「死ぬ話なんて縁起が悪い!」でも、亡くなる直前に70%の人が… 提供:中外製薬株式会社 By - grape編集部 公開:2019-09-30 更新:2020-04-27 ニッポン放送ラジオ山口智充 Share Post LINE はてな ※写真はイメージ 人生の幕引きを、どこで、どんな風に迎えたいか…。身体が元気なうちは、なかなか考えることは少ないもの。 特に日本では「死を語るなんて縁起でもない!」という風潮があります。でも、"理想の終末期"をいまから考えておくことは、自分らしい生きかたを最期まで全うするために必要かもしれません。 "聞くだけで元気になる情報"を届けるラジオ番組『ぐっさんの健やかDAYS』(ニッポン放送)。2019年9月30日の放送は、「自分らしく最期まで生きる」というテーマでトークが展開されました。 パーソナリティーを務めるお笑いタレント・山口智充(やまぐち ともみつ)さん、アナウンサー・東島衣里(ひがしじま えり)さん、緩和ケア専門医である神戸大学 医学部 付属病院 緩和支持治療科特命教授の木澤義之(きざわ よしゆき)先生が対談した内容をご紹介します。 「自分らしく最期まで生きる」とは? 東島さん:ぐっさんは、老後を考えることってありますか? 山口さん:まぁ、『いま』の蓄積が老後だと思っていますんで…。とりあえず目の前のことを、必死でこなしていくというか。後で振り返った時に、その痕跡が老後の充実感に繋がるのかなと。 東島さん:じゃあ、自分の最期はどんなふうに過ごしたいか…など、考えることはありますか? 山口さん:いや~…ないですね。もしかしたらそれが今日、明日かもしれないし、分からないですもんね。 東島さん:やはり日本人は「あまり死ぬことについて話すのは縁起でもない」という空気がありますよね。先生、「自分らしく最期まで生きる」とはどういうことなのでしょうか? 木澤先生:はい。いま元気な時は、なかなか『死』について考えないですよね。でも、実際に亡くなるという時、およそ70%のかたが、自分でどんな治療やケアを受けたいかを決められなくなるんです。 山口さん:最近は『終活』なんていわれるように、遺産相続やお墓のことなどを話し合う人が増えていますけど、それらは亡くなった"後"のことですもんね。 東島さん:死に直面した時のことを、いまのうちに考えておくことも必要ですか? 木澤先生:そうですね。どんな治療やケアを受けたいか、前もって話し合っておくと、もしもという時に自身の考えにあったケアを受けられる可能性が高いといわれています。また家族にとっても、心の負担が減りますね。 東島さん:家族の負担というのは、具体的にどういったことがありますか? 木澤先生:患者本人の考えがよく分からないままで、代理のかたが治療やケアの方針を決めた場合、家族の気持ちや思案の負担が大きくて、亡くなった後に気持ちがつらくなったり、後悔が残ったりすることもあります。 ※写真はイメージ 木澤先生:おふたりは、『アドバンス・ケア・プランニング』という言葉を聞いたことありますか? 山口さん:いや、まったく分からないです…。 東島さん:私も勉強不足で聞いたことがないですね…。先生、どういうものなんですか? 木澤先生:『アドバンス・ケア・プランニング』とは、万が一の時に備えて、あなたが大切にしていることや希望、またどのように医療やケアを望んでいるかについて、前もって自分で考えてみたり、 あなたが信頼している人と話し合ってみたりすることなんです。『人生会議』ということもあります。 ※写真はイメージ 東島さん:なるほど。より具体的に人生の計画を立てる必要があると思うのですが、どんな風に話を進めればいいのでしょうか? 木澤先生:『アドバンス・ケア・プランニング』には、5つのステップがあります。 【ステップ1】まずは、「自分が大切にしていることは何なのか」を考えてみる。 