「対馬って何があるの?」「1日で十分」 実際に行ったら想像以上にヤバかった 提供:対馬市 By - grape編集部 公開:2021-01-08 更新:2021-01-13 国内旅行 Share Post LINE はてな 海に囲まれ、島の約90%が山という過酷な地でありながら、最強といわれる城があったり、有名ゲームやマンガの舞台になったりと、なにかと注目を集めている熱い島、対馬。 筆者も興味を抱いていたものの、「行ってもすぐに見るものがなくなってしまいそうだな」と考え、旅行を控えていました。 しかし、実際に行ってみると普通の旅行とは一線をかくす体験のオンパレード!自らの浅慮を悔いることになりました…。 対馬最強は伊達じゃない! 歴史に裏打ちされた防衛の要・金田城 長崎県対馬市は、福岡県から約130km、朝鮮半島からは約50km…なんと日本よりも韓国に近い場所にあります。 対馬全体図 天気がよければ韓国の釜山(ぷさん)が見えることもあるほど、朝鮮半島に近い離島です。そのため、対馬は昔から文化伝来の入り口であり、国防の最前線としての役割を持つことが多くありました。 中でも有名で日本最強の城ともいわれているのが、古代山城の『金田城(かねだじょう、かなたのき)』です。 金田城跡 ちょっと歴史の勉強になりますが、金田城ができたいきさつがこちら。 663年の朝鮮半島西南部で起きた『白村江(はくすきのえ、はくそんこう)の戦い』で、日本は唐・新羅(しらぎ)の連合軍に大敗。 連合軍が攻めてくると思った大和朝廷は、対馬に最前線の城として金田城を築き、見張りに防人(さきもり)を配置しました。 そんな防衛のために築かれた金田城ですが、天守閣もなく、山の傾斜に石塁の城壁があるだけの山城。「最強」といわれてもピンときません。 しかし、実際に山を登ってみると、今も城壁が多く残っており、その迫力に圧倒されました。その圧巻の城壁は『国指定特別史跡』に指定されるほど。 もちろん、現代では気軽に散歩できるようになっていますが、片側が崖になっているなど、険しい地形は健在です。 そして、山頂から一望できる浅茅湾(あそうわん)の眺望は、疲れを吹き飛ばしてくれるほど壮大でした。1300年以上も前の防人が同じような景色を見ていたのかと思うと、感動もひとしおです。 また、金田城は1904年の日露戦争時にも巨大な砲台が設置され、弾薬庫も作られるなど、国境を守る重要な場所として使われました。 砲台跡 600年代の人々が重要な拠点としていた金田城が、1300年経っても重要な地として使われたという事実は、現代でも十分に通用する要所だという証。最強といわれるのも納得の城ですね。 烏帽子岳(えぼしだけ)展望所 浅茅湾を一望してみたいけど、金田城に登るほどの体力はない…という人におすすめなのが、『烏帽子岳展望所』。 金田城は登山口から山頂まで歩いて40~50分かかりますが、烏帽子岳展望所は近くまで車で行くことができるのでかなり楽でした。 しかも、迫力ある360度の眺望を楽しめます。 浅茅湾と城壁を楽しみたければ金田城へ、対馬の眺望をぐるりと楽しみたければ烏帽子岳展望所へ行くといいかもしれません。 ただ、それぞれに違った魅力があるので筆者としては、「時間を作って両方とも行くべし」といいたいところです! 和多都美(わたつみ)神社 日本人の多くが知っている昔話『浦島太郎』。古くから竜宮伝説が伝えられている『和多都美神社』は、そのモデルといわれています。 海に向かって参道がある神秘的な作りで、本殿正面の5つの鳥居のうち、なんと2つは海中に!干潮時には歩いて鳥居に近づくことも可能です。 神社の中には海神の娘・豊玉姫(とよたまひめ)が竜になったと伝わる松の木があり、さらに奥へと行くと信仰の対象となる岩があるなど、パワースポットも充実。 松の木 豊玉姫の墳墓 写真では伝わりきらない不思議な力を肌で感じることができる場所でした。 万松院(ばんしょういん) 『万松院』は、対馬藩主・宗(そう)家の菩提寺。金沢市の加賀藩主前田家墓所、萩市の萩藩主毛利家墓所とともに日本三大墓地の1つともいわれています。 石の灯篭が連なる階段『百雁木(ひゃくがんぎ)』や樹齢1000年を超える大杉が見守る墓所など、荘厳な雰囲気が漂う由緒ある場所。 132段の百雁木 また、堂内には朝鮮国王から贈られた三具足が展示されていたり、対馬が日本の重要拠点だということを示す徳川将軍家の大位牌が安置されていたりします。 三具足 対馬の魅力は1日で終わらない! 水上も利用すると見どころが盛りだくさん! 絶景やパワースポットを紹介してきましたが、対馬の魅力は地上だけでは終わりません。 浅茅湾は緑の山々に囲まれたリアス式海岸で、風や波がとても穏やかな湾。そのため初心者でもシーカヤックを体験しやすい場所として有名です。 