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草刈正雄「涙しながら読んだ」ある男性が書いた『亡き母への手紙』が胸に響く

By - grape編集部  公開:  更新:

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日ごろの感謝の気持ちを伝える『母の日』。カーネーションや洋服を贈ったり、一緒に旅行や食事をしたり…「今年はどんなプレゼントがいいかな」と悩むことも多いですよね。

実は、『母の日』とはもともと、亡くなった母を偲ぶ想いから始まった習慣だといわれています。近年では、母を亡くした40代以上を中心に、原点に立ち返るような"新しい文化"が広がっているのだとか。それは、『母の日』に、墓参りをするというものです。

SNSでも広がる『母の日参り』

  • 今年もいっぱいのカーネーション持って、『母の日参り』に行ってきます。
  • 母の墓参りに来たら雨が…。うれし泣きかな?
  • 母の日に母のもとへ。墓前でたくさんのことを報告してきた。

『母の日』に墓参りをする新習慣『母の日参り』が定着しつつあり、ネットでもさまざまなコメントがあふれるようになりました。

そんな日本ならではのあたたかい『母の日』の風習を社会に伝えていこうと、12の企業・団体によって結成されたのが『母の日参り』パートナーシップ

彼らが主体となり、亡き母への想いをつづった手紙作品を一般募集する『母の日参り』手紙コンクールが2018年にスタートし、この度2回目の開催を迎えました。

幅広い年代層から集まった作品は1322通!400~600字程度につづられた"亡き母への想い"は、どれも涙なくしては読めないものばかりだったとか。

2019年の選考委員長を務めたのは、映画、ドラマ、舞台と幅広いフィールドで大活躍中の俳優・草刈正雄さんです。

いよいよ金賞受賞作品の発表を迎えた4月23日、草刈さんが特別ゲストとして舞台に登場。自身の選んだ金賞作品『ばあちゃん(母)、素直になれずゴメン』(49歳男性・ペンネーム:頑張ってるお父さん)が司会者によって朗読されました。

朗読される手紙にじっと耳を傾け、時折目をしばたかせながら、感に堪えない様子の草刈さん。大物俳優の素顔を間近に触れ、会場はあたたかい空気に包まれました。

すると、今回金賞を受賞した、ペンネーム『頑張ってるお父さん』さんが新潟から駆け付け、舞台上へ!草刈さんが金賞の表彰状と記念品を授与。会場からは、拍手が送られました。

偶然にも今日は、母の誕生日と、私の誕生日のちょうど間の日なんです。そんな日に素敵な賞をいただけて幸栄です!

「自分にも重なるような、母や祖母とのストーリーが胸にしみました」とこの作品を選んだ理由を話す草刈さん。笑顔が絶えない時間となりました。

いまも色あせない、亡き母との思い出

私も小学校3、4年生のころ、「お母さんに手紙を書きましょう」という授業がありました。小さいころは母のことを「ママ」と呼んでいまして…。教室で「ママへ」と手紙を読んだらクラスメイトたちに笑われましたね。

「母子家庭で育った分、母との繋がりは強かった」と話す草刈さん。今回集まった作品を読んで、8年前に旅立った母・スエ子さんと自分を重ねて涙があふれてしまったとか。

ひと言で表すと、強くて怖い母でした。ちょっと悪いことをするとバットを持って追いかけてくるような(笑)

草刈さんはとにかく母に厳しくしつけられたそうです。その一方で、「アメリカ人の父を持つ息子が周りから差別を受けないように、見えないところで必死に守ってくれていたのかもしれない」と当時を振り返ってしみじみ。

女手1つで自分を育ててくれた母を支えるために、早くからさまざまなアルバイトをかけもちしながら生活していた草刈さん。そんな中で出会ったのが、『芸能界』という未知の世界でした。

とにかく自立したくて仕方がなくて。中学のころから新聞配達を始めて、高校は夜学部に通って昼間は働いていました。スナックでアルバイトしていた時に、マスターが「モデルでもやれば?」と勧めてくれたのが、いまの仕事をするきっかけなんです。

もともとモデルという仕事に興味がなかったものの、「東京の事務所に入れば5万円もらえる」と、お金につられて九州から上京したというエピソードを披露。

母はさびしさをこらえつつ「あんたの好きにしていいよ」と送り出してくれたといいます。モデルだけではなく、俳優へと活躍の場を広げる草刈さんの原点は、幼いころの母との思い出にあるそうです。

母が映画が大好きで、幼いころからよく映画館に連れられていたんです。特に東映の時代劇が好きで、萬屋錦之介さん、大川橋蔵さんなどが出ている作品をよく観ましたね。いま思えば、素晴らしい先生たちに「演技とはなんぞや」を教えていただいたような…。

俳優業を始めてから、「自分の顔は時代劇に合わない」と思っていたという草刈さん。でもいざ作品に出演すると、その力強く存在感あふれる演技が注目されてオファーが殺到!いまでは大河ドラマに欠かせない名俳優に。

NHK大河ドラマ『真田丸』では『昌幸ロス』というフレーズが生まれて社会現象を巻き起こしたり、NHK連続テレビ小説『なつぞら』では主人公に語りかけるセリフひとつ1つがネットで話題になったり…。草刈さんは常に俳優の第一線で走り続けています。

「母が生きている間にいまの活躍を見せたかったですね」と母の顔を思い浮かべながら語る草刈さん。母という大きな存在は誰の心にも永遠に生き続けるものなのかもしれません。目には見えなくても、天国からきっとエールを送ってくれていることでしょう。

もうすぐ『母の日』。いつも遠くから見守ってくれている母へ、感謝の気持ちを伝えにいってみてはいかがでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

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