「なんで病院に…?」 眼科に『クライミング用の壁』がある理由 提供:中外製薬株式会社 By - grape編集部 公開:2024-01-10 更新:2024-01-15 視覚障害 Share Post LINE はてな 文字の読み書きがしにくくなったり、歩いていてつまずきやすくなったり、日常のあらゆる場面で、不便を感じる視覚障がい。 中でも、完全に見えないわけではないものの、見ることに何かしらの困難さがある状態のことを『ロービジョン』といいます。 視界がボヤけたり、暗く見えたり、一部だけが見えなかったりと、人によって症状もさまざま。 もし、自身や身近な人が『ロービジョン』になったら、どのように向き合えばよいのでしょうか。 病院の中に意外なものが… 兵庫県神戸市のポートアイランド内にある施設『神戸アイセンター』。 病院や研究所など、眼にまつわるさまざまな機関が入った複合施設ですが、中に入るとひときわ目立つ広い空間があります。 この空間は『Vision Park(ビジョンパーク)』 。 眼科を訪れる患者やその家族だけでなく、眼が見えない、見えにくいことで困っている人など、さまざまな人が集うことのできる場所だといいます。 具体的に何ができるのか、フリーアナウンサーの坂本梨紗(さかもと・りさ)さんに、体験してもらいました。 ナビゲーターは、ビジョンパークを運営する公益社団法人NEXT VISIONで常務理事を務める和田浩一(わだ・こういち)さんです。 ビジョンパークは、大きく5つのエリアに分かれています。 体験用の白杖(はくじょう)を手に持ち、まず訪れたのは『リーディングエリア』。 このエリアには数多くの本や新聞、雑誌などが用意されており、さまざまな情報に触れることができます。 エリア内には拡大読書器も置かれていて、ロービジョンの人も文字が読みやすくなる工夫がされています。 次に訪れたのは『シミュレーションエリア』。 ここには、車の運転を体験できるシミュレーターがあり、周りの人や車の動き、信号などを見ながら、安全に運転ができるかどうかを測れます。 ほかにも学校を模したような空間があり、日常生活をサポートしてくれるグッズの使い方を体験しながら学ぶことも可能です。 続いては、『アクティブエリア』。 実際に身体を動かすための空間で、クライミングウォールが設置されていました。 ロービジョンの人にも見やすいように、一部のホールド(突起)は光るようになっています。 開放されている日には、子供から高齢者まで、多くの人たちが意欲的に取り組んでいるようです! 施設の中央にある『キッチンエリア』は、その名の通り、巨大なオープンキッチンになっているスペース。 音声で案内してくれる電子レンジや炊飯器などがあり、実際に料理を作ったり、ワークショップを開催したりすることもあります。 最後に紹介するのは『リラクゼーションエリア』。 自然音が流れる癒しの空間で、多くの人が憩いの場として利用しているようです。 ビジョンパーク、よく見ると… 目的別にさまざまなエリアがあるビジョンパークですが、施設内を歩いていると、いくつかの段差がある造りになっていることが分かります。 これは、日常生活に潜む危険を体験してもらい、「白杖を持って歩くことで、段差があっても安心して歩けるんだ」と気付いてもらうことが目的。 ビジョンパークで過ごすことで、日々学びと成長が生まれるのだといいます。 病院で治療を受けても、視力が完全には回復しないことを知り、ショックを受けてしまう人は少なくありません。 ビジョンパークは、運動や料理などの体験を通して『目が見えにくくても、元気に人生を楽しんでいる人と出会う場所』でもあるのだとか。 クライミングを始めたり、拡大読書器を活用して裁縫に挑戦したりなど、新たな生きがいを見つけて、立ち直った人も多くいるそうです。 誰でも訪れることができるビジョンパークでは、目が不自由な人と、そうでない人が積極的にコミュニケーションを取る姿も多く見かけるといいます。 当たり前に混ざり合い、同じように生活すれば、きっと互いの理解は深まるはず。 ビジョンパークは、お互いを知るためのきっかけを与えてくれそうですね。 ロービジョンについて詳しく知りたい! ビジョンパークについて詳しく知りたい! [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