シーカヤックなら、先ほどの金田城の城壁を海側から見ることもできます。 金田城の城壁 さらにクルージングを利用すれば、海の参道から和多都美神社を参拝したり、旧日本軍が山を切り開いて作った人工の瀬戸にかけた橋『万関橋(まんぜきばし)』を下から見たり、浅茅湾の名所をくまなく回ることができるでしょう。 和多都美神社 万関橋 対馬には、ほかにも宗助国(そう・すけくに)が80数騎で元寇(げんこう)の大軍と戦った『小茂田浜(こもだはま)』や最南西端の絶壁すぎる景色が広がる『豆酘崎(つつざき)』、日本最古の寺という説もある『梅林寺』など、見どころがたくさん。 小茂田浜の宗助国像 高所恐怖症には耐えられない豆酘崎 また、厳原町(いづはらちょう)にある『観光情報館 ふれあい処つしま』に行けば、対馬の歴史や動植物などが詳しく学べます。 観光情報館 ふれあい処つしま もちろん、対馬ならではの新鮮でおいしい穴子や、サツマイモのでんぷんで作った麺料理『六兵衛(ろくべえ)』など、おいしい郷土料理も! 穴子の天ぷら 六兵衛 正直なところ、対馬にこんなにたくさんの見どころがあるとは思ってもいませんでした…。1日で対馬のすべてを知ることは不可能でしょう。 城から興味を持ったり、ゲームやマンガから入ったりと歴史への入り口が広い対馬。 体験してみて分かる魅力が盛りだくさんなので、旅程に余裕を持って、実際に足を運んで対馬の歴史に触れてみてくださいね。 対馬観光・物産オンラインEXPO(500名限定、事前登録制) 開催日時:2021年1月31日(日)13時~16時30分(予定) [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
海に囲まれ、島の約90%が山という過酷な地でありながら、最強といわれる城があったり、有名ゲームやマンガの舞台になったりと、なにかと注目を集めている熱い島、対馬。
筆者も興味を抱いていたものの、「行ってもすぐに見るものがなくなってしまいそうだな」と考え、旅行を控えていました。
しかし、実際に行ってみると普通の旅行とは一線をかくす体験のオンパレード!自らの浅慮を悔いることになりました…。
対馬最強は伊達じゃない! 歴史に裏打ちされた防衛の要・金田城
長崎県対馬市は、福岡県から約130km、朝鮮半島からは約50km…なんと日本よりも韓国に近い場所にあります。
対馬全体図
天気がよければ韓国の釜山(ぷさん)が見えることもあるほど、朝鮮半島に近い離島です。そのため、対馬は昔から文化伝来の入り口であり、国防の最前線としての役割を持つことが多くありました。
中でも有名で日本最強の城ともいわれているのが、古代山城の『金田城(かねだじょう、かなたのき)』です。
金田城跡
ちょっと歴史の勉強になりますが、金田城ができたいきさつがこちら。
663年の朝鮮半島西南部で起きた『白村江(はくすきのえ、はくそんこう)の戦い』で、日本は唐・新羅(しらぎ)の連合軍に大敗。
連合軍が攻めてくると思った大和朝廷は、対馬に最前線の城として金田城を築き、見張りに防人(さきもり)を配置しました。
そんな防衛のために築かれた金田城ですが、天守閣もなく、山の傾斜に石塁の城壁があるだけの山城。「最強」といわれてもピンときません。
しかし、実際に山を登ってみると、今も城壁が多く残っており、その迫力に圧倒されました。その圧巻の城壁は『国指定特別史跡』に指定されるほど。
もちろん、現代では気軽に散歩できるようになっていますが、片側が崖になっているなど、険しい地形は健在です。
そして、山頂から一望できる浅茅湾(あそうわん)の眺望は、疲れを吹き飛ばしてくれるほど壮大でした。1300年以上も前の防人が同じような景色を見ていたのかと思うと、感動もひとしおです。
また、金田城は1904年の日露戦争時にも巨大な砲台が設置され、弾薬庫も作られるなど、国境を守る重要な場所として使われました。
砲台跡
600年代の人々が重要な拠点としていた金田城が、1300年経っても重要な地として使われたという事実は、現代でも十分に通用する要所だという証。最強といわれるのも納得の城ですね。
烏帽子岳(えぼしだけ)展望所
浅茅湾を一望してみたいけど、金田城に登るほどの体力はない…という人におすすめなのが、『烏帽子岳展望所』。
金田城は登山口から山頂まで歩いて40~50分かかりますが、烏帽子岳展望所は近くまで車で行くことができるのでかなり楽でした。
しかも、迫力ある360度の眺望を楽しめます。
浅茅湾と城壁を楽しみたければ金田城へ、対馬の眺望をぐるりと楽しみたければ烏帽子岳展望所へ行くといいかもしれません。
ただ、それぞれに違った魅力があるので筆者としては、「時間を作って両方とも行くべし」といいたいところです!
