「何%から傘は必要?」 降水確率について『天気のプロ』に聞いてみた 提供:東京都総務局 By - grape編集部 公開:2024-10-31 更新:2024-10-31 勉強大人天気天気予報東京防災 Share Post LINE はてな テレビやネットなどで何気なく目にしている天気予報。 洗濯や外出の前に、一度確認する人は多いでしょう。 調べれば、すぐにさまざまな情報が分かって便利ですが、こんな疑問を抱いたことはありませんか。 降水確率何%から傘を持っていけばいいの…? 天気予報を有効に活用するためにも、正しい見方は知っておきたいもの。 そこで、株式会社ウェザーマップに所属する、気象予報士の長谷部愛さんに話を聞いてみました。 長谷部愛さん ――降水確率の考え方は? まず、気象庁が出す降水確率は、過去の気圧配置などと照らし合わせて、同じような状態だった時に『1mm以上の雨が、100回中何回降ったか』という意味になっています。50回なら50%、30回なら30%です。 傘については、私たち気象予報士は、降水確率30%くらいから持ち歩く人が一番多いです! よく野球に例えるのですが、自分がピッチャーだとして、打率3割のバッターが打席に立っていたら、警戒しますよね。それに近い感覚です。 雨が降るエリアや、時間帯での割合と誤解されることもあるという降水確率。 しかし、過去の事例から予測された『雨が降る確率』だということが分かりました。 傘は降水確率30%を目安に持ち歩いておけば、間違いなさそうですね! まさに『天気のプロ』ともいえる、気象予報士。 テレビやラジオ、インターネットなど、さまざまなメディアを通して、私たちに天気の情報を届けてくれています。 長谷部さんも、現在はメディアを中心に気象情報を伝えていますが、もともとはテレビやラジオのパーソナリティー兼ディレクターとして働いていたのだとか。 30歳を過ぎてから気象予報士の資格を取得して、気象キャスターに転身したといいますが、なぜキャリアチェンジをすることにしたのでしょうか。 ――気象予報士になろうとしたきっかけは? きっかけは大きく2つあります。 1つは、過去に頑張った数学の知識を生かしたいと思ったことです。 以前、数学の教員を目指していて、教員免許を取ったんですが、結局マスコミの世界に興味を持つようになって、教師にはならずに、テレビやラジオの会社に就職しました。 そこで「あんなに頑張った数学の知識を使う場面がない!」ということに気付いたんです。 そんな時、気象予報士という資格の存在と、「数学を勉強していると試験に少し有利」という噂を聞き、数学を頑張った自分を肯定したくて、勉強を始めました。 確かに数学の知識を生かせる場面もありましたが、暗記物や記述式の問題もあるし、どちらかといえば国語のほうが重要でしたね(笑)。 もう1つは「自分も何かを極めたい!」と思ったことです。 マスコミの世界で働いていた時に、『1つの分野を極めた一流の人』に会う機会が多くありました。 何かを極めたからこそ見える世界が、その人たちにはある気がして、いろいろな話を聞いているうちに憧れを持ちました。 気象予報士は、誰でも受験可能な国家資格ではありますが、試験の合格率は例年4~5%と非常に狭き門です。 合格するためには、1000時間前後の勉強が必要ともいわれており、仕事をしながら取得を目指すのは、容易ではないでしょう。 ――どのように勉強時間を確保していた? 私はあまり器用なほうではないし、勉強をすることも苦手なので、最後の半年くらいに集中して詰め込むやり方を取っていました。 仕事終わりには必ず3時間、休みの日には図書館にこもって7~8時間は勉強していましたね…。 髪の毛を短く切ってケアの時間を短縮したり、移動の際は少しでも到着が早くなる手段を選んだり、勉強時間を確保するため、それ以外の時間をできるだけ削るようにしました。 「勉強をすることが決して得意ではない」と語る長谷部さん。 効率的な勉強方法を編み出すのではなく、勉強以外の時間を削れるだけ削るという手法で、見事に気象予報士の資格を取得したといいます。 ――気象予報士のほかに資格は持っている? 防災士の資格も持っています。 天気と災害は深く関わるものなので、豪雨や台風の情報を伝える時に、取るべき行動までしっかり伝えたいと思い、勉強して資格を取得しました。 ――今、新しく興味を持っている分野は? 現在は、東京造形大学で授業を担当させてもらっていることもあって、美術の分野はもっと学びたいと思っています。 