【2025年版】次の皆既月食はいつ?「ブラッドムーンを見てはいけない」といわれる理由や皆既日食との違いを分かりやすく解説!
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高校生が撮影した皆既月食の写真 月面に現れた珍しい青い帯が?「キャンディみたい」東京都立川市にある立川高校の天文気象部員が撮影し、『ターコイズフリンジ』という青い帯が現れた皆既月食の写真が、Xで大反響を呼びました。同部のXアカウント(@tamc_net)の投稿を紹介します。

約3年振りの『皆既月食』がいよいよ! さらに【土星】が見れるチャンスも?2025年9月8日未明、日本全国で見られる貴重な天体ショーがあることはご存知でしょうか。太陽と地球、月が一直線に並ぶことで起きる、皆既月食が約3年ぶりに見られますよ!
- 出典
- 国立天文台(NAOJ)
特別な天体ショーとして話題になる、『皆既月食』や『ブラッドムーン』。
どちらも月に関する現象ですが、「どういう仕組みなのかを知りたい」という人や、2025年の観測チャンスを逃してしまい、「次にいつ見られるのかを知りたい」という人もいるのではないでしょうか。
本記事では、できるだけ分かりやすく簡単に、皆既月食やブラッドムーンの仕組みを解説します。
また、皆既月食と並んでよく話題になる『皆既日食』との違いも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
次の皆既月食はいつ?何年に一度見られる?
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国立天文台によると、次の皆既月食は、2026年3月3日に日本で観測できるとされています。
皆既月食は、地球全体では年に1〜2回程度発生するそう。しかし、地球上のどこかで見られるというだけで、日本で見られるのは数年に一度だといわれています。
また、日本の中でも観測できる地域が限られる場合もあるようです。
例えば、2025年3月14日にも皆既月食が発生したようですが、北海道や東北、関東の一部地域などで部分月食が観測できた程度だったのだとか。
なお、『皆既月食』と『部分月食』の違いについては、『月食にも種類がある!皆既食、部分食の違いとは?』の章で解説します。
皆既月食を見られる貴重なチャンスを逃さないように、観測情報をチェックしておく必要がありますね。
以下の表では、過去に日本で観測された、いくつかの皆既月食をピックアップしてまとめました。
9月8日
11月8日
11月19日
5月26日
1月31日
過去に話題になった皆既月食の記事は、表内の各リンクからご覧いただけます。
当時の月の写真なども紹介しているため、気になる人はチェックしてみてください。
皆既月食とは?分かりやすく解説!
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皆既月食とは、太陽、地球、月が一直線に並び、地球の影が月をすっぽりと覆うことで起こる現象です。
影に覆われた月は真っ暗になるわけではなく、ほんのり赤みを帯びて見えるのだとか。
皆既月食の際に月が赤く色づいて見えるこの現象は、『ブラッドムーン』と呼ばれています。
ブラッドムーンについては、『ブラッドムーンとはどんな現象?なぜ月が赤く見えるの?』の章で、赤く見える仕組みを解説します。
月食にも種類がある!皆既食、部分食の違いとは?
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月食は、『皆既食(皆既月食)』と『部分食(部分月食)』に大きく分けられ、以下のような違いがあります。
2025年9月8日未明に見られた月食は、『皆既食』にあたります。部分的に影がかかる部分食と比べると、より幻想的な雰囲気があるかもしれません。
皆既月食は、日本では数年に一度しか見られない場合もあるため、その美しい光景を多くの人が楽しみにしていることでしょう。
『皆既月食』と『皆既日食』の違いは何?
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先ほどは月食について紹介しましたが、「日食とはどう違うのだろう?」と疑問に思うかもしれません。
同じ『食』とつく現象ですが、天体の位置関係や見え方には、以下のような違いがあるそうです。
皆既日食が起こると、月が太陽を完全に隠してしまい、一時的に太陽が見えなくなります。
そのため、日中に空が暗くなったり、太陽のまわりに広がる『コロナ』と呼ばれる光の筋が肉眼で見えたりするのが特徴です。
ほかにも、太陽の縁で炎が上がっているように見える『プロミネンス』や、太陽の一部が光ってリング状に見える『ダイヤモンドリング』という現象が見られることもあります。
皆既日食はどういう仕組み?いつ見られる?
皆既日食が起こるのは、地球から見た太陽と月の大きさが、ほぼ同じに見えるためなのだとか。
実際には、太陽は月よりもずっと大きいのですが、地球からの距離の違いによって、見かけの大きさが重なり合います。条件がぴったり合った時だけ、皆既日食が起こるそうです。
この現象は、世界中のどこでも見られるというわけではなく、皆既帯と呼ばれる限られた地域でしか観測できないそう。
日本で皆既日食を見られる機会はとても少ないとされ、数十年に一度しか巡ってこない貴重なチャンスになります。
例えば、日本時間の2017年8月22日にも皆既日食が発生したそうですが、残念ながら日本では観測できなかったようです。
一方でアメリカ大陸では、神秘的な皆既日食の様子が観賞できたのだとか。気になる人は以下の関連記事もご覧ください。
アメリカ大陸で撮影された神秘的な写真 日本では見られない光景が美しい
国立天文台によると、次に日本で見られる皆既日食は、2035年9月2日だといわれています。
まだまだ先の予定ですが、日本で見られる数十年に一度の機会を逃さないように、チェックしておきたいですね。
ブラッドムーンとはどんな現象?なぜ月が赤く見えるの?
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ブラッドムーンは、皆既月食の時に月が赤く見える現象のことです。
月が地球の影に入ると、太陽の光が直接月に届かなくなります。しかし、地球の大気を通過した太陽の光は、その一部が月に届くのだそうです。
この時、波長の短い青い光は散乱され、波長の長い赤い光だけが月に届くため、月が赤く見えるという仕組みなのだとか。
ブラッドムーンは、金属の赤銅(しゃくどう)のような、艶のある暗い赤色にも見えることから、しばしば『赤銅色の月』などと表現されることがあります。
ブラッドムーンを見てはいけないって本当?
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ブラッドムーンの直訳は『血の月』。なんだか恐ろしい名前にも聞こえるでしょう。
ブラッドムーンは皆既月食の際に見られる現象ですが、「ブラッドムーンを見てはいけない」という噂を耳にしたことがある人もいるかもしれません。
その理由は、ブラッドムーンが古くから不吉なことの前触れとされてきたためなのだとか。
不吉といわれる理由には諸説あるようですが、月が赤くなる姿は普段の満月と大きく違うため、人々に不安を与えやすかったのかもしれません。
また、月食の仕組みが分かっていない時代においては、神の怒りや不幸の前触れと結びつけられやすかったという説もありそうです。
ほかにも、戦争や災害と偶然時期が重なったことから、縁起の悪い現象と受け止められた可能性もあるでしょう。
しかし、ブラッドムーンが不吉だとされる科学的な根拠はなく、単なる言い伝えにすぎません。
ブラッドムーンは天文学的に説明できる自然現象です。ぜひその神秘的な光景を楽しみましょう。
珍しい月の現象は、ほかにもある…!
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月がいつもと違って見えるのは、皆既月食のタイミングだけではありません。
ここでは、月に関する珍しい現象をいくつか紹介します。
同じ月でも見え方が変わることを知ると、夜空を見上げる楽しみが増えるのではないでしょうか。
みなさんも、次に珍しい月の現象が見られる時は、ぜひ夜空を見上げてみてください。
※この記事は、一部国立天文台のウェブサイトを参照しています。
[文・構成/grape編集部]