バス営業所に「挙手挨拶をやめろ」とクレーム 禁止令が出た後、運転手たちがとった行動は
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バスに乗っている際、対向車線から走ってきたバスと運転手同士が手を挙げて挨拶する姿を目にします。
言葉は交わさずとも、その短い動作には「お疲れさま」「異常なし」といったいろいろなメッセージが込められているのでしょう。
運転手同士の絆や思いやりを感じる行動に、心温まる人は多いのではないでしょうか。
バス運転手の『挙手挨拶』に、「怖い思いをした」とクレーム
シャトルバスの運転手として働いている、佐門 大蔵 (@GbH5YJfkK5NDq83)さんの投稿が話題になっています。
以前は、路線バスの運転手だった佐門さん。勤めている営業所に、乗客から『あるクレーム』が入ったといいます。
「運転中に手を挙げるだなんて、片手運転をしていて危ない。怖い思いをしたから、やめてほしい」
なんと、一瞬の挙手挨拶を危険運転とみなし、クレームが入ったのです。
佐門さんを含む、多くの運転手はこのクレームに従うことに異論を唱えていました。挙手挨拶は運転手同士の大切なコミュニケーションであり、必要性のある動作です。
また、挙手挨拶をすることで、相手の運転手と「安全運転中!異常なし!」と確認をし合っているのです。
しかし会社はそのクレームを受け入れ、すべての運転手へ挙手挨拶の禁止を命じます。
理不尽と思えるクレームでも、「申し訳ありません」と謝罪し、従ってしまう日本社会。佐門さんの会社も、反論しなかったのでしょう。
その結果、『挙手禁止令』を受けた運転手たちは…通達を無視し、いつも通りに挙手挨拶を継続したのだとか!
「運転士は、運行中に意味のないことなんてしません」という、佐門さん。挙手挨拶は、運転をする上でとても大切な動作だとつづりました。
決まりとしては挙手が禁止になっているものの、実際のところ事務所も容認しているといいます。
そして、バス業界の現状について、このように述べました。
毎日のようにクレームが入るのが、バス業界の現状です。
理不尽なクレームでも、そういった意見が寄せられただけで、会社全体のルールが変わってしまいます。
投稿に対し、賛否両論の意見も
投稿は拡散され、多くの人からいろいろな意見が寄せられました。
ほとんどは「運転手たちの判断が素晴らしい!」「そんなクレームがあるなんて…」というものですが、中には否定的な声もあるようです。
【肯定的な意見】
・挙手はコミュニケーションだと思うので、会社は関係なくやっていいと思う。
・あの挨拶、見ていると心が癒されて大好きだから、もっとやってほしい。
・運転したことがない人が苦情いうのかな?バスに限らず、運転していれば挙手挨拶することあるよね。
【否定的な意見】
・対向車線の運転手の顔を見る暇があるなら、ちゃんと前を見てほしい。
・安全確認ならいいけど、挨拶の意味ではやってほしくないな…。
・「挨拶のためならリスクを犯してもいいのか?」という疑問はある。
もっともな意見や要望であれば、問題はありません。しかし、理不尽なクレームにも対応しなくてはならないのは、いかがなものでしょうか。
会社側もすべてのクレームを受け入れるのではなく、本当に受け入れるべき内容かしっかりと判断し、時には拒否することも必要なはずです。
「お客様の意見に従う社会」は正しいのか、いま一度考えさせられます。
[文・構成/grape編集部]