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コンビニ募金の意外な用途にハッとする 世代をつなぐバトンに「ありがたい」

By - grape編集部  公開:  更新:

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若い人が受け継いで、緑を大切にしてくれるのは本当にありがたい。

そう語るのは、栃木県日光市の足尾町に80年以上住んでいる高齢の男性。400年もの歴史を持つ『足尾銅山』で、木を伐採する仕事をしていました。

足尾町は『日本一の鉱都』と呼ばれていたこともあるほど、銅の産出で栄えた町。20世紀初頭には、足尾銅山の銅の産出量が日本の40%を占めるほどの大銅山に成長しました。

しかし、足尾銅山が全盛を迎えると、坑内で使う木の伐採や鉱石を製錬する過程で出る煙害などで、山の木が多く失われたといいます。

昭和52年撮影・足尾砂防えん堤

山肌が露出してしまうほど木々が失われた足尾の山。のちに『足尾に緑を育てる会』が結成されると、男性は植樹活動に参加し、緑を取り戻す活動に励んだのだそうです。

いつしか高齢の身体では植樹も厳しくなり、男性は活動から離れますが「若い世代が受け継いでくれているから安心だ」と語りました。

「緑を復活させる活動が受け継がれている」とは、どういうことなのか…『足尾に緑を育てる会』という植樹活動に参加してみると、さまざまなことが分かりました。

大勢の子どもが参加する植樹

植樹を主宰するのは、「足尾の山に100万本の木を植えよう」というスローガンの下に結成された『足尾に緑を育てる会』。

長年の植樹活動の成果が出てきたのか、丸裸だった足尾の山にも緑が増えてきました。それでも目標の100万本の植樹をするには100年ほどかかるといわれています。

(左)植樹中の足尾の山(右)以前の足尾の山

今回の植樹には、栃木県宇都宮市を本拠地とする自転車ロードレースのプロチーム『宇都宮ブリッツェン』が育成する『ブリッツェン☆ステラ』の子どもたちも参加。

「足尾の山がどのように復活してきたのか」「一度壊れた自然は簡単には戻らないこと」など、自然の大切さを学びます。

足尾の山を元の状態に戻すのに、「500年はかかるだろう」という話を聞いて、子どもたちからは驚きの声も。

煙害の恐ろしさに驚いていた子どもたちですが、植樹となると大人でも大変な急斜面を楽しみながら登る姿が印象的で、新しい世代の力強さを感じました。

今回の植樹には、総勢70名もの人が参加し、54本のイロハモミジを植樹。また一歩、足尾の山の緑化が進みました。

植樹を体験した子どもに感想を聞く中で、印象的だったのが、このようなひと言です。

足尾銅山については社会科で習っていたけど、ちゃんと考えたことはありませんでした。実際の場所で植樹をして、自然を大切にしないといけないと思うようになりました。

緑の大切さを子どもたちに実感してもらう、とても有意義な植樹体験。とはいえ、毎年行うには資金的に難しいところもあるでしょう。

調べてみると、今回の植樹活動には『ローソングループ”マチの幸せ”募金』という寄付金が使われていることが分かりました。

ローソンの「レジの横に置いてある募金箱」といえば、ピンとくる人も多いでしょう。

その募金箱に入れられた寄付金の一部が、森林ボランティア活動や学校緑化活動に使われているのです。

緑の大切さをバトンタッチしていく

長年、緑化活動を行ってきた『足尾に緑を育てる会』会長の秋野峯徳さんは、ローソンの募金についてどのように感じているのでしょうか。

足尾に緑を育てる会・会長の秋野峯徳さん

――ローソンの募金については知っていた?

募金をしているのは知っていました。

ただ、どういったことに使われているのかは知りませんでした。

子どもたちが植樹を体験できるように草刈りをしたり、道具をそろえたりといった支援をしていただいて、本当にありがたいと思っています。

――子どもたちの参加について

自然環境を学び、自然を大切にする心を育んでほしいと思っています。

一度壊れた環境が、どれだけの日数やお金をかけて復活するのかを学んで帰ってほしいです。

『足尾に緑を育てる会』のメンバーも定年くらいの人が多いので、こうやって若い人にバトンタッチしていけたらいいですね。

植樹地の遠景

足尾の植樹は栃木県内の小中学生だけでなく、修学旅行で日光をおとずれる県外の小学生も体験するといいます。

足尾町に住んでいる高齢男性がいっていた「若い世代が緑の大切さを受け継いでくれている」という言葉は、足尾だけに限ったことではなかったようです。

若い人たちに受け継がれていってほしい

足尾の山の植樹に参加した、ローソン日光東照宮前店のオーナー・坂野一茂さんに、地域に対する想いを伺ってみました。

ローソン日光東照宮前店オーナー・坂野一茂さん

――植樹に参加してどうだった?

