騰させる
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温度を測る必要はありませんが、沸騰具合は気泡がポコポコ沸いている状態が目安です。
2.花削りを準備
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花削りは、国産・外国産・血合い抜き問わず、1000ccの水に対して40gでOK。
3.沸騰したら火を止めて、すぐに花削りを鍋に入れる
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花削りは薄く、すぐにだしが出やすい削り節で、香りがよいことも特徴。
なぜ火を止めるかというと、加熱時の熱によって香りが飛んでしまうからです。
火を止めてだしを抽出することで、香りが失われるのを極力抑えます。この香りを弱めてしまうのは、加熱時の熱です。
だしの抽出時にお湯が沸騰状態のままだと、だし自体は抽出されますが、花削りの特徴である香りはどんどん弱まってしまいます。
4.鍋を動かしたり、花削りをかき回したりせずに10分待つ
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花削りからしっかりだしを抽出したいと考え、鍋に入れた花削りを混ぜたり、押したりしたくなるかもしれません。しかし、そのまま触らないで置いておくことが重要です。
混ぜたり押したりすると、苦みやエグミがだしに移ってしまいます。
鍋に入った花削りは、そのまま置いておいても十分に味と香りがよいだしが取れます。
5.ザルにガーゼを敷き、だしをこす
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ここで注意することは、2つあります。
1つ目は、ガーゼをしっかり敷くこと。ガーゼは花削りのだしガラが、だしの中に残さないために使うものです。
だしガラがだしの中に残ると、だしの風味を損ねてしまうので、ゆっくりとだしを濾(こ)すことが必要です。
2つ目は、だしを濾す際に花削りの出しガラを絞ってはいけないことです。
だしを取った花削りに鍋の中の水分(だし)が含まれているので、「最後の1滴まで絞って使いたい」と考えがちですが、だしガラを絞ると『4』と同様、苦みやエグミが出たり、琥珀色に取れただしの色を濁らせたりします。
「もったいない」という気持ちを捨てて、コーヒーのドリップと同様にそのまま置いておくことが重要。
かつおだしと昆布だしの使い方ついて、まとめると以下のようになります。
・昆布だしは、昆布が入っている間は沸騰させない。昆布を取り出してから、臭みをとるために沸騰させる。
・かつおだしは、香りが飛ばないようにお湯を沸騰させ、火を止めてからかつお節を入れる。沸騰していないお湯に入れることで、雑味のない香り高いだしが取れる。
より詳細にだしの取り方を知りたい人は、小林食品のウェブサイトにアクセスしてみてください。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]