grape [グレイプ] lifestyle

初のリニューアルをしたスーパードライ 消費者の『ある勘違い』が理由で…?

By - grape編集部  公開:  更新:

Share Post LINE はてな

コンビニやスーパーマーケットなどでよく目にする、メーカーごとの看板商品は、人気の高さから定番化していますよね。

日本の大手ビールメーカー、アサヒビールの看板商品といえば『アサヒスーパードライ(以下、スーパードライ)』。

発売から36年目となる2022年、初のフルリニューアルをしたことで話題です。

「発売して1か月程度で…2億本突破?※1

『新スーパードライ』のテレビCMで目にした数字に興味を持ちつつも、実はまだフルリニューアルした『新スーパードライ』を飲んだことがなかった筆者。

大いに売れているワケを知るため、ついに飲んでみることにしました。

『新スーパードライ』のうまさの秘密に触れる!

こちらが用意した『新スーパードライ』

たくさん購入したので、ビールが好きな同僚と一緒に飲んでみると…。

「口に入った瞬間にうまさが跳ね上がる!」

「キレがいいから、何口目でもおいしい!!」

飲むごとに、強烈な『飲みごたえ』と『キレのよさ』が何度も押し寄せてきます。

スーパードライの特長である『辛口』はそのままに、どうしてこんなにも躍動感のある味になったのか…背景のひとつには、時代とともに大きくなった消費者との認識のズレがありました。

『辛口』を勘違い?フルリニューアルしたワケ

『新スーパードライ』の詳細について教えてくれたのは、アサヒビールのビールマーケティング部で、ブランドマネージャーを務める中島健(なかじま・たつる)さん。

1987年に誕生したスーパードライは、たちまち評判となり、ビール業界において不動の人気を築いてきたといいます。

そんなスーパードライをフルリニューアルすることに、不安はなかったのでしょうか。

――フルリニューアルへの反響は?

ずっと変えてこなかったブランドですので、スーパードライを飲んでいた方々が離れるリスクがあり、やはり不安でした。

しかし、フルリニューアルをきっかけとして、多くの方たちが期待と不安交じりで『新スーパードライ』を試しに飲んでくださっています。

感想では「不安が払しょくされた」という声が多く、「間違いなくリニューアル後のほうが好きです」「飲みごたえ抜群でした」と好評です。

『ハードで飲みづらい』という印象からスーパードライを選ばなかった人たちも、「あれ、こんなに飲みやすいの?」「辛口って、こういうことだったのか」と驚いているとのこと。

従来のファン以外にも好評のようですね!

続けて、フルリニューアルに踏み切った背景について尋ねると、環境や時代の変化のほか、消費者側の勘違いも関係していることが分かりました。

――味を変更したワケは?

時代の変化から辛口を『苦い味』のことだと思い込んでいるお客様が、意外と多いと分かってきました。

お客様が商品に抱く印象が、私たちが提供したいものとズレているんですね。

そういった背景も踏まえて、特長であるキレのよさは変えずに、飲んだ瞬間の飲みごたえを向上させるという方針を立てました。

辛口とは、苦味ではなく、飲んだ瞬間にグッと飲みごたえを感じた後、そこから瞬時に感じるキレのよさで、後味がスッキリすることを表しています。

そんな辛口の意味を勘違いしている人が一定数いることも、フルリニューアルの背景のひとつなのですね!

――そもそも、『飲みごたえ』とは?

私たちが考える『飲みごたえ』は、味、香り、炭酸の刺激の総量だと思っています。

『飲みごたえ』を上げようとすると、まずは苦みなどの味を単純に濃くすることが思い浮かびますよね。

しかし、そのやり方では、口の中に風味が残ってキレがなくなってしまいます。

辛口というスーパードライの骨格を変えずに、今回は香りで『飲みごたえ』をアップさせました。

『新スーパードライ』では、ビールらしい香りと、ホップの香りをバランスよく、ほのかに増やしているのがポイント。

飲みごたえがアップした分、キレのよさとのギャップが大きく感じられるので、飲み続けても飽きない味わいとなっているようです。

従来通りのキレのよさで、余計な後味や雑味が残りません。あらゆる料理とマッチして、食事がよりいっそうおいしくなりそうですね!

※写真はイメージ

――パッケージもブラッシュアップしたワケは?

スーパードライの発売当時、パッケージには風格が必要でした。

ですが現在は、お客様の価値観も変わってシンプルさが求められる時代。

缶のデザインを「王道感がある」とほめてくださるお客様がいる一方で、「古い」「おじさんっぽいイメージ」といった声も上がっていました。

なので、ビールらしさを表現していた麦の絵など、時代とともに役割を終えたパーツを取り除くことで、シンプルにしていますね。

ビールといえば『苦くて重い味』が主流で、選択肢がなかった時代に『爽快なビール』として誕生したスーパードライ。

原点回帰して消費者に寄り添い、改めて環境や時代の変化をとらえたからこそ、『新スーパードライ』は人々の心をとらえたといえます。

どんな料理とも合う味わいかつ、洗練されたシンプルなパッケージのため、日常の中のあらゆるシーンに『新スーパードライ』はピッタリ。

久しぶりに会えた仲間と語る際はもちろん、筆者としては、自分らしく全力で取り組む時など、気持ちが高まる瞬間にこそ飲みたくなる、爽快な1杯です。

あなたも『新スーパードライ』を飲んで、躍動感のあるうまさを味わってみてはいかがでしょうか。


※1 2022年3月アサヒビール出荷実績、350㎖缶換算


[文・構成/grape編集部]

Share Post LINE はてな

page
top