勝敗を超えて心に残った『凄み』 サムライブルーが見上げた空とピッチ上の美しい敬意
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人生は選択の積み重ね アマゾンの密林に行って気づいた、ハードルを越えるきっかけは『思いがけないこと』吉元由美の『ひと・もの・こと』 作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。 たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会っ...

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吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
サムライブルーが見上げた空
FIFAワールドカップ、サムライブルーの戦いが終わりました。
予選リーグを突破し、決勝リーグのブラジル戦。
ゴール前の攻防の末、最後の1分にゴールを決める…これがサッカー強豪国の凄みなのだと思いました。
運とか実力ということとは別次元の『凄み』。
その国の歴史やプライドなのか、勝つことへの執念なのかうまく言葉にできないのですが、何かがあったのです。
ある人はこう述べていました。
「ブラジルは貧困から抜け出すために、サッカー選手を目指す。裸足でボロボロのサッカーボールを蹴り、金のため、家族のためにサッカーをしてきた。何もかもが整った環境で、親がかりでサッカーをしてきた日本人とは違う。そんなブラジルに日本が勝つわけがない」
貧困から抜け出すために死に物狂いでサッカーをしてきた、それが『凄み』となっているのか。
そうなのかもしれない。大切なことは、それぞれの環境の中で、選手たちそれぞれがどう生きるか、生きているかという『精神』と『フィジカルの哲学』なのではないかと、今回の一連の試合を観て思いました。
もちろん、選手はもちろん、日本中が新しい景色を観たかった。
負けた…それがすべてと言われたらすべてです。
でも、私はいくつもの『新しい景色』を観ることができました。
田中碧選手は、自分のミスによって得点され、責任を果たせなかったことへの失意、悔しさにピッチにうずくまり立ち上がれなかった。
それを同じ悔しさの中にいる仲間が励ます。中でもブラジルのマテウス・クーニャが田中選手を抱きしめて、顔を上げるんだと励ましているシーンは泣けます。
そこには『敬意』の美しさがあり、私たちが学ぶべきことがそこにあるように思えました。
前回のカタール大会。日本は決勝リーグの初戦、延長戦、そしてPK戦の末、敗れました。
田中碧選手と小学生の頃から一緒にサッカーをしてきた三苫薫選手がPKを外し、涙で顔を覆ったとき、真っ先に駆け寄ったのが田中選手です。
でも、今回、三苫選手は怪我のために出場できなかった。
三苫選手の背番号を背負い戦った田中選手の思いは、果てしない宇宙の中の孤独のようです。
そこに寄り添えるのは、三苫選手だけかもしれません。
終わりのホイッスルがなった後、選手たちは呆然と空を見上げ、ピッチを立ち去れずにいました。
彼らの目に、ビッチの上の空は美しかったでしょうか。
そして最後に円陣を組み、森保監督が話すのを聞いている選手たちの中、下を向く田中選手とそっと肩を組み、監督の言葉に小さく頷いている板倉滉選手の姿は頼もしかった。
今回の試合について、日本代表の今後についてさまざまな意見、考えがあるでしょう。
私には考えが及ばないことばかりですが、小さくともたくさんのドラマに触れることができたブラジル戦は、作詞家である私にとって胸を震わせる試合でした。
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※記事中の写真はすべてイメージ
[文/吉元由美 構成/grape編集部]