「帰ってきたなあ…」 帰省した住民をホッとさせる街の象徴が?
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栃木の道路で見かけた、ド派手な看板 異色のデザインに「ギャルが工事してる?」栃木県小山市の工事現場に突如現れた『ギャル看板』がSNSで大反響。思わず二度見してしまうデザインの看板を導入したきっかけや狙いを、施工会社に取材しました。

冬の風物詩の『世相サンタ』 満場一致で決まった2025年のモチーフが…兵庫県神戸市にある北野異人館『うろこの家』で2025年11月、大阪・関西万博をモチーフにした『世相サンタクロース』や、高市早苗首相や大谷翔平選手ら『時の人』を表現した人形が登場。冬の風物詩として注目されています。






あなたにとって、心が落ち着く故郷の風景はありますか。
例えば、学校の放課後に友達と並んで歩いた商店街や、ネオンがきらめく駅前の通りを思い出す人もいるでしょう。
兵庫県姫路市では、JR姫路駅近くに立つ手延べそうめんブランド『揖保乃糸』の看板が、地元住民の心に残る風景の1つになっているようです。
2025年秋、夜間に点灯する看板の写真がSNSで拡散されると、「宝石みたい。レトロ感たっぷりで好きすぎる」「感動…。もはや文化遺産レベル」などの声が上がり、全国的にも注目を集めました。
まるで芸術品のような『揖保乃糸』のネオン看板をご覧ください。
黄金色の鮮やかな光を放つ『揖保乃糸』の文字、そして、水色や緑色に輝く緻密な模様に目を奪われませんか…。
上部には、『揖保乃糸』を手掛ける兵庫県手延素麺協同組合のロゴマークもあしらわれています。古典的なネオン管が放つ光には、どことなくレトロな雰囲気を感じますよね。
昼間には、銅色を基調とした重厚な外観が姿をのぞかせます。
夜とはまた違う趣があり、思わず足を止める人もいるでしょう。
地元住民からは「これぞ姫路の名物看板」「新幹線で帰省する時、駅からこの看板が見えるとホッとする」といった声も。
地元の人々の心を癒やす、温かなシンボルになっているようです。
『揖保乃糸』のレトロな名物看板 設置背景を取材!
そもそも、ノスタルジックなネオン看板は、なぜ設置されたのでしょうか。
筆者はその経緯を探るべく、同組合企画課の担当者を取材しました!
――ユニークな『揖保乃糸』のネオン看板はどうして設置されたのでしょうか?
1983年に『じばさんびる』が建設される際に合わせて、このネオン看板も設置されました。
当時、姫路駅の北側に多くのネオン塔があったことから、「『揖保乃糸』もネオン塔でアピールしよう」と設置したことが推測できます。
『揖保乃糸』の看板は、設置から40年以上の歴史を誇るといいます。
姫路駅近くの『じばさんびる』に設置された背景には、当時、レトロなネオン看板が立ち並んでいた周囲の状況が関係していたようですね。
気になるデザインや色合いについて聞くと、次のような答えがありました。
当時の設置に関わった人がいないため、こだわりやはっきりとした思いは分かりません…。
ですが、『揖保乃糸』の主力商品である『上級品300g』のパッケージデザインが原案となってデザインされたものと考えられます。
当時からデザインは変わっていませんが、改修の際に現在のカラフルな色に変えており、設置当初はもう少しシンプルな色の電飾でした。
確かに『上級品300g』のパッケージを写真を見ると、看板の字体や細やかな模様などが瓜二つでしょう。
緻密なネオン看板のデザインから、『揖保乃糸』を多くの人に知ってほしいという熱意が感じられます。
最後に、ネオン看板に対する思いを聞くと、このように答えてくれました。
長い歴史によって老朽化が進んでいるため、普段からメンテナンスや修理を気にかけて行っています。
バブル期以降、情緒があって『地方色』が豊かな看板は減り、画一的なデザインの看板が増えました。
そんな中、『揖保乃糸』のネオン看板はまさに『ご当地感』があるものになっているはずです。
姫路駅の新幹線のホームから見えることもあり、観光客は「姫路にきた!」、私たちを含めた地元の人々は「姫路に帰ってきた」と感じられて、地方と結びつく記憶として残るものになっていると思います。
『揖保乃糸』を食べて心が満たされるような思いを、このネオン看板を見た時にも感じてほしいですね。
長年にわたり、観光客たちに『揖保乃糸』をPRするだけでなく、地元の人々の心を温める役割も果たし続けているネオン看板。
この先も『姫路のシンボル』として、鮮やかな輝きを放ち続けるはずです!
[文・構成・取材/grape編集部]