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「久しぶりやね、覚えとる?」施設から少年を引き取った女性の生きざまに涙

By - grape編集部  公開:  更新:

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大切な人に裏切られ、何もかもが信じられなくなった時、そっと手を差し伸べてくれたのは…。

これは、心に傷を負った孤独な少年が、ある"運命の出会い"によって人生を再生していく、心温まる物語です。

親に捨てられ、心を閉ざした少年

「久しぶりやね。健人くん…覚えとる?」

両親に捨てられ、施設で育った少年・健人(けんと)。彼が小学生になったある日、長崎県南島原市に住む伯母に引き取られることになりました。

名古屋市からの転校生として、教室で紹介される健人。でも、「信じたものはいずれ目の前からなくなる。なら最初から関わらないほうがいい」と心を閉ざす彼は、 伯母やクラスメイトと距離を置いてしまいます。

そんな健人をずっと気にかけていたのが、同級生の綾乃(あやの)でした。

「バーベキュー、行くやろ?」

友達家族とのバーベキューに健人を招待する綾乃。「行かないって!」と何度も断られながらも、綾乃はしつこく誘います。そして、このバーベキューで"事件"が起こったのです――。

大人になった2人

15年の月日が経ち、健人は東京で行政職員になり、綾乃は南島原市で小学校の先生として働いていました。そんなある日、地元で小学校の同窓会が開かれることに。

久々に南島原市の実家に帰った健人。同窓会に向かうため、身支度をしていると…。

「おばちゃん、こんにちはー!」「綾乃ちゃん!久しぶりやね、元気やった?」

綾乃が健人を迎えにやってきました。「なんね、スーツ?」と妙にかしこまった彼を見てからかう綾乃でしたが…。実は健人は、ある『決心』をしてこの地に戻ってきたのでした。

「健人飲みすぎ!あんま飲めんのにさ…」

酒が弱いのにも関わらず、普段よりハイペースで酒を飲む健人に気が気ではない綾乃。なんだか様子がおかしい彼を心配そうに見つめます。

綾乃は、酔いつぶれてしまった健人を介抱していると、彼のかばんの中から『小さな箱』を発見します。この時、つかず離れずだった2人の想いが、ようやく動き出そうとしたのです。

果たして、どんな結末を迎えるのか…。感動のラストは動画でご確認ください。

総勢100人!市民が一体となって完成した感動作

こちらのショートフィルム『記憶の灯(あかし)』は、長崎県の南島原市が観光誘致のために制作したもの。2018年に短編映画祭の観光映像部門で最高賞を受賞し、ネットで90万回以上再生された『夢』に続く2作目として公開されました。

"心の再生"をテーマに、南島原市の美しい景色と人々の温かさが融合した、ノスタルジックな世界観を作り上げています。

人を信じることを諦めた健人が、母親代わりとして育ててくれた伯母や、かけがえのない存在である綾乃との触れ合いの中で、本来の自分を取り戻していく様子が、繊細に描写されています。

最初は誰にも心を開かなかった健人が、大人になり、育ててくれた伯母に感謝を伝えるシーンは、感情移入して涙があふれてしまう人も多いかもしれません。

メガホンをとったのは、長崎市在住の映像ディレクター・野上鉄晃(てっこう)監督。野上監督は「地元の人々の協力なくして撮影できなかった」と振り返ります。

同窓会やバーベキュー、海で一斉に子どもたちが走り出すシーンなど、登場するエキストラはみな、南島原市に住む地元の人たちなんだとか。

南島原の豊かな自然と、人々の優しさが織りなす、心温まる感動作。あなたもきっと、大切なあの人に会いに行きたくなるはずです。


[文・構成/grape編集部]

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