お世話になっている大学の先生などに教わりながら、美術検定などにもチャレンジしてみたいですね。 今は新しく美術について学んでみたいと語る長谷部さん。好奇心旺盛な性格もあり、常に学びたい欲があるそうです。 そこで、東京都が運営する大人の学び直しのためのポータルサイト『東京リカレントナビ』を見てもらいました。 東京都や、都内の大学、関係団体などが提供する公開講座を約500件紹介しており、学び直しを後押ししてくれるコンテンツが盛りだくさんです。 ――サイトを見た感想は? ものすごい量の講座がありますね!受けてみたいものがたくさんあります。 例えば、語学系。取材で海外に行くこともあり、言葉が通じなくて大変な思いをしたことがあるので、しっかり学びたいです…。 あとは世界史や宗教史などは、美術と密接にかかわってくるものが多いので、興味があります。 別の分野では、運動も大切だなと思っているのでヨガやピラティスの講座も受講してみたいですね! 『東京リカレントナビ』では、受講料が有料か無料か、対面かオンラインかなど、条件別に探すことも可能。 各分野の基礎知識や魅力について、20分程度で分かりやすく紹介する『ミニッツ動画』もあり、勉強を始める『きっかけ』になり得る機能が充実しています。 ――学び直しを始めたい人へのメッセ―ジを。 何か1つのことを極めていくと、見えてくるものがたくさんあって、その中に面白さがあります。 未知の領域に一歩踏み出すのはすごく大変だし、面倒に感じる部分もあると思いますが、勇気を出して踏み出せば新しい世界が広がっています。 一歩踏み出して、広がった世界はきっと楽しいですよ!私自身が、今それを実感しているところです。 最初は「せっかく頑張った数学を生かしたい」という気持ちで、気象予報士の勉強を始めた長谷部さん。 しかし、『天気』について勉強していく中で、昔の天気の言葉や、人の感情と結びつく天気の話など、歴史や芸術とも密接にかかわっていることを知り、学べば学ぶほど面白い分野だと気付いたといいます。 好きなことや、興味のある分野を自分で選び、学べることが、大人の勉強の魅力です。 「勉強を始めたいけど何からすればいいか分からない」という人は、まずは『東京リカレントナビ』で『興味のある分野』を見つけてみてはいかがでしょうか! 『東京リカレントナビ』はこちらから! 第1回記事:「まずは○○が大切」 東京都が教える『大人の勉強法』とは 第2回記事:『元祖メガネっ子アイドル』時東ぁみ もう1つの姿がすごすぎる! [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
テレビやネットなどで何気なく目にしている天気予報。
洗濯や外出の前に、一度確認する人は多いでしょう。
調べれば、すぐにさまざまな情報が分かって便利ですが、こんな疑問を抱いたことはありませんか。
降水確率何%から傘を持っていけばいいの…?
天気予報を有効に活用するためにも、正しい見方は知っておきたいもの。
そこで、株式会社ウェザーマップに所属する、気象予報士の長谷部愛さんに話を聞いてみました。
長谷部愛さん
――降水確率の考え方は?
まず、気象庁が出す降水確率は、過去の気圧配置などと照らし合わせて、同じような状態だった時に『1mm以上の雨が、100回中何回降ったか』という意味になっています。50回なら50%、30回なら30%です。
傘については、私たち気象予報士は、降水確率30%くらいから持ち歩く人が一番多いです!
よく野球に例えるのですが、自分がピッチャーだとして、打率3割のバッターが打席に立っていたら、警戒しますよね。それに近い感覚です。
雨が降るエリアや、時間帯での割合と誤解されることもあるという降水確率。
しかし、過去の事例から予測された『雨が降る確率』だということが分かりました。
傘は降水確率30%を目安に持ち歩いておけば、間違いなさそうですね!
まさに『天気のプロ』ともいえる、気象予報士。
テレビやラジオ、インターネットなど、さまざまなメディアを通して、私たちに天気の情報を届けてくれています。
長谷部さんも、現在はメディアを中心に気象情報を伝えていますが、もともとはテレビやラジオのパーソナリティー兼ディレクターとして働いていたのだとか。
30歳を過ぎてから気象予報士の資格を取得して、気象キャスターに転身したといいますが、なぜキャリアチェンジをすることにしたのでしょうか。
――気象予報士になろうとしたきっかけは?
