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オールナイトニッポンのあの曲をデジタル融合!?近未来的オーケストラに驚き

By - grape編集部  公開:  更新:

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ラジオ好きなら知らない人はいない深夜番組『オールナイトニッポン』。

そのオープニングの曲もかなり有名。実はこれ『ビタースイート・サンバ』という曲で、トランペット奏者のハーブ・アルパートが1965年にリリースした曲。

そんな曲をアレンジした”新バージョン”が公開されました。原型を留めながらも、大スケールのアレンジは、ちょっと病みつきになります!

新バージョンは『楽器がひとつも鳴っていない』

『ビタースイート・サンバ』を新しく編曲したのは、キーボーディスト、作・編曲家の篠田元一さん。デジタル音楽の分野を主に、40年間の音楽キャリアを持つ大ベテランです。

ほぼオリジナルと変わらないオープニングから、徐々にオーケストラの存在感が増してくるところが、編曲の特徴のひとつ。30秒もしないこの曲には、彼が目指している、ひとつの音楽の理想像が反映されていました。

打ち込みって、なんでもできちゃうんですよ。昔だったら、例えばギターの音が欲しければギターが必要だったのに、ここ20年くらいの間に、1台の電子楽器で色んなパートが鳴らせるようになって。

そして今や、鳴ってる音は全てパソコンから出ている。楽器はどこにもないのに。ノートパソコン1台あれば、旅先でもどこでもできるんです。

長年デジタル音楽に携わってきた篠田さん。しかし、アナログ楽器を使った生の音楽作りとのギャップに、頭を抱えることもあったそうです。

デジタルで音楽を作っていると「これが限界」という考えが働いてしまいがちです。これだけデジタルの音源が進化しても生楽器の表現を事細かくカバーできるわけではありません。これ以上のものを作ろう!と思っていてもリミットがあるんですね…。

あと、実際の楽器とコンサートでコラボする時、デジタル楽器はスピーカーから鳴らします。それと違って生の楽器は、音が360度ひろがるんですよ。だから自分だけデジタルで、まわりがオーケストラの時、ものすごい悲しい思いをするんです。つまり音場的にもなかなか自然に混じらないということなんですね。

正面から向き合う―『デジタルとアナログの融合』

デジタルとアナログの融合…篠田さんは、自身が参加するコンサートでその試みに挑みます。

今まで試みてきた”デジタルとアナログのコラボ”というのは、正面切ってやってない気があったんですね。3月に行われるコンサートで、一番文化的価値があるなと思うのは、デジタルとアナログの境目がなくなること。

The Brand-New Concert 2017』のテーマはまさに『デジタルとアナログの融合』。日本を代表する作曲家達が、電子楽器を駆使して、音やフレーズを豊かなものにします。また、数多くのデジタル楽器とオーケストラ、ピアノはデジタルとアコースティック、合唱などの大編成で奏でられます。

コンサートのプロモーションとして制作した『ビタースイート・サンバ』の編曲でも、オーケストラをデジタルで表現した、コラボ作品ともとらえることができます。

「これは生楽器である」「これは電子楽器である」と論じること自体がナンセンスだ、というところまで来るんじゃないかと思うんですよね。だから聴いてて「あれ、今回シンセいたの?」くらいでもいいのかもしれない。それだけ自然に聴こえてればすごく良いと思うんです。

篠田さんのスタジオより

今回は電子音がいっぱい入るけど、聴いてる肌触りというか感触が、デジタルとアナログの境目を意識することなく聴けるというところです。音が溶け込んだ時に初めて『成功』って言えるんじゃないかなって気がするんです。

演目はオリジナル音楽から、クラシック音楽やアニメ音楽にデジタル音を加えたものなど、ほぼジャンルレス。しかも『宇宙兄弟』など、実際のアニメ映像を上映しながら音楽を奏でたりなど、アニメ・ゲームファンにも嬉しいコンサートになっているのだとか。

聞き慣れた音楽に、デジタル楽器が当たり前のように参加し、アコースティックと織り交ぜられているということを、目と耳で確かめられることができます。「え、この曲こんなにデジタル楽器が使われていたの?」という驚きの発見もあるでしょう。

こんなに豪華な編成で、一晩でこれだけ幅広い音楽を聴けることはなかなかありません。

デジタルとアナログ、それぞれが補い合ってできる音楽は一体どういうものなのか…コンサートへの期待が高まります。

The Brand-New Concert 2017

日時:2017年3月29日(水)18:00開場 19:00開演
会場:オーチャードホール
入場料:S席5,800円 A席4,500円 B席3,300円
※B席は一部スクリーンが見づらい可能性のある席を含みます。ご了承ください。
主催:公益財団法人かけはし芸術文化振興財団

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[文・構成/grape編集部]

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