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『憧れ』という言葉が薄れている? 憧れに近づく道のりを楽しむことは、感性を磨いていくことにつながる

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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バラの花を見る女性の写真

吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さんが、日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…さまざまな『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

『憧れ』と生きていく

街にはものがあふれている。そしてありとあらゆる情報もあふれている。

そんなこの時代の豊かさという恩恵が『スタンダード』になった今、『憧れ』という手の届かない、でも辿り着きたい『素敵な目標』を持ちづらくなったように思います。

そもそも『憧れ』という言葉が、若い世代の人たちの中から薄れていったのではないか。その言葉が使われなくなるというのは、その精神が失われたことに起因するのです。

PC仕事をする人の写真

インターネット上の膨大な情報は、目標を達成しやすくするかもしれないし、チャレンジする前に(無理!)と諦めてしまうきっかけになるかもしれない。また、たとえば憧れのタレントに簡単に会える場が多くあるというのも、あるでしょう。

音楽業界では、YouTubeを使って誰もが楽曲を世界配信できます。現代のテクノロジーによってチャレンジの場が多くなり、同時に『憧れ』へのハードルを下げることにつながりました。

『憧れ』という言葉には、どこか夢を見せてもらっているような甘い響きがあります。胸の中の憧れとしてそのまま持ち続けること。また、少しでも憧れに近づきたくて自分を磨く。

憧れに近づく道のりを楽しむことは、感性を磨いていくことにつながるのだと思います。

女性と美しい夕焼け空の写真

中学生の頃、1970年代のことですが、作詞家の安井かずみさんは私にとって美意識、美学とは生き方のセンスだと教えてくれた憧れの人でした。

作詞家という仕事も素敵でしたが、そのファッションやライフスタイルのセンスの良さに圧倒されました。

音楽と恋と旅とファッションと、哲学と。安井さんのファッションを真似て、頭にインド更紗のスカーフを巻いて原宿に遊びに行ったりしたものです。

カラフルなスカーフの写真

図らずも私も作詞家になり、安井かずみさんとお目にかかれる機会がありました。まだ携帯電話がない時代。待ち合わせの場所にディレクターと行ったのですがいらっしゃいません。

ご自宅へ行ってみたところ、「親戚に急な不幸があり、そちらへ向かっています。今日はごめんなさい」というメッセージが門に貼ってあったのです。

その後、一度だけ六本木でご主人の加藤和彦さんと歩いていらっしゃるのを見かけました。動物愛護が何?という迫力で毛皮を素敵に着こなして、加藤さんとにこやかなに歩いていらした。

美しいものを選択し、愛し愛されて、作品も人生も創造している。安井さんのその姿が物語っているようでした。

ピンク色のバラの写真

美意識を磨く。そして感性の赴くままに素敵に人生を創造していきたい。素敵なものを素敵だと、大好きなものに心を開いていく。憧れは心を鼓舞してくれるエネルギーなのです。

いのちを紡ぐ言葉たち かけがえのないこの世界で

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吉元 由美
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※記事中の写真はすべてイメージ


[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
吉元由美オフィシャルサイト
吉元由美Facebookページ
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