口コミで人気上昇中 秘境『滋賀』はなぜリピーターが多い? 提供:滋賀県 By - grape編集部 公開:2019-11-25 更新:2019-11-29 滋賀 Share Post LINE はてな 特別な宣伝をせず、目を引く観光スポットも作らず、それでもじわりじわりと観光客を増やしている場所をご存知でしょうか。 訪れた人の多くが「また来たい」と口にし、口コミによって人気を伸ばしている場所がこちら。 正直なところ、滋賀県について「琵琶湖以外に知らない」という印象の人もいるでしょう。 しかし滋賀県は、実際に訪れなければ分からない魅力にあふれた場所でした。 築300年の町家を改装したゲストハウス 毎年、観光客が増えている滋賀県は、当然ながら宿泊施設が充実しています。 その中でも特におすすめなのが、滋賀県近江八幡市にあるゲストハウス『Machiya Inn(まちやいん)』。 『Machiya Inn』の談話室では、ほかの宿泊客との交流もできる ゲストハウスというと、ほかの宿泊客と同じ部屋で寝泊まりするドミトリーが一般的です。 しかし『Machiya Inn』の場合、用意されている客室はすべて個室。スペースをたっぷり使い、ゲストハウスには珍しく広々としています。 屋根裏をうまく活用したスペース 『Machiya Inn』は、築300年の町家を改装した宿泊施設。オーナーの宮村利典(みやむら としのり)さんが「どんどんなくなっていく町家を残したい」という思いからオープンさせました。 水回りこそきれいにリノベーションされていますが、柱や天井は当時のまま。室内のいたるところに当時の趣が感じられます。 お風呂は酒樽というユニークさ 別邸の『KOLMIO(コルミオ)』は明治時代の蔵を改装。モダンレトロな室内 ホテルや旅館と同じくらい充実した設備があり、部屋も広々としている『Machiya Inn』ですが、料金はリーズナブル。 2名1室利用時、1人あたりの料金は6,000〜10,000円ほど(シーズンによって異なります)。また、最大10名で泊まれる部屋もあり、その場合は3,000円ほどとさらに安くなります。 Machiya Inn 浮いたお金は、アクティビティに使うもよし、お土産に使うもよし、使い道はさまざまですが、おすすめは滋賀県ならではの食材を使った料理を味わうことです。 滋賀県の珍しい食材に舌鼓 『鮒(ふな)ずし』をはじめ、古くから発酵食文化が根付いている滋賀県。 東近江市五箇荘にある日本料理店『湖香六根(うかろっこん)』では、滋賀県食材と発酵食文化を組み合わせた料理を楽しめます。 『湖香六根』外観 築180年の近江商人の屋敷を改装した店舗 日本一の湖『琵琶湖』を中心にして周囲を山に囲まれた滋賀県は、食材の宝庫。県外ではあまり知られていない、珍しい食材であふれています。 滋賀県の伝統野菜『日野菜(ひのな)』を使った料理 ほかの魚にない、琵琶湖名物『ビワマス』の厚みと弾力 趣向を凝らした日本料理を作り出すのは『湖香六根』の料理長である、杉本宏樹(すぎもと ひろき)さん。その日仕入れた食材によってメニューは日々変わります。 訪れるたびに新しい味や食材との出会いがあり、滋賀県の豊かな食文化に驚かされることでしょう。 湖香六根 滋賀県民すら知らない?伝説の果物『ムベ』 珍しい食材の宝庫である滋賀県ですが、その中でも「伝説の果物」といわれているのが『ムベ』。 滋賀県民ですら知らない人もいるというムベは、アケビ科の一種で、皇室に献上もされている果物です。 その歴史は古く、天智天皇が食した際に「むべなるかな(もっともだな)」といったことから、この名前がついたといういい伝えが残っているほど。 その後、1970年代までは続いていたものの、献上を行っていた商家の後継者問題で、いったん途絶えてしまいます。 しかし、「地域の伝統を復活させたい」という地元の有志により復活。2002年に、再び皇室に献上されるようになりました。 近江八幡市津田町にある農園『前出(まえで)のむべ園』ではムベの収穫も体験でき、収穫したムベはその場で食べることもできます。 美智子上皇后陛下も召し上がられたムベ。滋賀県を訪れた際は、県外では滅多に味わえないムベを味わってみてはいかがですか。 前出のむべ園 地元住民の『思い』に触れる八幡堀 お腹いっぱいになった後は、腹ごなしに歴史情緒あふれる町並みを散策してみましょう。 