「日本の森林は減らす必要がある!?」知らない現実に、考えさせられる 提供:株式会社ローソン By - grape編集部 公開:2017-06-26 更新:2017-07-03 Share Post LINE はてな 森林は、二酸化炭素を吸収するなど、地球環境で重要な役割を担っています。 環境省によると、世界の森林は、燃料用木材の過剰採取や、焼き畑農業、違法伐採などが原因で、年間約520万ヘクタールの森林が失われているそうです。 森林減少は生態系に影響を及ぼすだけではなく、地球の温暖化の大きな原因にもなっています。 一方で、日本は国土面積の約7割が森林におおわれています。それは一見、自然が豊かでよいこと。しかしそこには、私たちが知らない現実がありました。 森を守るために、切る 小・中学校等での緑化活動や全国各地の森林整備活動を担当されている、ローソンの環境・社会共生マネジャー、長谷川泉さんに話を伺いました。 ――日本の森林を保全する上では、木を切らなければいけないと聞いたのですが、どういうことですか。 日本は、国土の約70%が森林ですが、植林されている森林が半分以上です。特に、戦争ではげ山になったところに木を植えて、元気な森をつくろうと、全国でさかんに植樹が行われてきました。 しかし最近は鉄筋コンクリートのマンションが増えたり、安い輸入材がどんどん入るようになり、やっと伐採できる時期になったにもかかわらず、今では植えた木がそのまま放置されているんです。 戦後に植林した森は、間引くこと(樹木の間隔を保つこと)を前提に木を植えているので、放置されて木が密集してしまっているケースが多いんですよ。密集した森は暗く、下生えなどもなくなり、大雨による土砂災害も起きやすくなってしまいます。 木が適切に間引きされていると、下の部分まで日光が入り、土壌が安定します。その結果、綺麗な水を蓄えたり、CO2を吸収したりという機能が正しく働き、災害に強い森になります。そして木の成長も早くなります。 「日本は緑が多くてよい」という印象を持っている方が多くいらっしゃいますが、実は荒れていて、元気のない森が増えているんです。 森のためにできることは、身近な場所に 放置され荒廃する日本の人工林の数々…。海外とは違い、日本では樹木を守ったり植えたりするよりも、成長した森林を間伐・除伐し、有効活用する必要があるのです。 日本の森林が活かされるために、どのようなことができるのでしょうか。 長谷川さんは続けます。 役に立ちたくても、個人で活動をしたりすることは難しいことだと思います。そこで一般の人でも緑化に貢献する方法の1つとして、募金があります。 ローソンでは、1992年からレジ横に置いてある『ローソングループ“マチの幸せ”募金』を行っています。 “マチの幸せ”募金は、開始当初からあった『ローソン緑の募金』に加え、2011年度より東日本大震災の影響で就学が困難になった学生さんたちを応援する『夢を応援基金』、そして日米官民パートナーシップTOMODACHIイニシアチブに参加し、東北の学生たちの教育・日米交流プログラムを支援する『TOMODACHI募金』で構成されています。 『ローソン緑の募金』は、国民参加の森林づくりの活動を支援している、国土緑化推進機構という公益社団法人に寄付されます。国土緑化推進機構は『緑の募金』を通じて資金を集め、それを利用して全国の森林整備や森林環境教育などを行っています。 ――コンビニエンスストアで募金ができることに、どのようなメリットがあると感じていますか。 コンビニエンスストアはマチの身近な場所にあり、思い立った時に気軽な気持ちで買い物ができるところだと思うんです。それと同時に募金ができるため、お客さまからの善意により、25年間で累計80億円もの募金が集まりました。 「何かの役に立ちたい、けれども被災地に行ってまでの活動や支援はできない。だから近くのコンビニで募金したい」。それがちゃんと届けられるという信頼をいただいているからこそ、これほどの募金が集まったのだと思います。 最近はPontaカードのポイントを使用した募金も受けつけるようになりましたので、お買い物をしてたまったポイントで、募金をお願いできればうれしいです。 管理されていない森林は、私たちの近くにも ――募金は、その他にどのような風に活用されていますか。 学校の緑化を行っています。最近は特に、木の年齢が古くなったり大きくなりすぎている問題をかかえています。例えば桜の木の寿命は60年といいますが、古くなって樹勢が悪くなると、木の幹が空洞になってしまったり、枝が落ちてしまったりしてしまうのです。 最近は学校の予算も厳しいと聞いています。「木の伐採まで手が回らない」という学校が多いですが、この緑の募金を使って剪定(せんてい)作業や伐採、さらに新しい木を植えることなどに活用していただいています。 ――近所のローソンで入れた募金が、近所で役に立つ…ということもありえるのでしょうか。 学校の緑化活動では大体、年間1県1校を目指して助成をしています。なので「隣の町の学校で緑化活動ができた」ということも実際あるんです。年間60か所の学校で行っているので、もしかしたら最寄りの学校で行われる可能性も十分あるということです。 学校への助成は2006年からはじめて12年目なのですが、助成した学校はトータルで600校を超えているんです。私の知り合いでも「助成を受けたあの小学校を知ってるよ」というケースがありました。 『ローソン緑の募金』は、マチに緑を増やしていくことにも繋がる活動で、いつの日か近くの学校でも行われる可能性があります。ぜひ募金をしていただいて、子どもたちの未来に繋がるような活動に参加していただきたいと思います。 ローソン緑の募金 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
