ドアポケットに入れないで! 専門店に聞いた理由に「そうだったのか」
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- 取材協力
- かまた刃研社
毎日の調理で使う包丁。使用頻度が高いぶん、しっかりお手入れしたいですよね。
では、包丁のお手入れというのは、普段どのようにしたらいいのでしょうか。
包丁に関してプロ中のプロ、東京都台東区にある『かまた刃研社』の鎌田晴一先生に話をうかがいました。
『かまた刃研社』は創業1923年の100年企業で、4世代にわたって研磨技術を受け継いでおり、鎌田先生自身も研ぎ師として活躍しています。
包丁のお手入れの基本とは
鎌田先生によれば、普段のお手入れの基本は、この2つだそうです。
・使ったら汚れをよく水で洗い流す。
・乾いた布でしっかりぬぐう。
現在主流のステンレスの包丁には、入念なお手入れは不要。料理好きの人がよく使う鋼の包丁は、使った後に少し油を引いておくのがよいといいます。
ただし、「ステンレスの包丁でも柑橘類などの酸味が強い物、漬物などの塩分が強い物を切った後、そのまま放置すると変色してくることがある」そうです。
ステンレスの包丁でも汚れをよく洗い流し、布で拭ってください。
包丁がダメになるNGとは
普段のお手入れ方法が分かったところで、次はNGな保管方法などを確認しましょう。
シンク下の収納ドアポケットに入れない
最近はあまり見かけなくなりましたが、キッチンのシンク下が観音開きになっており、ドアポケットに包丁を収納できるようになっていました。
しかし、この場所は包丁を『差す』のには向いていません。鎌田先生によれば湿気がたまりやすく、包丁を錆びさせる可能性が高いそうです。
おすすめの保管場所について、鎌田先生によると「湿気が多いシンクの下や、水が飛び散る場所を避ければ、どこでも構いません」とのことなので、キッチンの安全な場所に収納してください。
食洗機にかけない
鎌田先生によれば「食洗機で包丁を洗わないほうがよい」とのこと。
食洗機は乾燥の工程で高温の風が出ます。高温になると包丁の柄(ハンドル)が傷んでしまうのです。最初は白く変色し、徐々にひびが入って割れてしまうとのこと。
包丁というと『刃』の部分が気になりますが、鎌田先生によると「包丁は柄が壊れるのが一番困る」そうです。
現在の包丁の多くは、刃と柄の部分を2点で鋲止めする方式になっており、このタイプは柄の交換ができる業者が少なく、また高価につくそうです。
柄を傷めないようにすることはとても重要。食洗機の使用を避け、柄も含めてよく洗い、汚れを取ることを心がけましょう。
※写真はイメージ
硬いものを無理に切らない
鎌田先生によると「無理をして包丁で硬い物を切るのはNG」とのこと。柔らかい物を切る時は薄い包丁がいいのですが、硬い物を切る時は包丁の『厚み』が必要になります。
刃が薄い包丁で無理に硬い物を切ると、欠けてしまうので気を付けてください。
鎌田先生からは「硬い物を切る包丁と、柔らかい物を切る包丁を使い分けたほうがよい」とアドバイスをもらいました。
『かまた刃研社』では、以下のような声がけをしているそうです。
よく切れる包丁だからといって、無理に硬いものを切らないでください。よく切れるということは刃が薄いということなので、乱暴に扱うと刃が欠けてしまいます。
使い古した刃が厚い包丁を取っておいて、『硬い物を切る用』に使うといいですね。
新聞で包丁は研げるのか
「新聞で包丁が研げる」という話を聞いたことはありませんか。鎌田先生にうかがったところ、これは誤解だそうです。
包丁の切れ味を戻すには、やはり砥石を使って研ぐのが一番。以下の順番で目の荒い砥石から使い、最後はもっともきめ細かく研げる『仕上げ砥石』で仕上げます。
1.荒砥石
2.中砥石
3.仕上げ砥石
鎌田先生によると…。
「最後の仕上げ砥石の代わりに新聞紙で仕上げてもいいですよ」と教えているのですが、この最後のところだけが伝わって、新聞紙で包丁が研げるという話になったのではないでしょうか。
砥石を全部そろえるのは大変ですし、出費になります。
そのため、「仕上げ砥石の代わりに新聞を使ってもいい」という話をするそうですが、間違って最後のところだけが残り、流布されているのかもしれません。
鎌田先生からのアドバイスを実践し、現在使用している包丁を長く使ってくださいね。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]