いままでに3回ほど、足尾の山の植樹に参加してきました。

募金がどのように使われているのかを、親御さんをはじめ、お子さんたちにも周知できたと思います。

――地域に対する想いは?

自分たちの店舗の募金が、一部でも足尾の緑になっていると思うと感慨深いです。以前に比べて緑も増えてきたように感じます。

お客様からいただいた募金を身近な体験に使うことができるのは、とても喜ばしいことです。

これからも若いかたたちに自然の大切さを学んでもらい、こういった活動が末永く受け継がれていくことを願います。

ローソンのオーナーになり、22年目を迎えるという坂野さん。

自分たちの活動が地域に貢献していること…そして、若い世代の人に自然の大切さが受け継がれていくことに大きな喜びを感じているようでした。

子どもたちの記憶に残る体験

植樹に参加した『ブリッツェン☆ステラ』の子どもたちには、大自然の息吹を肌で感じ、足尾銅山の跡地をめぐる機会も用意されていました。

自転車で足尾の山を走った子どもたち。足尾銅山の痕跡を見ることで、子どもたちの記憶にはより自然の大切さが強く残ったのではないでしょうか。

植樹やサイクリングについて子どもたちに話を聞いてみると、「楽しかった」「またやってみたい」という声が多く上がりました。

こうした植樹活動を通じて、自然を大切にする心は子どもたちに受け継がれていっているようです。

また、『宇都宮ブリッツェン』の代表・柿沼章さんは、植樹活動についてこう語ります。

宇都宮ブリッツェン代表・柿沼章さん

子どもたちが自然の大切さをしっかりと理解するには時間がかかると思います。

ただ、こういった経験をしたことで、一生残る記憶になったことでしょう。

成長して大人になった時に、彼ら自身の言葉で自然の大切さを伝えてくれたら嬉しいです。

――ローソンの募金については?

世界規模で環境を考えるけど、まずは「自分たちの地元でアクションを起こす」ということを体現しているなと。

それを実現してくれる環境や仕組みが、本当に素晴らしいと感じました。

緑の大切さを教えてくれる身近な募金

今回、足尾の植樹に使われた『ローソングループ”マチの幸せ”募金』は、1992年から設置されています。

いままでに集まった寄付金は累計で約42億円(2019年2月末時点)。

寄付金は一度ローソン本部に集約され、その一部が緑化活動の費用として、『ローソン緑の募金』という名称で公益社団法人国土緑化推進機構に寄付される仕組みです。

公益社団法人国土緑化推進機構では、年に1回、学校緑化活動や森林ボランティア活動の公募を実施。応募した小中学校や森林ボランティア団体などから支援先を選び、緑化活動や森林整備活動に役立てます。

環境問題を遠いものと考えるのではなく、身近な問題だと再認識させてくれるローソンの募金。

身近なローソンの募金が、未来を築いていく子どもたちに、『大切な気付き』を与えてくれるのかもしれません。

ローソングループ”マチの幸せ”募金 寄付の方法

店頭募金箱

全国のローソン、ナチュラルローソン、ローソンストア100、HMV、ユナイテッド・シネマの合計約1万5千店舗に募金箱を設置しています。

Loppi募金受付サービス(ロッピー募金)

ローソン、ナチュラルローソンの店頭のマルチメディア端末『Loppi(ロッピー)』から申し込むことができます。Loppi画面の『各種サービス』をタッチして『Loppi募金受付サービス』を選択し、『ローソン緑の募金』から寄付ができます。もしくは専用の二次元バーコード(下記)をLoppiにかざすと申込画面に移行します。

ポイント募金

Pontaポイントおよびdポイントで募金を申し込むことができます。ホームページ「ポイントを使う」の『環境社会貢献コース』、またはローソン、ナチュラルローソン店内のLoppiから申し込んでください。

ホームページからの募金はこちら


[文・構成/grape編集部]

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