お酢の代用品10選!目的ごとに合った代用品を選ぼう
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「お酢を切らしてしまった」「穀物酢がなく米酢しかない」「お酢がメインではないがわざわざ購入しに行くほどでもない」という人もいるのではないでしょうか。
いざ料理しようと思った時、お酢が足りず困ったことはありませんか。お酢を使わずに仕上げるか、慌てて買いに行こうかと迷ってしまいますよね。しかし、お酢の代用となる調味料を知っていれば迷うことはなくなります。
本記事では、お酢がない時の代用となる調味料を紹介していきます。面倒な買いものにいかず料理を完成させたい人は、ぜひ最後までお読みください。
お酢を切らしても米酢か穀物酢で代用可能
お酢には種類があり、家庭で使われる普通のお酢は『穀物酢』や『米酢』が一般的でしょう。それぞれ味わいや風味は異なりますが、穀物酢と米酢はそれぞれ相互に代用できます。
穀物酢は爽快感あふれるお酢で、さまざまなジャンルの料理と相性がよいのが特徴です。加熱しても酸味が飛びにくく、煮物や炒め物などにも適しています。一方、米酢はまろやかな優しい舌触りで、加熱せずに調理する和食を中心に、酢の物や酢飯、ドレッシングなどに向いています。
加熱しない料理で、細かい味の違いが気にならなければ、どちらも相互に代用することが可能です。
お酢の代用品10選
穀物酢や米酢もなくても、ほかの食酢や調味酢、果汁があればお酢の代用は可能です。
すし酢やカンタン酢
調味酢の中でも、ミツカンのカンタン酢やすし酢は、味付けがされているお酢として代用可能です。カンタン酢は、さまざまな料理に合わせた味付けがされていているため、調整は不要となります。
一方、すし酢は本来加える予定の砂糖を減らすなど調整が必要となるでしょう。また、すし酢は米酢が原料となっているため、熱を加えると風味が飛んでしまう点に注意です。
レモン汁
料理に酸味を付けたい場合には、レモン汁が代用可能です。生レモンがなくても、『ポッカレモン』などでも代用できます。ただし、生搾りのレモン汁より酸味が強いため、調節しながら使う必要があるでしょう。
レモン汁に向いている料理は、酢の物や餃子、鍋のタレ、ドレッシングなどです。お酢を使うよりも、フルーティでやわらかな酸味が楽しめるのではないでしょうか。特に、お酢の風味が苦手という人は、レモン汁が向いています。
かぼす汁
かぼす汁もお酢の代用が可能ですが、レモンと比べると風味や酸味が強いため、同じ感覚で使用しないようにしましょう。酢の物のような酸味を感じやすいものよりも、酢豚や煮物、南蛮漬け、ドレッシングなど、ほかの調味料と混ぜ合わせる料理に向いています。
かぼすの風味が好きな人であれば、カルパッチョやマリネもおすすめです。
注意点として、かぼすは柑橘系の香りや風味が強く、使う料理を間違えるとフルーティさが不快に感じる点です。合うかどうか分からない時は、試しに少しだけ加えて確認するとよいでしょう。
すだち汁(すだち酢)
すだち酢と表記されていますが、一般的にすだちの果汁そのものを指します。見た目が似ているかぼすよりも香りが強く、サイズが小さいことが特徴となります。ほかの柑橘系よりも、強い香りであることを考慮すれば問題なく代用できます。
クセがなく苦みも少ないため、マリネや炒め物、ドレッシングなどのさまざまな料理に活用できます。また和食にも合うため、酢飯を作る時や、南蛮漬け、煮物などの料理に加えても味を邪魔せずにお酢の代用ができるでしょう。
りんご酢
りんご酢とは、りんご果汁を原料に作られるお酢です。穀物酢や米酢に比べて酸味がまろやかで、フルーティな香りが特徴です。りんご酢はクセのない味わいなため、お酢の代用として料理のジャンルを問わず活用できます。
具体的には、ドレッシングやサラダ、ピクルスなどに適しているでしょう。肉料理との相性もよいため、豚肉や鶏肉の煮物に使うのもおすすめです。ただし、フルーティな香りがお料理の風味を邪魔しないかを考慮する必要があるでしょう。
ワインビネガー
ワインビネガーとは、ぶどう果汁から作られるお酢で、ブドウ酢やワイン酢とも呼ばれます。2種類あり、原材料が赤ぶどうか白ぶどうかで『赤ワインビネガー』と『白ワインビネガー』に分類され、どちらともお酢の代用として使えます。
赤ワインビネガーは渋味が少しあるため、加熱が必要な料理に使用するのがおすすめです。白ワインビネガーはすっきりとした酸味でクセがないため、カルパッチョやマリネ、サラダなどに向いています。
注意点は、和食に使ってしまうとフルーティな風味が邪魔して、予想していた味の仕上がりにすることが難しいことです。
バルサミコ酢
バルサミコ酢はイタリア発祥のお酢であるため、イタリア料理と相性がよいです。基本的には、ドレッシングやソースに使われますが、ドルチェの隠し味としても使われることがあります。
穀物酢や米酢とは異なる甘酸っぱさを感じますが、マリネや煮込み料理、炒め物などで幅広く使えます。バルサミコ酢は加熱すると甘みが強くなり、酸味は抑えられるため、お酢特有の強い酸味が苦手な人は代用することで食べやすくなるのではないでしょうか。