森林は、二酸化炭素を吸収するなど、地球環境で重要な役割を担っています。
環境省によると、世界の森林は、燃料用木材の過剰採取や、焼き畑農業、違法伐採などが原因で、年間約520万ヘクタールの森林が失われているそうです。
森林減少は生態系に影響を及ぼすだけではなく、地球の温暖化の大きな原因にもなっています。
一方で、日本は国土面積の約7割が森林におおわれています。それは一見、自然が豊かでよいこと。しかしそこには、私たちが知らない現実がありました。
森を守るために、切る
小・中学校等での緑化活動や全国各地の森林整備活動を担当されている、ローソンの環境・社会共生マネジャー、長谷川泉さんに話を伺いました。
――日本の森林を保全する上では、木を切らなければいけないと聞いたのですが、どういうことですか。
日本は、国土の約70%が森林ですが、植林されている森林が半分以上です。特に、戦争ではげ山になったところに木を植えて、元気な森をつくろうと、全国でさかんに植樹が行われてきました。
しかし最近は鉄筋コンクリートのマンションが増えたり、安い輸入材がどんどん入るようになり、やっと伐採できる時期になったにもかかわらず、今では植えた木がそのまま放置されているんです。
戦後に植林した森は、間引くこと(樹木の間隔を保つこと)を前提に木を植えているので、放置されて木が密集してしまっているケースが多いんですよ。密集した森は暗く、下生えなどもなくなり、大雨による土砂災害も起きやすくなってしまいます。
木が適切に間引きされていると、下の部分まで日光が入り、土壌が安定します。その結果、綺麗な水を蓄えたり、CO2を吸収したりという機能が正しく働き、災害に強い森になります。そして木の成長も早くなります。
「日本は緑が多くてよい」という印象を持っている方が多くいらっしゃいますが、実は荒れていて、元気のない森が増えているんです。
森のためにできることは、身近な場所に
放置され荒廃する日本の人工林の数々…。海外とは違い、日本では樹木を守ったり植えたりするよりも、成長した森林を間伐・除伐し、有効活用する必要があるのです。
日本の森林が活かされるために、どのようなことができるのでしょうか。
長谷川さんは続けます。
役に立ちたくても、個人で活動をしたりすることは難しいことだと思います。そこで一般の人でも緑化に貢献する方法の1つとして、募金があります。
ローソンでは、1992年からレジ横に置いてある『ローソングループ“マチの幸せ”募金』を行っています。
“マチの幸せ”募金は、開始当初からあった『ローソン緑の募金』に加え、2011年度より東日本大震災の影響で就学が困難になった学生さんたちを応援する『夢を応援基金』、そして日米官民パートナーシップTOMODACHIイニシアチブに参加し、東北の学生たちの教育・日米交流プログラムを支援する『TOMODACHI募金』で構成されています。
『ローソン緑の募金』は、国民参加の森林づくりの活動を支援している、国土緑化推進機構という公益社団法人に寄付されます。国土緑化推進機構は『緑の募金』を通じて資金を集め、それを利用して全国の森林整備や森林環境教育などを行っています。
――コンビニエンスストアで募金ができることに、どのようなメリットがあると感じていますか。
コンビニエンスストアはマチの身近な場所にあり、思い立った時に気軽な気持ちで買い物ができるところだと思うんです。それと同時に募金ができるため、お客さまからの善意により、25年間で累計80億円もの募金が集まりました。
「何かの役に立ちたい、けれども被災地に行ってまでの活動や支援はできない。だから近くのコンビニで募金したい」。それがちゃんと届けられるという信頼をいただいているからこそ、これほどの募金が集まったのだと思います。
最近はPontaカードのポイントを使用した募金も受けつけるようになりましたので、お買い物をしてたまったポイントで、募金をお願いできればうれしいです。
管理されていない森林は、私たちの近くにも
――募金は、その他にどのような風に活用されていますか。
学校の緑化を行っています。最近は特に、木の年齢が古くなったり大きくなりすぎている問題をかかえています。例えば桜の木の寿命は60年といいますが、古くなって樹勢が悪くなると、木の幹が空洞になってしまったり、枝が落ちてしまったりしてしまうのです。
最近は学校の予算も厳しいと聞いています。「木の伐採まで手が回らない」という学校が多いですが、この緑の募金を使って剪定(せんてい)作業や伐採、さらに新しい木を植えることなどに活用していただいています。
――近所のローソンで入れた募金が、近所で役に立つ…ということもありえるのでしょうか。
学校の緑化活動では大体、年間1県1校を目指して助成をしています。なので「隣の町の学校で緑化活動ができた」ということも実際あるんです。年間60か所の学校で行っているので、もしかしたら最寄りの学校で行われる可能性も十分あるということです。
学校への助成は2006年からはじめて12年目なのですが、助成した学校はトータルで600校を超えているんです。私の知り合いでも「助成を受けたあの小学校を知ってるよ」というケースがありました。
『ローソン緑の募金』は、マチに緑を増やしていくことにも繋がる活動で、いつの日か近くの学校でも行われる可能性があります。ぜひ募金をしていただいて、子どもたちの未来に繋がるような活動に参加していただきたいと思います。
ローソン緑の募金
[文・構成/grape編集部]