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田植えをするために集った人々 実は、ただ田植えをしていたのではなく?

By - grape編集部  公開:  更新:

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稲の種類は多種多様。

多くの食卓に並ぶごはんのお米は、夏頃の稲を見ると緑色をしています。

しかし、古代米の稲は実にカラフル!籾(もみ)の色などから、赤色や桃色、黄色、白色、紫色などに分けられます。

古代米のカラーを活かして、大地という巨大なキャンバスにデザインを描けば『田んぼアート』のできあがり。

2021年8月に完成した作品を映した動画が、こちらです!

稲だけで描かれたアートは見ごたえ抜群で、植物の力が感じられます。

稲によって、東京タワーや桜、自動車やピサの斜塔などが描かれているのが面白いですね。

完成まで5か月間!?長期にわたった巨大アートの裏側

こちらの田んぼアートは、イタリアの自動車メーカー『FIAT(以下、フィアット)』が、NPO法人『メイド・イン・ジャパン・プロジェクト(MIJP)』と協力して実現したプロジェクトの一環。

2021年5月に、地域住民やメーカー、職人、ディーラーなどが一体となり、自分たちで田植えを行いました。

「昔は手で植えていたと思うと、本当に大変だったんだな」

参加した人たちは、アートを作っていく楽しさを体験するとともに、そんな大変な部分も感じたそうです。

田植えには15名で10日間もかかりました。現代では機械で一気に田植えができますが、手作業で植えると膨大な時間がかかるのですね。

なぜフィアットが田んぼアート?

実は、ファイアットは自動車を販売するだけでなく、2014年から日本のものづくり支援をしています。

日本のものづくりに関する文化継承を目的に活動している、NPO法人『メイド・イン・ジャパン・プロジェクト』と協力。さまざまな産地とコラボレーションして、その地域の紹介をする『FIAT × MADE IN JAPAN PROJECT』を行ってきました。

2021年には、農業の理解促進と地域の活性化を図り、田んぼアートに取り組む新潟県燕市を支援することに決定。

初の試みとなる『FIAT Agri Art Project』で、⽇本とイタリアを象徴する建造物が融合したデザインで田んぼアートを制作しました。

同年7月の段階では、まだ『FIAT』の文字の横にある桜に色がついていなかったのですが…。

稲の成長とともに、絵柄が完成に近付いていく様子を、関わった多くの人たちが見守りました。

同年8月には、桜にもしっかりと色がつき、ついにアートが完成!

米作りを通して、何かを作ることの素晴らしさや、楽しさを多くの人々が感じ取りました。

同年10月には収穫祭を開催。田んぼアートの一部を、参加者の手で刈り取ります。

プロジェクト完了まで5か月もかかるプロジェクトを決行したフィアットは、稲刈りにどんな想いを込めているのでしょうか。

感無量のフィナーレまでもう少し!今の想いを聞いてみた

プロジェクトの始めである田植えから、FCAジャパン株式会社マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさんも参加。

土や苗に触れ、間近で稲の成長を見守ってきたティツィアナさんに、感想などをうかがいました。

――田んぼアートが完成して何を感じた?

私にとって、田んぼアートは本当に珍しい経験で、いい勉強になりました。

成長過程では、稲の1本ずつに個性があるのを感じられましたね。見るたびに違う美しさがあるのはミラクルだと思いましたよ。

ですが、みんなが楽しみにしているのは、やっぱり収穫後のお米でしょう!

同年10月には収穫祭も開催予定。稲の一部を、人の手で刈り取る体験をするそうです。

――収穫について思うことは?

人生の過程で、考えとか、いろんなことが毎日変わるでしょう。誰かとの出会いに影響されることもあります。

田んぼアートも、「泥だらけになって田植えをして、苗が育っておいしいお米ができる」というストーリーがあって、人生と似ていますね。

稲の収穫後に、またリスタートできるところも人生と同じでしょう。

――収穫された米から、オーナーさんに何を感じ取ってほしい?

プロジェクトのコンセプトはシェア。1つの田んぼで一緒に作ったお米を、みんなでいただくこと。

そして、テーマはサスティナブルですね。

私たちは今の生活の中で忘れてしまっていますが、日本の農業文化にはリサイクルが根付いていて、すべてがサスティナブル。

収穫したお米を食べて、大事なメッセージを受け取り、私たちと一緒に「自分の生活もエコにしようかな」と考えてもらいたいです。

今の生活に近代的な技術は欠かせません。だからこそ、環境に配慮したサスティナビリティなストーリーを、みなさんと一緒に作りたいのです。

また、次回のプロジェクトは『藍染』とのこと。

藍染には、タデ科の植物『藍』の葉で作った天然の染料『すくも』を使います。

特に、藍染の本場である徳島県で製造されたすくもは『阿波藍』と呼ばれ、重宝されています。

――次回のプロジェクトについての想いは?

今度の藍染のプロジェクトも、すごくサスティナビリティなアート。

自然の美しさや色、デザインからインスピレーションを得て、FIATの電気自動車『500e』にも取り入れていきたいです。

「電気自動車の時代に向かって、みなさんと一緒にコミュニティを作り活動していきたい」と語るティツィアナさん。

同年11月くらいに、サスティナビリティについてディスカッションする会員制のコミュニティを立ち上げる予定だそうです。

――そのほかに伝えていきたいことは?

私たちは、日本で車を販売するだけでなく、日本人の心ともっとつながっていきたいと思っています。

日本人が忘れている、自国の文化のポジティブなところや、ユニークなところを探して、ともに理解していきたい。

きっと、日本人は忙しく働き、ストレスフルな生活になっています。昔のポジティブなものを見たら、そこから新しいエネルギーを得られるのではないでしょうか。

同年10月末には、ファイアットのウェブサイト『fiat Magazine CIAO!』で、収穫祭の様子が見られるようになる予定です。

いろいろな人の想いが込められたお米。5か月におよぶプロジェクトの締めくくりとして、感動もひとしおでしょう。

次回のプロジェクト『藍染』も楽しみですね!


[文・構成/grape編集部]

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