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黒い傘とビニール傘、防犯向きなのはどっち? 元警察官が出した「気になる答え」がこちら

By - りょうせい  公開:  更新:

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『持ち手にマスキングテープを巻いたビニール傘』の写真(撮影:りょうせい)

撮影:りょうせい

りょうせい

元警察官。警察歴10年。交番勤務を経て、生活安全課にて従事。第三級陸上特殊無線技士。 行方不明事案、DV・ストーカー、子供や高齢者の安全確保など、年間300件規模の人身関連事件に対応。 聴取・初動捜査・被害者支援だけでなく、地域の防犯広報・企画にも携わる。 現在は警察で得た実務経験を生かし、XやYouTube、StandFMで「日常で使える防犯知識」を中心とした情報発信を行う。 「自分で身を守るために必要な知識」を分かりやすく届けることをミッションとしている。 …続きを読む

いきなりですが、問題です。

もし、ひったくり犯が犯行日を自由に選べるとしたら、『雨の日』と『晴れの日』のどちらを選ぶと思いますか。

実は、雨の日は犯罪者にとって都合のいい条件が重なることがあります。

元警察官の筆者が、梅雨時期だからこそ知っておきたい防犯のポイントを、犯罪者の視点も交えながら解説します。

雨が奪う『視覚』と『聴覚』

雨の日は、知らず知らずのうちに私たちの『視覚』と『聴覚』が普段より鈍くなっています。

まず視覚です。雨が降ることで周囲が見えづらくなるだけでなく、傘を差すことで視界が遮られ、後方や左右の様子に気づきにくくなります。

さらに、スマホを見ながら歩いてしまうと、視線は画面に集中し、周囲への注意はさらに低下してしまいます。

次に聴覚です。雨音や傘に雨粒が当たる音によって、普段なら聞こえる足音や自転車の接近、人の声などが聞き取りにくくなります。

そこでイヤホンで音楽などを聴いていると、周囲の状況を把握することはさらに難しくなるでしょう。

『池袋駅西口ロマンス通り』の写真

※写真はイメージ

筆者が経験した現場でも、女子高校生が背後から男性に声をかけられ、ついてくるように言われた声かけ事案がありました。

発生時は友人との合流前で、スマホ操作しながら雨の中を歩いていたので、真後ろに男が立つまで気づかなかったといいます。

幸い、声をかけられた瞬間に走って逃げたため、被害は発生しませんでした。

もちろん、雨の日だから犯罪が起きやすいというわけではありません。

しかし、犯罪者にとっては『相手が周囲に気づきにくい状況』は、犯行しやすい条件の1つです。

両手が塞がることと、雨が捜査へ与える影響

雨の日は傘を差すため、どうしても片手が塞がってしまいます。もう片方の手でバッグや杖などを持ったり、スマホを操作したりすると、両手が自由に使えなくなりますね。

この状態で万が一、不審者に腕をつかまれたり、転倒したりした場合、とっさに身を守る動作が遅れてしまう可能性があるのです。

そのため、雨の日に『傘を差しながらスマホを操作する』行為は、普段以上に避けたい行動の1つといえます。

『雨の中を歩く杖の高齢男性』の写真

※写真はイメージ

また、雨は犯罪捜査にも影響を与えることがあります。

例えば、現場に残された足跡などが雨によって判別しづらくなったり、屋外に残された証拠が失われたりする可能性があります。

さらに、防犯カメラも雨粒や視界不良の影響で映像が見えづらくなり、犯人の特徴や車のナンバーなどを確認しにくくなるケースも。

もちろん、雨の日だから犯人が捕まらないというわけではありません。

しかし、犯罪者にとっては犯行後の痕跡が残りにくくなるなど、有利に働く場面があることも事実。

だからこそ、梅雨の時期は『被害に遭わないための行動』を普段以上に意識することが大切です。

雨の日に発生しやすくなる犯罪にも注意

雨の日は、傘に関する窃盗や自転車盗にも注意が必要です。

コンビニエンスストアや駅の傘立てでは、「少しだけだから」「似た傘だから分からないだろう」という軽い気持ちで、他人の傘を持ち去るケースが毎年発生しています。

『傘立て』の写真

※写真はイメージ

また、雨を避けるために「少しの時間だから大丈夫」と、自転車の鍵を掛けずに店へ入ってしまい、そのまま盗まれる被害も少なくありません。

どちらも「ほんの数分だから」という油断が被害につながります。

雨の日だからこそ、傘や自転車の管理を普段以上に意識することが大切です。

防犯の観点では『ビニール傘』がおすすめ

少し意外に思われるかもしれませんが、筆者が防犯の観点でもっともおすすめしたい傘は『ビニール傘』です。

理由はシンプルで、周囲が見えやすいからです。

『買い物帰りのシニア男性』の写真

※写真はイメージ

黒などの色つきや柄の大きな傘は視界を遮りやすく、後方や左右から近づく人や自転車に気づきにくくなることがあります。

一方、透明なビニール傘であれば、周囲の状況を確認しやすく、不審者や車両の接近にも気づきやすくなります。

もちろん、ビニール傘だから絶対に安全というわけではありません。

しかし、防犯という観点だけで見れば「周囲を確認しやすい透明な傘はメリットが大きい」と筆者は考えています。

ビニール傘を盗まれない工夫

ただ一点、ビニール傘は特徴がなく、誰のものか分からなくなる可能性があるため、盗まれる可能性が高まります。

持ち手の部分にマスキングテープを貼るなど、自分のものである工夫をしておくとよいでしょう。

持ち手の部分にマスキングテープを貼った傘(撮影:りょうせい)

持ち手の部分にマスキングテープを貼った傘(撮影:りょうせい)

まとめ

・歩きスマホやイヤホンの音量に注意し、周囲への警戒を怠らない。

・傘で視界が遮られることを意識し、周囲をこまめに確認する。

・傘を差しながらスマホを操作しない。

・傘や自転車は短時間でも放置せず、確実に管理する。

・戸締まりや防犯対策を普段どおり徹底する。

雨の日だからといって、犯罪が増えるとは限りません。しかし、雨音や視界不良などにより、犯罪者にとって都合のいい環境が生まれることがあります。

梅雨の時期は、普段より少しだけ『周囲を見る』『音を聞く』ことを意識するだけでも、防犯につながるのです。

雨の日だからこそ生まれる危険を知り、自分や大切な人を守るための行動を心掛けましょう。


[文・構成/りょうせい]

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