黒酢
原料は基本的に玄米で作られており、特徴は琥珀色であることです。見た目のインパクト以外にも、独特のコクがあります。穀物酢や米酢よりも酸味が強いため、お料理に使う時には色味を考慮したり、砂糖で味の調整が必要となります。
サラダやマリネのように、そのまま使う料理だと黒っぽくなってしまうため、酢豚や煮物といった加熱する料理に合わせることがおすすめです。
梅酢
梅酢とは、梅干しを作る時にできるエキスです。原材料は梅と食塩のみのため、酸味成分は酢ではなくクエン酸となります。2種類あり、最初にできる『白梅酢』と、そこに赤紫蘇を漬け込むことで『赤梅酢』ができますが、どちらもお酢の代わりに使えます。
白梅酢は梅の味を感じられる調味料で、色をつけたくない料理の時に使うとよいでしょう。赤梅酢には紫蘇の風味があるため、料理との相性はもちろんのこと、バランスを見ながら加えることがポイントです。主に、ドレッシングや酢漬け、和え物に向いているでしょう。
にがり
にがりは、海水から塩を析出する時にできる液体です。マグネシウムやミネラルを豊富に含みます。肉をやわらかくする働きがあり、肉料理やさっぱり煮を作りたい時はお酢の代用として活躍するでしょう。
にがりは自然な風味を感じられるため、お酢の酸味が苦手という人におすすめです。
ポン酢やみりんはお酢の代用には向かない
みりんや料理酒、ポン酢などはお酢の代用として不向きです。なぜなら、みりんや料理酒には、酸味がないからです。
そして、ポン酢には、醤油や塩が含まれているため、レシピのお酢の代用とすると塩辛くなってしまいます。しかし、調味料の分量を調整できるなら、代用可能です。
例えば、お酢と醤油を使うレシピの場合、醤油を減らす、または醤油を使用せずに作るようにするなどです。
お酢をすし酢の代用をすることもできる
すし酢はお酢、砂糖、塩などを合わせた調味酢であるため、米酢や穀物酢で代用でき、手作りが可能です。基本的には以下の配合で問題ありませんが、手巻き寿司の場合は魚の味を活かすため、砂糖は控えめにしたり、ちらし寿司やいなり寿司には、やや甘味をきかせたりするとよいでしょう。
すし酢配合(米2合に対する割合)
お酢を調味料以外の使用目的での代用について6選
味付けなどの調味目的ではなく、以下の調理工程などでお酢を使用したい場合も代用可能なものはあります。
基本的にお酢の持つ酸性などで化学反応を起こしているため、同じ化学反応を起こせるものなら代用することができます。
かゆみを抑えて皮むき
長芋や里芋の皮をむく時に、酢水に付けるとかゆみを抑えられます。同じ効果があるレモン汁で代用可能です。かゆくなる原因は、皮の近くに含まれる『シュウ酸カルシウム』であり、酸に弱いため、レモン汁のクエン酸でも代用できます。
やわらかくする
肉や小魚の骨などをやわらかくするために、調理前にお酢に付けておく方法があります。レモン汁や炭酸水でも同じ効果は発揮し、さらにパイナップルやヨーグルトなどでも代用可能です。
ほかにも、お酢で煮るという方法でも、代用にポン酢で煮れば同じくやわらかくできるでしょう。
アク抜きや変色防止
酢水に、以下のようなアクの強い野菜を付ければ、アク抜きや変色防止ができます。レモン汁が代用可能で、アク抜きだけなら料理用の重曹でも可能です。
レモン汁によるアボカドの変色防止は、お酢でも可能という情報を見かけます。しかし、ミツカンでは以下のように回答しているため、お酢がどの食材に対しても変色防止の効果を発揮するというわけではないようです。
ゆで卵を作る
卵を茹でる水にお酢を入れると、殻にひびが入っていても中身が出にくくなります。塩を使っても、同じ効果が期待できるため代用可能です。また、殻を剥きやすくするために入れる場合には、レモン汁で代用できます。
ひびから中身が出にくくなる理由は、白身のタンパク質をお酢と塩にあるタンパク質凝固作用が働き、殻の外に出る前に固めてしまうからです。また、殻が剥きやすくなるのは、アルカリ性である殻が、お酢やレモン汁の酸性によって柔らかくなるからだそうです。
臭みとり
肉や魚の臭みとりには、お酢が有効です。重曹でも同じ効果が発揮できるため、代用可能となります。香りの強いハーブ類やしょうがも、臭みとりに使えますが、お酢とは違い、独特な香りを持つため、どのような料理をするのかを考慮する必要があるでしょう。
防腐効果
お酢は殺菌ができるため、防腐効果があります。代用品として、生姜、しそ、玉ねぎ、にんにく、ねぎ、山椒も防腐目的で利用することができます。
夏場に弁当を作る際には、お酢を入れてご飯を炊いたり、弁当箱に塗布したりするのではないでしょうか。その場合も、梅干しや生姜やワサビ、唐辛子などにも殺菌効果があるため、弁当箱の隅に入れるだけでも殺菌効果を発揮します。
お酢の代用品には向き不向きがあるため、目的に合わせて選びましょう
お酢の代用は、ほかの食酢や柑橘系の果汁や、重曹などで可能です。
代用品は向き不向きがあるため、料理や調理目的に合わせて選ぶ必要があるでしょう。
お酢をどのような料理や目的で使いたいのかをはっきりさせて、適したものを選ぶことが大切です。
[文・構成/grape編集部]