【ステップ2】信頼している人の中で、「いざという時に自分の代わりとして治療やケアについて考えたり、話し合ったりしてほしい人は誰か」と考える。 【ステップ3】病気療養中の場合、病名や病状、予想される今後の経過について、必要な治療やケアを主治医に聞いてみる。 【ステップ4】完治が難しい病気にかかり、残された時間が限られているとしたら、どのように過ごしたいかを、信頼できる家族や友人と一緒に考えてみる。 【ステップ5】家族、親族で話し合った結果を、医療チームと介護従事者チームの両者にも伝えておく。 山口さん:意思をしっかり持つことと、それを聞いてもらう相手をきちんと選ぶことが大切なんですね。後は、話し合った内容を文字で残しておくのも必要かもしれない。 東島さん:身内に伝えた後、変更することも可能ですか? 木澤先生:もちろん!状況によって考えは変わるものですからね。いつでも、内容を訂正することは可能です。万が一の時に備えて、自分が大切にしていることや、どのような医療やケアを望んでいるのかについて、自身で考えてみたり、信頼する人たちと話し合ったりしてください。 東島さん:なかなかそういう話って難しいですけどね…でも、いつかは、いずれは、家族と話さなければいけないことですね。 山口さん:まずは、人生の最期について意識するってことが第一歩というか。未来の死と向き合うことによって、いまが前向きになれれば、それはそれでいいことですよね。 東島さん:今回は「自分らしく最期まで生きるためには」について、お話を伺いました。木澤先生、ありがとうございました! 終末期の準備について、「未来のことをいまから考えても無駄」「自分はまだ大丈夫」と思って考えることを避けてしまいがちです。 ある日突然、認知症になってしまったり、寝たきりになったりと、必ずしも理想とする最期を迎えられるとは限りません。 最期まで自分らしく生き抜くために、そして、残される家族や友人の心が少しでも軽くなるように、いまから『アドバンス・ケア・プランニング』を実践してみてはいかがでしょうか。 ぐっさんの健やかDAYS:『DAYS』内 毎週月曜日 14時40分ごろ~ 放送 [文・構成/grape編集部] [2019年9月作成] Share Post LINE はてな
人生の幕引きを、どこで、どんな風に迎えたいか…。身体が元気なうちは、なかなか考えることは少ないもの。
特に日本では「死を語るなんて縁起でもない!」という風潮があります。でも、"理想の終末期"をいまから考えておくことは、自分らしい生きかたを最期まで全うするために必要かもしれません。
"聞くだけで元気になる情報"を届けるラジオ番組『ぐっさんの健やかDAYS』(ニッポン放送)。2019年9月30日の放送は、「自分らしく最期まで生きる」というテーマでトークが展開されました。
パーソナリティーを務めるお笑いタレント・山口智充(やまぐち ともみつ)さん、アナウンサー・東島衣里(ひがしじま えり)さん、緩和ケア専門医である神戸大学 医学部 付属病院 緩和支持治療科特命教授の木澤義之(きざわ よしゆき)先生が対談した内容をご紹介します。
「自分らしく最期まで生きる」とは?
東島さん:
ぐっさんは、老後を考えることってありますか?
山口さん:
まぁ、『いま』の蓄積が老後だと思っていますんで…。とりあえず目の前のことを、必死でこなしていくというか。後で振り返った時に、その痕跡が老後の充実感に繋がるのかなと。
東島さん:
じゃあ、自分の最期はどんなふうに過ごしたいか…など、考えることはありますか?
山口さん:
いや~…ないですね。もしかしたらそれが今日、明日かもしれないし、分からないですもんね。
東島さん:
やはり日本人は「あまり死ぬことについて話すのは縁起でもない」という空気がありますよね。先生、「自分らしく最期まで生きる」とはどういうことなのでしょうか?
