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高校の吹奏楽部 演奏を聴いていると…「まさかの展開!」「これは新しい」

By - grape編集部  公開:  更新:

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学生生活といえば、部室や朝練、大会に向けて汗を流した時間など、青春をささげた部活を思い出す人も多いはず。

野球やサッカーなど体育会系の部活が目立つ中、今、吹奏楽部が「熱すぎる!」と注目を集めています。

最近の吹奏楽部では、楽器の演奏だけでなく、"ユニークなパフォーマンス"を披露し、コンクールが盛り上がっているのをご存知でしょうか。

ダンスや演歌も!?新しい『吹奏楽コンクール』

「もっと学生たちに自由に吹奏楽を楽しんでほしい」という想いから生まれた、『全国ポピュラーステージ 吹奏楽コンクール』

全国の中学・高校が参加でき、定番のクラシックはもちろん、誰もが知っているポップスやジャズ、マーチなど、演奏する曲目に制限がないのが特徴です。

さらに、一斉にダンスをしたり、合唱したり、一人語りが始まったりと、楽器の演奏と組み合わせながら、学校それぞれの個性を自由に表現できる場でもあるのです。

grapeは、前回惜しくも逃してしまった"優勝"を奪還すべく、部員一丸となって練習に取り組んでいる『千葉県立 国府台(こうのだい)高等学校 吹奏楽部』に突撃取材することにしました!

目指せ優勝!『国府台高校 吹奏楽部』に密着

まず自分たちが楽しんで、聴いてくださる方も自然に笑顔にさせたい!

そんなパフォーマンスを目指しているという『国府台高校 吹奏楽部』。まるで聴く人を魔法にかけてしまうような、奥行きのあるサウンドが有名です。

『国府台高校 吹奏楽部』が何より大切にしているのは、振りをやりながらも、決して音のクオリティは下げないこと。3曲もの複雑な振付を覚えながら、楽器の演奏も完ぺきにこなします。

しかも、振付はすべて部員たちで考えているというからびっくり!3曲それぞれのカラーが出るように、いろいろな振付を参考にしながら作り上げていきます。

振り付けを考える際は、曲の原作に合うように『意味を持った振り付け』を意識して作ることが、代々受け継がれている"国府台ポリシー"なのだそうです。

彼らの笑顔のパフォーマンスの裏には、昨年の悔しさと優勝への熱い思いがありました。

私たちの部活は1、2年生が主体のため、たった1度しか同じメンバーでこのコンクールに挑むことができません。

なので、今年は一緒に出ることができない、3年生の先輩たちの思いや、準優勝という昨年の悔しさをバネに、よりいいパフォーマンスを目指して日々練習に励んできました。

もちろん、優勝を目標に努力してきましたが、その日会場にいらしたお客さんに、私たちが誇りとする振り付けと演奏で笑顔になってもらうこと、そして何より、自分たち自身が楽しみ、「人生最高のステージだった!」といえるような本番にしたいです。

彼らは、昨年の悔しさから、今年新たな取り組みを行いました。コンクールに向けて全員の思いや意気込みを紙に書いて、全員で共有することです。

言葉にすることで「どういう風に、どんなことを頑張りたい」という、より具体的なイメージを持つことができ、パフォーマンスに活かすことができたといいます。

全員が自分以外の部員の熱い思いを知ることで、自分をさらに奮い立たせることができました。

でも、ここまでくるにはさまざまな壁がありました。

本番直前にはテストがあって、さらに部内でも課題がたくさん出てきてしまって…。特に引退を控える2年生は、常に焦りや不安と戦っていると思います。

そんな様子を見て、年下の1年生たちが率先して声をかけてくれることもあって。学年や役割などは関係なく、みんなで支え合って成り立っている部だなって改めて気付かされます。

本番を迎えるまでにさまざまな問題にぶつかりながらも、部員みんなで声をかけあって、解決してきたという部員たち。

吹奏楽部コンクールで優勝するチャンスは、1年生、2年生のたった2回――。葛藤を抱えながらも"優勝"の2文字を奪還するために、練習に取り組みます。

いよいよコンクール本番当日!

