貝の砂抜きの方法は?時短できる? プロに聞いた方法に「そうだったのか」
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栄養豊富でおいしい貝。汁物やパスタなどに使っている人は多いでしょう。
貝は水中のプランクトンや有機物など、微小なエサを『水管』と呼ばれる器官を使って吸い込み、エサを取っています。
エサを吸い込む際、砂や泥も一緒に体内に入るため、貝を食べた時にジャリッと『貝が吸い込んだ砂』をかむことがあるでしょう。
これを避けるために行うのが『砂抜き』。調理する前に砂を吐き出させておくという作業です。
本記事では、潮干狩り歴72年の『潮干狩り超人』として有名な原田知篤先生に『貝の砂抜きの方法』を取材しました。
原田先生は、株式会社横浜シーサイドラインの『潮干狩り広報部長』を務めており、潮干狩りに関する書籍も出版しています。
貝の砂抜きの方法
貝の砂抜きの方法について、原田先生にうかがったところ、このような回答がありました。
スーパーマーケットで販売されているアサリ、ハマグリなど貝類のほとんどは、すでに砂抜きをしてあります。
たまに「ジャリッと砂をかんだかな…」と思うことがあるかもしれませんが、それは貝の殻が欠けたものです。
「かんだ」と思ったら吐き出して確認してみてください。殻の破片だと分かるのではないでしょうか。
ただし、潮干狩りでとった貝や、自分で砂抜きが必要な貝を購入した場合には、以下のような方法で砂抜きをするのがおすすめだそうです。
原田先生おすすめ『砂抜きの方法』の手順
まず貝をよく流水で洗いますが、原田先生から以下のアドバイスがありました。
ハマグリの場合は、貝がツルツルしているのでいいのですが、アサリの場合には溝があります。
ここに汚れが付いていますから、擦り合わせるようにしてよく汚れをとってください。
貝が吐く砂のほかに、この汚れでジャリッとすることがありますよ。
よく洗ったら、以下の1~4の手順で砂抜きをしましょう。
1.バットなどの容器に、海水と同じ程度の濃さの塩水を作ります。塩分濃度は3%程度なので、目安は水1ℓに対して食塩30g(大さじ2杯)。
2.『1』で作った塩水に、貝が完全に浸るように沈めます。貝を重ねないように、できるだけ平らに並べましょう。先に貝をザルに入れてからバットに入れると、吐いた砂を貝が再び吸い込みにくくなります。
3.貝は暗い環境で砂を吐きやすくなるため、バットにアルミ箔や新聞紙などを被せて蓋をします。密閉してはいけません。
4.直射日光の当たらない冷暗所で3時間ほどおきます。
できれば、上記を2回行うのがよいそうなので、砂抜きには約6時間かかるのですね。
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砂抜きの後は『塩抜き』を!
その後、貝を人工塩水から出してから行うのが『塩抜き』。砂抜きの際に貝が塩水を吸い込んでいるため、そのまま調理すると塩辛くなってしまいます。
塩抜きは、貝の味を引き立て、料理全体の塩味バランスを整えるための作業です。
砂抜き後にアサリを水から出しておくと、海水をピュッピュッと吐くので、1時間程度そのまま室内に放置します。
元気のいいアサリは1mくらい海水を飛ばすので、周りが濡れないよう、新聞紙や布巾などで覆っておきましょう。
その後、流水で表面をよく洗ってから、調理したり、冷蔵保存したりしてください。
『貝の砂抜き』時短はできるのか
砂抜きは時間がかかるため、時短できるのか気になりますよね。
例えば、ネット上には「50℃ぐらいのお湯を利用すれば砂抜きを時短できる」という情報が出回っていますが、原田先生にうかがうと…。
ネットではヒートショック法といって、「お湯を貝に掛けるとよい」といわれることがありますが、これは正しくありません。
誤った情報が広まったもので、最近ではこの方法が流布されることも少なくなっています。
では、時短の方法はないのか、聞いてみました。
魚を飼う時や釣りの時に、魚やエサのエビなどを生かしておくために使うエアーポンプがあります。
通称『ブク』といいますが、これを砂抜きの海水に入れてブクブクと空気を入れておくと、海水中の酸素が減らず砂抜きが早くなります。時間的には半減という印象です。
セットが面倒なので私はしばらく使っていませんが、テレビの撮影でアサリを採って、その場で食べるなどの企画で何度か海で活用したことがあります。
潮干狩りの場合は海水を持って帰ろう!
また、潮干狩りの際は空のペットボトルを持って行き、帰りにはその場所の海水を持ち帰るといいそうです。
持って帰った海水を使えば人工海水を作らなくてもいいですし、自分が生きていた場所の海水のほうが、貝はよく砂を吐きます。
スーパーマーケットで購入する貝ではなく、潮干狩りで貝を取るのであれば、砂抜きすることを考えて、空のペットボトルを持って行きましょう。
ちなみに、海水は公園のような自治体が管理している場所では持ち帰り自由です。
有料の潮干狩り場として漁業組合が管理しているような場所では、沖のきれいな海水をくみ上げてタンクに入れ、客が持ち帰れるようになっていることが多いです。持ち帰れる量は、2ℓのペットボトル1本など制限が設けられているので、事前に確認してください。
貝の砂抜きを行う際には、原田先生がおすすめする方法を試して、おいしく貝を食べてくださいね。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]