自由気ままに歩き回るのもいいですが、せっかくならば近江八幡市が行っているボランティアガイドを利用するのもおすすめ。 ボランティアのため、ガイド費用は基本的に無料。事前に要望を伝えておけば、それに沿ったコースを組んでくれるというのですから嬉しい限りです。 『琵琶湖ブルー』と呼ばれる青いジャケットがボランティアガイドの目印 古い商家や土蔵が立ち並ぶ八幡堀や、琵琶湖を見下ろせる長命寺など、見どころはたくさん。ガイドさんの説明を受けながら散策すれば、知的好奇心も満たされることでしょう。 800段近くの階段を上った先にある『長命寺』では、琵琶湖を一望できる 近江八幡観光ボランティアガイド協会 ガイドの『裏話』も魅力の1つ 特におすすめなコースは、滋賀県有数の観光スポットである『八幡堀』。時代劇のロケ地にも使われるほど、昔からの町並みが残っています。 春には桜が、秋には紅葉がお堀沿いを美しく彩り、シーズン中は絶景を求めて県内外から多くの観光客が訪れるのだそう。 白壁の土蔵が立ち並ぶ八幡堀をめぐる『八幡堀めぐり』もおすすめ しかしどんなに観光客が来ようと、毎年10〜11月に行われる『八幡堀まつり』の期間を除き、お堀沿いの夜のライトアップはしないのだとか。 その理由を、ボランティアガイドを務める宮津多佑(みやず たすけ)さんはこう語ります。 夜は寝る時間。ライトアップすれば観光客は増えるけれど、地域の人たちにとってはどうかが大切です。 市民が好きな町でなければ、観光客なんて来ません。 滋賀県に流れる穏やかな空気感は、焦らずゆっくりとした県民性があるからこそなのかもしれません。 滋賀県は『真の贅沢』を感じられる場所 住民が一丸となって、歴史や伝統だけでなく、当時の人々の『思い』という目に見えないものも大切に受け継いできた滋賀県。 地域住民が自分たちが暮らす町を心から愛し、歴史や文化に誇りを持っているからこそできることなのでしょう。 そうした地域住民の精神的な豊かさは、町の雰囲気を穏やかにし、訪れる人がホッとする安心感を与えます。 なぜ滋賀県を再訪する人が絶えないのか…それは、豊かな食文化や町に息づく歴史以上に、滋賀県で出会う人たちが魅力的だからこそなのかもしれません。 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
特別な宣伝をせず、目を引く観光スポットも作らず、それでもじわりじわりと観光客を増やしている場所をご存知でしょうか。
訪れた人の多くが「また来たい」と口にし、口コミによって人気を伸ばしている場所がこちら。
正直なところ、滋賀県について「琵琶湖以外に知らない」という印象の人もいるでしょう。
しかし滋賀県は、実際に訪れなければ分からない魅力にあふれた場所でした。
築300年の町家を改装したゲストハウス
毎年、観光客が増えている滋賀県は、当然ながら宿泊施設が充実しています。
その中でも特におすすめなのが、滋賀県近江八幡市にあるゲストハウス『Machiya Inn(まちやいん)』。
『Machiya Inn』の談話室では、ほかの宿泊客との交流もできる
ゲストハウスというと、ほかの宿泊客と同じ部屋で寝泊まりするドミトリーが一般的です。
しかし『Machiya Inn』の場合、用意されている客室はすべて個室。スペースをたっぷり使い、ゲストハウスには珍しく広々としています。
屋根裏をうまく活用したスペース
『Machiya Inn』は、築300年の町家を改装した宿泊施設。オーナーの宮村利典(みやむら としのり)さんが「どんどんなくなっていく町家を残したい」という思いからオープンさせました。
水回りこそきれいにリノベーションされていますが、柱や天井は当時のまま。室内のいたるところに当時の趣が感じられます。
お風呂は酒樽というユニークさ
別邸の『KOLMIO(コルミオ)』は明治時代の蔵を改装。モダンレトロな室内
ホテルや旅館と同じくらい充実した設備があり、部屋も広々としている『Machiya Inn』ですが、料金はリーズナブル。
2名1室利用時、1人あたりの料金は6,000〜10,000円ほど(シーズンによって異なります)。また、最大10名で泊まれる部屋もあり、その場合は3,000円ほどとさらに安くなります。
Machiya Inn
浮いたお金は、アクティビティに使うもよし、お土産に使うもよし、使い道はさまざまですが、おすすめは滋賀県ならではの食材を使った料理を味わうことです。
