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過去の手紙からわかった真実!約50年続いたマティスとルオーの友情物語

By - grape編集部  公開:  更新:

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独特な世界観から、孤高の存在というイメージが強い巨匠たち。

しかし、中には全く異なる作風ながら、お互いの作品を認め、半世紀にもわたって交流を続ける仲の良い巨匠もいました。

それがフランス近代絵画の巨匠、アンリ・マティスとジョルジュ・ルオーです。

左:マティス 右:ルオー

貴重な絵画と共に、近年見つかった手紙のやり取りから、二人の友情を読み解くという一風変わった『マティスとルオー展』をご紹介します。

君に心を込めた握手を送る

マティスとルオーは、パリの国立美術学校でギュスターヴ・モローに師事、共に学びます。しかし、二人の絵画の作風は、異なるものでした。

アンリ・マティス《室内:二人の音楽家》1923年 ポーラ美術館

ジョルジュ・ルオー《秋の夜景》1952年 パナソニック 汐留ミュージアム

それでも二人はお互いの作品を尊重し合い、1906年から手紙のやり取りを開始。「キミの芸術に対する熱烈な共感を込めて」など、リスペクトしあう姿勢が手紙から強く感じられます。

マティスからルオーへの手紙 1946年11月4日 ジョルジュ・ルオー財団、パリ

マティスからルオーへ

1906年8月30日にマティスからルオーへ送られた手紙には、このような内容が書かれていました。

サロン・ド(-トンヌ)の作品搬入日のことだが、僕のような正会員でない者も、九月十二日が最終日なのか教えてもらえないだろうか。それに各自何点までタブローを出品できるのかも、知らせてくれるとありがたい。

僕も五月に(アフリカを)旅してきたところだ。アルジェ、コンスタンティーヌ、ビスクラ、シディ・ウクバを訪れた。実に印象深い旅行だったが、なかでも砂漠はすごかった。砂漠が本当に人を寄せ付けない場所だということがわかった。
~中略~
アフリカは到底君の気にいるような場所ではないと思う。一、二年前に君がアフリカに行ってみたいと言っていたのを思い出し、こんなことを書いている。

メールなどなかった時代、展覧会など絵に関わる情報交換に加え、他愛もない話も綴っているところに親密さを感じます。「友からの心を込めた握手を受け取ってほしい」と、文章が結ばれているのも印象的です。

代表作と最期の手紙

その後、第二次世界大戦に巻き込まれた二人は、誇り高い祖国フランスへの愛を擬人化した代表作を、雑誌『ヴェルヴ』で発表します。

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