刑事ドラマでよく見る「張り込み」 捜査中、食事やトイレはどうしてる?【元警察官が解説】
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りょうせい
元警察官。警察歴10年。交番勤務を経て、生活安全課にて従事。第三級陸上特殊無線技士。
行方不明事案、DV・ストーカー、子供や高齢者の安全確保など、年間300件規模の人身関連事件に対応。
聴取・初動捜査・被害者支援だけでなく、地域の防犯広報・企画にも携わる。
現在は警察で得た実務経験を生かし、XやYouTube、StandFMで「日常で使える防犯知識」を中心とした情報発信を行う。
「自分で身を守るために必要な知識」を分かりやすく届けることをミッションとしている。

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刑事と聞くと、『張り込み』を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
刑事ドラマでも、張り込みの末に被疑者を逮捕するシーンがたびたび描かれています。
では、張り込み中に食べる『あんぱんと牛乳』は本当なのでしょうか。また、トイレや休憩はどうしているのでしょうか。
捜査員として張り込み経験者である元警察官の筆者が、張り込みのリアルについて解説します。
元警察官が語る『張り込みのリアル』
張り込みと聞くと、『あんぱんと牛乳』を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
刑事ドラマでは定番ともいえる組み合わせですが、筆者も何度も張り込みに従事した経験があるものの、実際にあんぱんと牛乳を飲食しながら張り込みをしている人は見たことがありません。
では、ドラマの描写は間違いなのでしょうか。
実は、そうとも言い切れません。
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張り込み中の食事は、コンビニエンスストアで購入したパンやおにぎりなどで済ませることがほとんどです。
いつ連絡が入るか分からず、対象者が動けばすぐに対応しなければなりません。そのため、ゆっくり食事を取るのではなく、短時間で食べられ、すぐに動けるものが好まれます。
そう考えると、『あんぱんと牛乳』は実際の張り込み事情から、大きく外れているわけではありません。
むしろ、『手軽に食べられて、すぐに動ける食事』という意味では、張り込みのリアルに近い食事といえるでしょう。
トイレや仮眠などの休憩は?
「何時間も同じ場所で張り込むなら、トイレはどうするの?」
そう疑問に思う人もいるでしょう。
結論から言うと、張り込み中でもトイレに行くことはできます。
張り込みは基本的に複数人で行うことが多く、対象者を見失わないよう役割分担をしています。
また、対象者が動き出した場合には尾行や追跡に移ることもあるため、そもそも1人だけで張り込みを行うケースは多くありません。
そのため、トイレに行きたくなった際は、ほかの捜査員に監視を任せて交代で済ませるのが一般的です。
深夜や早朝の張り込みは?
また、張り込みは深夜や早朝に及ぶこともあります。
そのため、状況によっては交代で仮眠を取ったり、休憩を挟んだりしながら対応することもあります。
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ただし、「まだ大丈夫」と、トイレの我慢はしないように心がけていました。
トイレに行きたくなったタイミングで対象者が現れたり、突然動き出したりする可能性があるためです。
実際、筆者も若手時代、先輩に遠慮してトイレへ行くタイミングを逃し、「そろそろ行こうかな」と思った直後に被疑者の確保に至ったことがありました。
無事に職務は執行できたものの、その時は別の意味でも冷や汗が止まりませんでした。
スーツ?私服? 張り込み時の服装とは
刑事ドラマでは、スーツ姿の刑事が張り込みをしているシーンをよく見かけます。
では、実際の張り込みではどのような服装をしているのでしょうか。
詳細をお伝えすることは控えますが、筆者が先輩から教わった張り込みの極意はその場に馴染むことの重要性でした。
例えば、繁華街で長時間張り込むにもかかわらず、周囲から浮くような服装をしていては、かえって目立ってしまいます。
張り込みでは対象者に気づかれないことが重要なため、周囲の環境に溶け込むことが求められるのです。
実際、筆者も若手時代にそれを痛感した経験があります。
喫煙所の周辺で張り込み中に…
当時、喫煙所周辺で張り込みをしていた際、筆者はタバコを吸わず、コーヒーだけを飲みながら長時間滞在していました。
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すると、見知らぬ人から「何をしているの?」と声をかけられたことがあったのです。
その時、『その場に馴染むこと』の大切さを改めて実感しました。
実は筆者は喫煙者ですが、もともとはタバコが大嫌いでした。
しかし、喫煙所で張り込みをすることもあるため、「吸えたほうが自然に振る舞えるかもしれない」と思ったことが、タバコを始めるきっかけの1つになりました。
『百害あって一利なし』という言葉がありますが、そう考えると筆者にとっては当時一利あったのかもしれません。
まとめ
・『あんぱんと牛乳』は定番ではないが、手軽な食事という点ではリアル。
・トイレや休憩は交代しながら取ることが多い。
・張り込みは深夜や早朝に及ぶこともある。
・服装で大切なのは『目立たないこと』ではなく『その場に馴染むこと』。
刑事ドラマで描かれる張り込みには、意外と現実に近い部分もあるようです。
本記事を読んでから刑事ドラマを見ると、また違った面白さを感じられるかも…しれません!
[文・構成/りょうせい]