文字の読み書きがしにくくなったり、歩いていてつまずきやすくなったり、日常のあらゆる場面で、不便を感じる視覚障がい。
中でも、完全に見えないわけではないものの、見ることに何かしらの困難さがある状態のことを『ロービジョン』といいます。
視界がボヤけたり、暗く見えたり、一部だけが見えなかったりと、人によって症状もさまざま。
もし、自身や身近な人が『ロービジョン』になったら、どのように向き合えばよいのでしょうか。
病院の中に意外なものが…
兵庫県神戸市のポートアイランド内にある施設『神戸アイセンター』。
病院や研究所など、眼にまつわるさまざまな機関が入った複合施設ですが、中に入るとひときわ目立つ広い空間があります。
この空間は『Vision Park(ビジョンパーク)』 。
眼科を訪れる患者やその家族だけでなく、眼が見えない、見えにくいことで困っている人など、さまざまな人が集うことのできる場所だといいます。
具体的に何ができるのか、フリーアナウンサーの坂本梨紗(さかもと・りさ)さんに、体験してもらいました。
ナビゲーターは、ビジョンパークを運営する公益社団法人NEXT VISIONで常務理事を務める和田浩一(わだ・こういち)さんです。
ビジョンパークは、大きく5つのエリアに分かれています。
体験用の白杖(はくじょう)を手に持ち、まず訪れたのは『リーディングエリア』。
このエリアには数多くの本や新聞、雑誌などが用意されており、さまざまな情報に触れることができます。
エリア内には拡大読書器も置かれていて、ロービジョンの人も文字が読みやすくなる工夫がされています。
次に訪れたのは『シミュレーションエリア』。
ここには、車の運転を体験できるシミュレーターがあり、周りの人や車の動き、信号などを見ながら、安全に運転ができるかどうかを測れます。
ほかにも学校を模したような空間があり、日常生活をサポートしてくれるグッズの使い方を体験しながら学ぶことも可能です。
続いては、『アクティブエリア』。
実際に身体を動かすための空間で、クライミングウォールが設置されていました。
ロービジョンの人にも見やすいように、一部のホールド(突起)は光るようになっています。
開放されている日には、子供から高齢者まで、多くの人たちが意欲的に取り組んでいるようです!
施設の中央にある『キッチンエリア』は、その名の通り、巨大なオープンキッチンになっているスペース。
音声で案内してくれる電子レンジや炊飯器などがあり、実際に料理を作ったり、ワークショップを開催したりすることもあります。
最後に紹介するのは『リラクゼーションエリア』。
自然音が流れる癒しの空間で、多くの人が憩いの場として利用しているようです。
ビジョンパーク、よく見ると…
目的別にさまざまなエリアがあるビジョンパークですが、施設内を歩いていると、いくつかの段差がある造りになっていることが分かります。
これは、日常生活に潜む危険を体験してもらい、「白杖を持って歩くことで、段差があっても安心して歩けるんだ」と気付いてもらうことが目的。
ビジョンパークで過ごすことで、日々学びと成長が生まれるのだといいます。
病院で治療を受けても、視力が完全には回復しないことを知り、ショックを受けてしまう人は少なくありません。
ビジョンパークは、運動や料理などの体験を通して『目が見えにくくても、元気に人生を楽しんでいる人と出会う場所』でもあるのだとか。
クライミングを始めたり、拡大読書器を活用して裁縫に挑戦したりなど、新たな生きがいを見つけて、立ち直った人も多くいるそうです。
誰でも訪れることができるビジョンパークでは、目が不自由な人と、そうでない人が積極的にコミュニケーションを取る姿も多く見かけるといいます。
当たり前に混ざり合い、同じように生活すれば、きっと互いの理解は深まるはず。
ビジョンパークは、お互いを知るためのきっかけを与えてくれそうですね。
ロービジョンについて詳しく知りたい!
ビジョンパークについて詳しく知りたい!
[文・構成/grape編集部]