8月16日は精霊を見送る日「送り盆(おくりぼん)」
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亡くなった方の魂(精霊)との時間はつかの間…13日に迎え盆をしたかと思ったら、もうお見送りの日を迎えました(地域により15日)。迎え盆を提灯や迎え火でお出迎えしたように、お見送りにも「灯(ともしび)」が寄り添います。
送り火、灯篭流し、大文字焼…お見送りの行事はいつごろからはじまったの? それぞれの特徴は?
京都・五山の送り火「大」(2011年)
灯篭流しと五山の送り火(京都)
お盆(盂蘭盆会)の仏事は奈良時代に始まり、平安時代に仏教の広がりとともに伝わり、鎌倉時代にはお見送りに火を灯すようになりました。送り盆の「火」というと、京都・五山の送り火が浮かぶ方が多いと思います。京都の町を囲む五山に照らされた灯火で精霊を見送る、長い歴史のある行事です。
嵐山では送り火を眺めながら灯篭流しも行われています。地元の方はもとより、今では観光客にとっても夏の終わりを感じる風物詩となっています。送り火を盃に映していただくとご利益があると言われています。今年初めてご覧になる方はお試しください。
東の大文字焼は避暑地で(神奈川・箱根)
関東の避暑地のひとつ箱根・強羅では、大正10年から「大文字焼」が行われています。京都に比べたら新しい行事ですが、明治以降に避暑地として多くの観光客を迎えるようになり、今ではすっかり伝統行事となっています。
仏事ではあるものの、避暑地という場所柄もあり、明星岳に照らされた「大」の灯火は、どこか明るい風情のある送り火です。大文字焼の山を背景に2000発の花火が夜空を彩るのも楽しみの一つです。
筆者も観たことがありますが、その場にいる人が一緒になって楽しめる楽しい送り火でした。宿に戻ってからのお風呂も気持ちよいことでしょう。当日は小雨決行のため、観る場所の確認と、交通情報などに注意してお出かけください。
お盆と風の関係
お盆の時期に吹く風を「盆東風(ぼんこち)」または「盆北風(ぼんきた)」と呼びます。「東風」というと「梅東風」など春のイメージですが、夏にも他に「土用東風」などがあります。また、この風の後に吹く南風を「送南風(おくりまじ)」または「後れ南風(おくれまじ)」と呼びます。
今年の盆の間は涼しい日が多く、週末くらいから暑さが戻ってくる予報が出ていますので、「送南風」が吹くのはその頃でしょうか。精霊が連れてくる「盆東風」は異空間を、精霊を見送ったあとの「送南風」で日常にもどる…自然は人の心に寄り添っているようですね。
参考・出典
『俳句歳時記・秋』 角川学芸出版編
『きょうとあす』 婦人画報社web
箱根強羅観光協会公式ホームページ
京都観光Nabi ホームページ
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