「子供たちの笑顔を思い浮かべながら…」 書店でサンタクロースになれる『ブックサンタ』とは?
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「特別な思い出を届けたい」 『ブックサンタ』運営に取材すると…
もともと、2008年からサンタクロースに扮して子育て家庭を訪問し、思い出を届ける活動をしていたという、認定NPO法人チャリティーサンタ。
『ブックサンタ』がスタートしたきっかけについて、このように話しています。
活動を続ける中で、貧困や災害などによってクリスマスの思い出を作れない子供たちにも、特別な思い出を届けたいと考えるようになりました。
そこで、『書店で誰でもサンタクロースになれる』をコンセプトに、『ブックサンタ』のプロジェクトをスタートさせました!
提供:認定NPO法人チャリティーサンタ
『ブックサンタ』では、全国の書店や支援団体と協力し、クリスマスだけではなく誕生日にも本を贈っているといいます。
本を受け取るのは、個人の家庭だけではなく、全国の子供支援団体が支援する家庭や、児童養護施設、被災地に住む0~18歳の子供たち。
2025年は、全国10万人の子供たちに本を届けることを目標にしているそうですよ。
活動の輪は年々広がっていき、2017年は58店舗だった参加書店が、2025年には全国1,851店舗に。すべての都道府県で実施されています!
規模が広がったことで、このようなこともできるようになりました。
多くの寄付をいただけるようになったので、専用倉庫『ブックサンタ ライブラリー』を開設しています。
あわせて専任スタッフがいることで、施設や家庭への選書を丁寧に行えるようになりました。
寄付された本の数も増え、2024年には9~12月の期間に合計13万843冊の寄付があったそうです。
提供:認定NPO法人チャリティーサンタ
同法人によると、贈られる本の傾向は…。
多く集まりやすいのはベストセラーやロングセラーですが、名作などはご家庭ですでに所持され、寄付が重複してしまうケースがあります。
そのため、幅広いジャンルの本を選んでいただけるといいかもしれません。
提供:認定NPO法人チャリティーサンタ
参加者が自由に選ぶので、どうしても集まりやすい本があるようです。
とはいえ、「なるべく幅広いジャンルを選ぶには、どうすればいいの…」と悩む人もいるでしょう。
同法人は、そんな時の選ぶ基準も教えてくれました。
クリスマスや誕生日などの『プレゼントとして楽しめる本』という視点で、選んでもらえたらうれしいです。
物語だけではなく、雑学や図鑑、趣味実用書なども多くの子どもたちに喜ばれていますよ。
筆者は子供の頃、図鑑を見るのが大好きだったので、『ブックサンタ』に参加した時も天体図鑑を選んだ記憶があります。
「図鑑も喜ばれる」と聞き、こっそりと胸をなで下ろしました…!
最後に、同法人は『ブックサンタ』にかける思いを教えてくれています。
困難を抱える家庭の子供たちにとって、『自分だけの1冊』は本当に特別な贈り物です。
子供たちはもちろん、保護者からも「1人ではないと思えた」といった温かい声が届いています。
ぜひ、子供たちの笑顔を思い浮かべながら、新しい1冊を選んでいただけると嬉しいです。
『ブックサンタ』に参加すると、自分の選んだ本が直接届く様子を見れなくとも、必ずどこかの子供を笑顔にしています。
関わる人全員の心が温かくなるのも、素敵なポイントです。
本を贈る喜びと本を受け取る喜びを生み出す『ブックサンタ』。
あなたも、今年のクリスマスは誰かのサンタクロースになってみませんか!
[文・構成・取材/grape編集部]