和多都美(わたつみ)神社
日本人の多くが知っている昔話『浦島太郎』。古くから竜宮伝説が伝えられている『和多都美神社』は、そのモデルといわれています。
海に向かって参道がある神秘的な作りで、本殿正面の5つの鳥居のうち、なんと2つは海中に!干潮時には歩いて鳥居に近づくことも可能です。
神社の中には海神の娘・豊玉姫(とよたまひめ)が竜になったと伝わる松の木があり、さらに奥へと行くと信仰の対象となる岩があるなど、パワースポットも充実。
松の木
豊玉姫の墳墓
写真では伝わりきらない不思議な力を肌で感じることができる場所でした。
万松院(ばんしょういん)
『万松院』は、対馬藩主・宗(そう)家の菩提寺。金沢市の加賀藩主前田家墓所、萩市の萩藩主毛利家墓所とともに日本三大墓地の1つともいわれています。
石の灯篭が連なる階段『百雁木(ひゃくがんぎ)』や樹齢1000年を超える大杉が見守る墓所など、荘厳な雰囲気が漂う由緒ある場所。
132段の百雁木
また、堂内には朝鮮国王から贈られた三具足が展示されていたり、対馬が日本の重要拠点だということを示す徳川将軍家の大位牌が安置されていたりします。
三具足
対馬の魅力は1日で終わらない! 水上も利用すると見どころが盛りだくさん!
絶景やパワースポットを紹介してきましたが、対馬の魅力は地上だけでは終わりません。
浅茅湾は緑の山々に囲まれたリアス式海岸で、風や波がとても穏やかな湾。そのため初心者でもシーカヤックを体験しやすい場所として有名です。
シーカヤックなら、先ほどの金田城の城壁を海側から見ることもできます。
金田城の城壁
さらにクルージングを利用すれば、海の参道から和多都美神社を参拝したり、旧日本軍が山を切り開いて作った人工の瀬戸にかけた橋『万関橋(まんぜきばし)』を下から見たり、浅茅湾の名所をくまなく回ることができるでしょう。
和多都美神社
万関橋
対馬には、ほかにも宗助国(そう・すけくに)が80数騎で元寇(げんこう)の大軍と戦った『小茂田浜(こもだはま)』や最南西端の絶壁すぎる景色が広がる『豆酘崎(つつざき)』、日本最古の寺という説もある『梅林寺』など、見どころがたくさん。
小茂田浜の宗助国像
高所恐怖症には耐えられない豆酘崎
また、厳原町(いづはらちょう)にある『観光情報館 ふれあい処つしま』に行けば、対馬の歴史や動植物などが詳しく学べます。
観光情報館 ふれあい処つしま
もちろん、対馬ならではの新鮮でおいしい穴子や、サツマイモのでんぷんで作った麺料理『六兵衛(ろくべえ)』など、おいしい郷土料理も!
穴子の天ぷら
六兵衛
正直なところ、対馬にこんなにたくさんの見どころがあるとは思ってもいませんでした…。1日で対馬のすべてを知ることは不可能でしょう。
城から興味を持ったり、ゲームやマンガから入ったりと歴史への入り口が広い対馬。
体験してみて分かる魅力が盛りだくさんなので、旅程に余裕を持って、実際に足を運んで対馬の歴史に触れてみてくださいね。
対馬観光・物産オンラインEXPO(500名限定、事前登録制)
開催日時:2021年1月31日(日)13時~16時30分(予定)
[文・構成/grape編集部]