「アルツハイマーの母に、店の従業員が」 息子の告白が世界中で絶賛されたワケ
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アルツハイマーを患っている母親を持つ、ドロン・サロモンさん。
アルツハイマー
認知症の原因疾患の1つ。記憶障害のほか、身体的機能や判断能力の低下などを引き起こす。
ドロンさんが自身のTwitterアカウントに投稿したあるメッセージが「素晴らしい」と話題になっています。
アルツハイマーを患った母親
ことの始まりは約10年前。テキパキと仕事をこなし、数字にも強かったドロンさんの母親は『セインズベリーズ』というスーパーの簿記係として働いていました。
しかし、50代前半のころにアルツハイマーの症状が出始め、これまでのような仕事を行うことが困難になってしまいます。
そこで母親は雇用主と相談し、店のオンラインで注文を受けた商品の配送係に就くことになりました。
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その後症状が進み、2013年には正式にアルツハイマーと診断された母親。
症状により、通い慣れたはずの職場を見知らぬ場所のように感じてしまい、パニックを起こす日も…。そんな時にも従業員たちは真摯に寄り添い、支えてくれたといいます。
勤務時間の変更や、アルツハイマーに関して理解を深めるための話し合いを行うなど、雇用主は少しでも母親が働きやすくなるように職場の環境を整えてくれました。
また、仕事に対する自信を失っていた母親に対し、時には特別な仕事を与えることもありました。ほかの従業員がすでに行っていた箱の掃除を命じたところ、母親は「それが自分にとって最重要な仕事」だと認識し、誇りをもって行っていたそうです。
「社会に貢献できていると実感することは、アルツハイマーの人にとって救いになる」と、ドロンさんは語っています。
寄り添い続けたスーパー
「店側が母親を解雇するタイミングはたくさんあった」と、振り返るドロンさん。
ドロンさんの父親は、妻がトラブルを起こして店に呼び出されるたびに、最悪の事態を覚悟していたといいます。
しかし店側は彼女を責めないばかりか、いつも彼女のことを心配し「我々にできることはないか」と声をかけてくれたのです。
2018年の3月に、母親は任期満了による退職を迎えました。ドロンさんの目に映る母親は、感情的になりながらも、自身の役目を全うしホッとしているようにも見えました。
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最後まで思いやりをもって接してくれた店に対し、Twitter上に長い感謝のメッセージをつづったドロンさんは、投稿の最後をこう締めくくっています。
投稿を読んだ人たちからは「涙が止まらない」「なんて素晴らしい店なんだ」といったコメントが相次ぎました。
ドロンさんの投稿に対し、セインズベリーズの公式Twitterアカウントは、次のような返事をしています。
アルツハイマーに負けず、たくさんの人たちに支えられながら仕事を勤め上げた母親にとって、退職の日はどんなに感慨深い一日となったことでしょう。
一人ひとりの従業員を大切にする店の姿勢は、母親やその家族だけでなく、たくさんの人の心を動かしました。
[文・構成/grape編集部]