「痴漢を泣き寝入りしない」女子高生が考えた対策法、日本中に広まる
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主に満員電車や夜道などで行われる、痴漢行為。他人に対してわいせつな行為をはたらく、許しがたい犯罪行為です。
2011年に警視庁が作成した『痴漢撲滅に向けた取組みに関する報告書』によると、検挙件数は約3800件。
また、上記の数字はあくまでも『検挙された件数』であり、警視庁は羞恥心などから被害申告をしない人も多数存在すると言います。
報告書によると、痴漢被害に遭っても警察に通報・相談していない人は304人中、271人。なんと、被害に遭った約89%が泣き寝入りしている状況なのです。
そんな事態に一石を投じるべく、ひとりの女子高生が立ち上がりました。
「痴漢を泣き寝入りしない」女子高生の痴漢抑止バッジが広まる
都内の学校に通う高校生のたか子さん(仮名)は、電車通学を始めてから1年間、毎日のように痴漢被害に遭っていました。
真面目な性格で、制服もきちんと着用しているたか子さん。スカートも長いのに、痴漢被害に悩まされていました。(一般的に痴漢は、抵抗しなさそうに見える大人しい人をターゲットにすると言います)
お母さんと防犯グッズを探し、車内の立ち位置も工夫しました。それでも、被害はやみません。
「特定の痴漢につけ狙われているのなら、同乗警護での対処が可能です。
でも、いろいろな場所での不特定多数の痴漢に対しては、なにもできません」
警察や交通機関に相談しても、対応してもらえませんでした。
「もう、電車に乗りたくない…」
画像はイメージです
痴漢被害のせいで憂うつな日々を過ごしていた、たか子さん。お母さんも、娘が何事もなく学校に行けたか毎日心配ばかりしていたそうです。
そんなある日、たか子さんとお母さんはとあるアイディアを思いつきます。それは『痴漢は犯罪です 私は泣き寝入りしません!』と書かれたプラカードを通学バッグに着けること。
すると、驚くことに痴漢被害は0件に!バッジにして6ヶ月間使ってみたところ、これまでのことが嘘のように一度も痴漢被害に遭わなくなったのです。
「痴漢だって、触る相手くらい選ぶだろ」
バッジをつけ始めた頃、ヒソヒソとそんな話し声が聞こえてきたこともあったそうです。しかし、たか子さんはこう思いました「選ばれなくて結構」…と。
商品化に向け、クラウドファンディングを開始
自分だけではなく、痴漢被害に悩む人はたくさんいる…。この画期的な方法を多くの人に知ってもらいたいと思ったたか子さんは、『痴漢抑止バッジ』の製品化を始めました。
このバッジがあれば、痴漢に狙われにくくなるだけではなく、痴漢行為自体も減るため冤罪も少なくなると考えたのです。
ネット上でデザインを公募し、バッジのデザインが決定。そして、クラウドファンディングで製作資金を募りました。
すると、彼女の画期的なアイディアはまたたく間に広まり、なんと目標金額の4倍以上もの資金が集まったのです!
『痴漢抑止バッジ』は販売開始すると、全国から多くの注文が!また、目標金額の300%以上が集まったため、東京都と大阪でバッジの無料配布活動も行いました。
「ひとりでつけるのは、ちょっと恥ずかしい…」という人がいることも考慮し、支援があれば学校などで生徒たちに配ることも可能なのだそうです。
痴漢は犯罪行為
痴漢について、警視庁は「人の尊厳を踏みにじる行為」と記載しています。
通常は『迷惑防止条例』を適用して取り締まることとなりますが、犯行がエスカレートした場合には、刑法の『強制わいせつ』が適用されます。
痴漢行為によるショックが原因で精神的ダメージを受けたり、トラウマを抱えてしまったり…と、今後の人生で大きな傷を抱えて生きていく被害者も多数存在します。
これ以上傷つく被害者を増やさないためには、ひとりでも多くの人が痴漢撲滅に対して向き合うことが第一歩になると思います。『痴漢抑止バッジ』のウェブサイトには、このようにつづられています。
たか子さんたちは、現在も痴漢抑止に向けて活動を行っています。下記のウェブサイトで活動内容の確認や『痴漢抑止バッジ』の購入ができます。ちなみに、購入者の4割は男性だそうです。
「痴漢被害に遭っている人を助けたい!」「自分も被害に遭っているから、なんとかしたい!」といった方は、ご覧になってみてはいかがでしょうか。
「痴漢抑止バッジ」をつけて痴漢行為から身を守ろう! – FAAVO東京23区
立ちあがれJK! – 痴漢抑止活動センター