友人が誕生日に夫からプレゼントされたネックレス 「感動力が衰えている」
公開: 更新:
郵便局で1円切手を買おうとした女性 局員からの助言に「知らなかった!」「私も欲しい」2024年10月1日に郵便料金が変更。もともと持っていた切手を使いたくて、1円切手を買いに郵便局を訪れると…。
洗濯は『お湯』がいいって本当? 事実に「マジか」「危ないところだった」洗濯槽のカビ対策にお湯を使いたい時はありませんか。お湯のほうが効果が高そうで…と思うかもしれませんが、実際の効果や適切な湯温について日本電機工業会が公式サイトで解説していました。ぜひ参考にしてみてください。
吉元由美の『ひと・もの・こと』
作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。
たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。
小さな気づきと感動力
先日、友人が誕生日に夫からプレゼントされた、エルメスの「キュリオジテ」というレザーネックレスを見せてくれました。革の紐に、「目」と「鍵」の形をしたチャームがついています。「目」は金色で、サルバトーレ・ダリの描く目のようです。「鍵」は銀色。小さなチャームなのですが、とても存在感がある。このモチーフにどんなメッセージがあるのだろう? しばし友人とそんな話になりました。
「キュリオジテ」、「好奇心」…そして「目」と「鍵」。目を見開いて世界を見る。いつも好奇心を持って、新しい扉を開いていく。アメリカの海洋学者であるレイチェル・カーソンの言う「神秘さや不思議さに目を見張る感性を大切にすること」「センス・オブ・ワンダー」に通じるメッセージだと思いました。
ああ、最近の私にはこの感性がもっと必要かもしれない。若い頃に比べて感動力が衰えている…。そんな現実を見せられているような気がしたのです。このネックレスを見せてもらった時に心惹かれたのは、このモチーフの持つエネルギーを私自身が必要としていたからかもしれません。
たとえば旅に出る時。情報を集め、現地の写真を見て、準備万端で出かけます。初めて目にする風景なのに「写真と同じだ」とつい確認してしまうことはないでしょうか。私自身、そんなことはない!とあがいてみたいのですが、残念ながらそういうことがあるのです。さまざまな経験を積み重ねてきて、「馴れて」しまったのかもしれません。感動力が薄くなっていることを、時々感じるのです。
五感を大切にする。その場所の風に吹かれ、その場所の音に耳を澄まし、触れて、匂いを嗅ぐ。五感を開いた時に、実感することがたくさんあります。その五感を日頃から開き、多くのことを感じることができたら、感性豊かな毎日を過ごせるのではないか。ひとつのものから、どれだけの想像の翼を広げられるか。意識を広げてみるのです。その積み重ねが仕事や人間関係、人生の豊かさにつながります。大人には、大人の感動力がある。さまざまな経験を積み重ねた心と響き合う感動が、もっと深く胸を震わせるようになるのでしょう。そのためにも「キュリオジテ」そして「センス・オブ・ワンダー」と大切にしたいと、改めて思います。
エルメスのネックレスのモチーフが教えてくれたこと。そんなことに想像をめぐらせるなど、人によってはどうでもいいことでしょう。でも、小さなきっかけから、大切なことに気づくことがあります。必要な人に、必要な時、成長のための必要なきっかけがある。そんな気づきのひとかけらが、人生に彩りをもたらすこともあるのです。
[文・構成/吉元由美]
吉元由美
作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」
関連記事