きっかけは大きく2つあります。
1つは、過去に頑張った数学の知識を生かしたいと思ったことです。
以前、数学の教員を目指していて、教員免許を取ったんですが、結局マスコミの世界に興味を持つようになって、教師にはならずに、テレビやラジオの会社に就職しました。
そこで「あんなに頑張った数学の知識を使う場面がない!」ということに気付いたんです。
そんな時、気象予報士という資格の存在と、「数学を勉強していると試験に少し有利」という噂を聞き、数学を頑張った自分を肯定したくて、勉強を始めました。
確かに数学の知識を生かせる場面もありましたが、暗記物や記述式の問題もあるし、どちらかといえば国語のほうが重要でしたね(笑)。
もう1つは「自分も何かを極めたい!」と思ったことです。
マスコミの世界で働いていた時に、『1つの分野を極めた一流の人』に会う機会が多くありました。
何かを極めたからこそ見える世界が、その人たちにはある気がして、いろいろな話を聞いているうちに憧れを持ちました。
気象予報士は、誰でも受験可能な国家資格ではありますが、試験の合格率は例年4~5%と非常に狭き門です。
合格するためには、1000時間前後の勉強が必要ともいわれており、仕事をしながら取得を目指すのは、容易ではないでしょう。
――どのように勉強時間を確保していた?
私はあまり器用なほうではないし、勉強をすることも苦手なので、最後の半年くらいに集中して詰め込むやり方を取っていました。
仕事終わりには必ず3時間、休みの日には図書館にこもって7~8時間は勉強していましたね…。
髪の毛を短く切ってケアの時間を短縮したり、移動の際は少しでも到着が早くなる手段を選んだり、勉強時間を確保するため、それ以外の時間をできるだけ削るようにしました。
「勉強をすることが決して得意ではない」と語る長谷部さん。
効率的な勉強方法を編み出すのではなく、勉強以外の時間を削れるだけ削るという手法で、見事に気象予報士の資格を取得したといいます。
――気象予報士のほかに資格は持っている?
防災士の資格も持っています。
天気と災害は深く関わるものなので、豪雨や台風の情報を伝える時に、取るべき行動までしっかり伝えたいと思い、勉強して資格を取得しました。
――今、新しく興味を持っている分野は?
現在は、東京造形大学で授業を担当させてもらっていることもあって、美術の分野はもっと学びたいと思っています。
お世話になっている大学の先生などに教わりながら、美術検定などにもチャレンジしてみたいですね。
今は新しく美術について学んでみたいと語る長谷部さん。好奇心旺盛な性格もあり、常に学びたい欲があるそうです。
そこで、東京都が運営する大人の学び直しのためのポータルサイト『東京リカレントナビ』を見てもらいました。
東京都や、都内の大学、関係団体などが提供する公開講座を約500件紹介しており、学び直しを後押ししてくれるコンテンツが盛りだくさんです。
――サイトを見た感想は?
ものすごい量の講座がありますね!受けてみたいものがたくさんあります。
例えば、語学系。取材で海外に行くこともあり、言葉が通じなくて大変な思いをしたことがあるので、しっかり学びたいです…。
あとは世界史や宗教史などは、美術と密接にかかわってくるものが多いので、興味があります。
別の分野では、運動も大切だなと思っているのでヨガやピラティスの講座も受講してみたいですね!
『東京リカレントナビ』では、受講料が有料か無料か、対面かオンラインかなど、条件別に探すことも可能。
各分野の基礎知識や魅力について、20分程度で分かりやすく紹介する『ミニッツ動画』もあり、勉強を始める『きっかけ』になり得る機能が充実しています。
――学び直しを始めたい人へのメッセ―ジを。
何か1つのことを極めていくと、見えてくるものがたくさんあって、その中に面白さがあります。
未知の領域に一歩踏み出すのはすごく大変だし、面倒に感じる部分もあると思いますが、勇気を出して踏み出せば新しい世界が広がっています。
一歩踏み出して、広がった世界はきっと楽しいですよ!私自身が、今それを実感しているところです。
最初は「せっかく頑張った数学を生かしたい」という気持ちで、気象予報士の勉強を始めた長谷部さん。
しかし、『天気』について勉強していく中で、昔の天気の言葉や、人の感情と結びつく天気の話など、歴史や芸術とも密接にかかわっていることを知り、学べば学ぶほど面白い分野だと気付いたといいます。
好きなことや、興味のある分野を自分で選び、学べることが、大人の勉強の魅力です。
「勉強を始めたいけど何からすればいいか分からない」という人は、まずは『東京リカレントナビ』で『興味のある分野』を見つけてみてはいかがでしょうか!
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第1回記事:「まずは○○が大切」 東京都が教える『大人の勉強法』とは
第2回記事:『元祖メガネっ子アイドル』時東ぁみ もう1つの姿がすごすぎる!
[文・構成/grape編集部]