木澤先生:
はい。いま元気な時は、なかなか『死』について考えないですよね。でも、実際に亡くなるという時、およそ70%のかたが、自分でどんな治療やケアを受けたいかを決められなくなるんです。
山口さん:
最近は『終活』なんていわれるように、遺産相続やお墓のことなどを話し合う人が増えていますけど、それらは亡くなった"後"のことですもんね。
東島さん:
死に直面した時のことを、いまのうちに考えておくことも必要ですか?
木澤先生:
そうですね。どんな治療やケアを受けたいか、前もって話し合っておくと、もしもという時に自身の考えにあったケアを受けられる可能性が高いといわれています。また家族にとっても、心の負担が減りますね。
東島さん:
家族の負担というのは、具体的にどういったことがありますか?
木澤先生:
患者本人の考えがよく分からないままで、代理のかたが治療やケアの方針を決めた場合、家族の気持ちや思案の負担が大きくて、亡くなった後に気持ちがつらくなったり、後悔が残ったりすることもあります。
※写真はイメージ
木澤先生:
おふたりは、『アドバンス・ケア・プランニング』という言葉を聞いたことありますか?
山口さん:
いや、まったく分からないです…。
東島さん:
私も勉強不足で聞いたことがないですね…。先生、どういうものなんですか?
木澤先生:
『アドバンス・ケア・プランニング』とは、万が一の時に備えて、あなたが大切にしていることや希望、またどのように医療やケアを望んでいるかについて、前もって自分で考えてみたり、 あなたが信頼している人と話し合ってみたりすることなんです。『人生会議』ということもあります。
※写真はイメージ
東島さん:
なるほど。より具体的に人生の計画を立てる必要があると思うのですが、どんな風に話を進めればいいのでしょうか?
木澤先生:
『アドバンス・ケア・プランニング』には、5つのステップがあります。
【ステップ1】
まずは、「自分が大切にしていることは何なのか」を考えてみる。
【ステップ2】
信頼している人の中で、「いざという時に自分の代わりとして治療やケアについて考えたり、話し合ったりしてほしい人は誰か」と考える。
【ステップ3】
病気療養中の場合、病名や病状、予想される今後の経過について、必要な治療やケアを主治医に聞いてみる。
【ステップ4】
完治が難しい病気にかかり、残された時間が限られているとしたら、どのように過ごしたいかを、信頼できる家族や友人と一緒に考えてみる。
【ステップ5】
家族、親族で話し合った結果を、医療チームと介護従事者チームの両者にも伝えておく。
山口さん:
意思をしっかり持つことと、それを聞いてもらう相手をきちんと選ぶことが大切なんですね。後は、話し合った内容を文字で残しておくのも必要かもしれない。
東島さん:
身内に伝えた後、変更することも可能ですか?
木澤先生:
もちろん!状況によって考えは変わるものですからね。いつでも、内容を訂正することは可能です。万が一の時に備えて、自分が大切にしていることや、どのような医療やケアを望んでいるのかについて、自身で考えてみたり、信頼する人たちと話し合ったりしてください。
東島さん:
なかなかそういう話って難しいですけどね…でも、いつかは、いずれは、家族と話さなければいけないことですね。
山口さん:
まずは、人生の最期について意識するってことが第一歩というか。未来の死と向き合うことによって、いまが前向きになれれば、それはそれでいいことですよね。
東島さん:
今回は「自分らしく最期まで生きるためには」について、お話を伺いました。木澤先生、ありがとうございました!
終末期の準備について、「未来のことをいまから考えても無駄」「自分はまだ大丈夫」と思って考えることを避けてしまいがちです。
ある日突然、認知症になってしまったり、寝たきりになったりと、必ずしも理想とする最期を迎えられるとは限りません。
最期まで自分らしく生き抜くために、そして、残される家族や友人の心が少しでも軽くなるように、いまから『アドバンス・ケア・プランニング』を実践してみてはいかがでしょうか。
ぐっさんの健やかDAYS:『DAYS』内 毎週月曜日 14時40分ごろ~ 放送
[文・構成/grape編集部]
[2019年9月作成]