滋賀県の珍しい食材に舌鼓
『鮒(ふな)ずし』をはじめ、古くから発酵食文化が根付いている滋賀県。
東近江市五箇荘にある日本料理店『湖香六根(うかろっこん)』では、滋賀県食材と発酵食文化を組み合わせた料理を楽しめます。
『湖香六根』外観
築180年の近江商人の屋敷を改装した店舗
日本一の湖『琵琶湖』を中心にして周囲を山に囲まれた滋賀県は、食材の宝庫。県外ではあまり知られていない、珍しい食材であふれています。
滋賀県の伝統野菜『日野菜(ひのな)』を使った料理
ほかの魚にない、琵琶湖名物『ビワマス』の厚みと弾力
趣向を凝らした日本料理を作り出すのは『湖香六根』の料理長である、杉本宏樹(すぎもと ひろき)さん。その日仕入れた食材によってメニューは日々変わります。
訪れるたびに新しい味や食材との出会いがあり、滋賀県の豊かな食文化に驚かされることでしょう。
湖香六根
滋賀県民すら知らない?伝説の果物『ムベ』
珍しい食材の宝庫である滋賀県ですが、その中でも「伝説の果物」といわれているのが『ムベ』。
滋賀県民ですら知らない人もいるというムベは、アケビ科の一種で、皇室に献上もされている果物です。
その歴史は古く、天智天皇が食した際に「むべなるかな(もっともだな)」といったことから、この名前がついたといういい伝えが残っているほど。
その後、1970年代までは続いていたものの、献上を行っていた商家の後継者問題で、いったん途絶えてしまいます。
しかし、「地域の伝統を復活させたい」という地元の有志により復活。2002年に、再び皇室に献上されるようになりました。
近江八幡市津田町にある農園『前出(まえで)のむべ園』ではムベの収穫も体験でき、収穫したムベはその場で食べることもできます。
美智子上皇后陛下も召し上がられたムベ。滋賀県を訪れた際は、県外では滅多に味わえないムベを味わってみてはいかがですか。
前出のむべ園
地元住民の『思い』に触れる八幡堀
お腹いっぱいになった後は、腹ごなしに歴史情緒あふれる町並みを散策してみましょう。
自由気ままに歩き回るのもいいですが、せっかくならば近江八幡市が行っているボランティアガイドを利用するのもおすすめ。
ボランティアのため、ガイド費用は基本的に無料。事前に要望を伝えておけば、それに沿ったコースを組んでくれるというのですから嬉しい限りです。
『琵琶湖ブルー』と呼ばれる青いジャケットがボランティアガイドの目印
古い商家や土蔵が立ち並ぶ八幡堀や、琵琶湖を見下ろせる長命寺など、見どころはたくさん。ガイドさんの説明を受けながら散策すれば、知的好奇心も満たされることでしょう。
800段近くの階段を上った先にある『長命寺』では、琵琶湖を一望できる
近江八幡観光ボランティアガイド協会
ガイドの『裏話』も魅力の1つ
特におすすめなコースは、滋賀県有数の観光スポットである『八幡堀』。時代劇のロケ地にも使われるほど、昔からの町並みが残っています。
春には桜が、秋には紅葉がお堀沿いを美しく彩り、シーズン中は絶景を求めて県内外から多くの観光客が訪れるのだそう。
白壁の土蔵が立ち並ぶ八幡堀をめぐる『八幡堀めぐり』もおすすめ
しかしどんなに観光客が来ようと、毎年10〜11月に行われる『八幡堀まつり』の期間を除き、お堀沿いの夜のライトアップはしないのだとか。
その理由を、ボランティアガイドを務める宮津多佑(みやず たすけ)さんはこう語ります。
夜は寝る時間。ライトアップすれば観光客は増えるけれど、地域の人たちにとってはどうかが大切です。
市民が好きな町でなければ、観光客なんて来ません。
滋賀県に流れる穏やかな空気感は、焦らずゆっくりとした県民性があるからこそなのかもしれません。
滋賀県は『真の贅沢』を感じられる場所
住民が一丸となって、歴史や伝統だけでなく、当時の人々の『思い』という目に見えないものも大切に受け継いできた滋賀県。
地域住民が自分たちが暮らす町を心から愛し、歴史や文化に誇りを持っているからこそできることなのでしょう。
そうした地域住民の精神的な豊かさは、町の雰囲気を穏やかにし、訪れる人がホッとする安心感を与えます。
なぜ滋賀県を再訪する人が絶えないのか…それは、豊かな食文化や町に息づく歴史以上に、滋賀県で出会う人たちが魅力的だからこそなのかもしれません。
[文・構成/grape編集部]