「どうして。」の言葉の奥に見える『恐怖』 女王が直面した悲劇に身震い

どうして。

絵画の見出しとして添えられたひと言が、胸に強く響いてきます。

《レディ・ジェーン・グレイの処刑》

縦およそ2.5m、横3mにもおよぶ、ポール・ドラローシュの大作です。

ポール・ドラローシュ作 ロンドン・ナショナル・ギャラリー蔵

王権争いに巻き込まれ、わずか9日間で王座を追われたイングランド最初の女王ジェーン・グレイの処刑シーンを描いた本作。

目隠しをされた16歳のジェーンの横には背中を見せて泣く侍女と失神しかけている侍女、中央にはジェーンが首を差し出す台、下に敷かれたワラは流れ出る血を吸いとるためのもので、斬首の恐ろしさを想像させます。

絵の前に立つと、時が巻き戻ったように、絵の世界に吸い込まれそうになります。ドレスの純白さが、ひときわ目に焼き付いて離れません。

《オデュッセウスに杯を差し出すキルケー》

男たちを美貌で魅了し、勧めた酒でブタに変えた魔女キルケーと、英雄オデュッセウスを描いた作品。

ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作 オールダム美術館蔵

キルケ―の美しさに目を惹かれますが、足元をよく見ると、豚に変えられた男の姿が…。彼女の容姿とは裏腹な残忍さが、まさに『恐怖』。

《オデュッセウスとセイレーン》

半人半鳥または半人半魚の姿で、美声によって船乗りたちを混乱させ、船を沈めたという海の魔女セイレーンが描かれています。

ハーバート・ジェイムズ・ドレイパー作 リーズ美術館蔵

緊迫感漂うシーンですが、風を受けてふくらむ帆、うねる波、水夫たちの隆々とした筋肉、セイレーンの美しい肢体が、流れるような曲線美で描かれていて、見る者を惹き付けます。

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