2019年12月15日、ついに『全国ポピュラーステージ 吹奏楽コンクール』の本番を迎えました。見事予選を通過した15校が全国各地から続々と集まります。

クラシックはもちろん、演歌を歌いだす学校や、ショートコントを始める学校など、どの高校もユニークなパフォーマンスばかり!「次は何をしてくれるのかな?」とワクワクしてしまいます。

笑い声が起きたり、感動で涙ぐむ人がいたりと、演奏者と観客が一体となって音楽を楽しむ特別な空間がそこにはありました。

そして12校目、いよいよ国府台高校の番です。『魔法にかけられて』『LOVE POP SOUL!』『Make Her Mine』の3曲を披露しました。

最初は少し緊張した表情だったものの、1曲目の『魔法にかけられて』の演奏が始まると、いつも通り笑顔があふれ、温かい音色がホールを包み込みます。

15種類もの楽器を奏でながら、80人の部員たちがピタッとそろったクールなダンスを踊ったり、軽快なソロ演奏をしたり…鳥肌が立つほどの大迫力のパフォーマンス!国府台高校ならではのチームワークのよさが演奏にもしっかり表れていました。

私たちの周りの観客も、リズムに合わせて身体を動かしたり、前のめりで聴き入ったりと、すっかり"魔法にかけられて"しまった様子。3曲の素晴らしい演奏を終え、会場は大拍手に包まれました。

果たして結果は…

「やれることはやった」「でももうちょっとできたかもしれない…」さまざまな想いを抱えながら、ついに結果発表の時が。

国府台高校の結果は…惜しくも第3位。わずかに優勝には届きませんでした。

部長として部を引っ張る立場ではあるんですけど、もともと自分はそういうタイプではなくて…。1人で何でもできる方ではないので、「みんなに申し訳ない」って思う時もありました。

それでも、「自分にできることも絶対ある!」と思って、部員一人ひとりをしっかり見ることを心がけてきました。本番前、円陣を組んでかけ声をかけて、みんなの気持ちを高めるのは自分の大事な役目だと思っています。

そう語ってくれたのは、80人の部員を引っ張ってきた、部長さん。3位という結果に悔しさをにじませながらも、部員一丸となって優勝を目指してきた熱い日々を振り返ります。

コンクールに向けてのみんなの想いを書いた共有ノートを本番前に見て、気持ちを1つにして本番に臨んだというエピソードは、青春そのもの!

たった2回のチャンスにかける青春の日々

今回、目標としていた『優勝』には届かず、悔しさをにじませた国府台高校の部員たち。

本番の講評では、国府台高校の特色でもある、振り付けと演奏のバランスについて指摘されるシーンもありました。

講評された中で、正直、納得いかない点もあります。一方で、「振り付けが多くて演奏に意識が向いていない」と指摘されたことは、いわれても仕方がない部分でもあったので、演奏技術を磨く時間を増やしています。

それでも、"国府台らしさ"が薄れてしまわないように、今のまま振り付けがたくさんあっても、演奏の質はさらに高めて、より多くの人の心をつかめるようになりたいです。

演奏面の課題は、ビート感と音のスピード感が、各楽器や伴奏、メロディーなどでずれてしまう点です。振りを付けると、音の処理やアタックが雑になってしまって。 もっと原曲の雰囲気に寄せることも必要だと思っています。

振り付けに関しては、ニュアンスをもっと統一すること、振りが思うように大きくできていないこと、パフォーマーとしての意識が薄くなる瞬間をなくすことが課題です!

厳しい講評に悔しさを感じながらも、彼らはさらなる上を目指して、振り付けと演奏のクオリティが一定になるように練習方法も見直しているのだとか。

あと数か月で引退を迎える2年生の2人。それぞれ大役を務めながら、音楽を通してたくさんのことを学んだと語ります。

私はトランペットのソロを演奏しました。「どんな演奏をしたら楽しんでもらえるかな?」と考えながら練習を重ねて、本番にぶつけました。前に出た時は緊張したんですけど…なんとかやりきりました。

毎日を充実させてもっと成長して、後輩たちにもできる限りたくさんのことを伝えて、引退できたらと思っています。

学年は関係なく、リスペクトし合い、互いに高め合う部員たち。『国府台高校 吹奏楽部』の強さの秘密は何より、この信頼関係にあるのかもしれません。これからどんな部活に育っていくのか…今後がますます楽しみです!

夢中で輝く学生たちを応援したい

音楽を通して、学生たちの可能性を伸ばすきっかけを与えている『全国ポピュラーステージ 吹奏楽コンクール』。セイコーが協賛しています。

若手の音楽家や日本画家など、これからの未来を担う若者たちを応援しているセイコー。「全力で向き合う学生たちを応援し、彼らの輝く未来を共に描いていきたい」という想いから、『全国ポピュラーステージ 吹奏楽コンクール』を支援しているそうです。

今回、『国府台高校 吹奏楽部』の学生さんたちへの取材を通して、忙しい日々の中で忘れかけていた"何かに一生懸命になること"の素晴らしさを改めて教えてもらった気がしました。

勉強に、部活に、恋愛に…何かに夢中になれる学生生活は、きっと一生の思い出になるはずです。

『全国ポピュラーステージ 吹奏楽コンクール』のように、学生たちの可能性を広げる場がもっともっと増えれば素敵ですね。


[文・構成/grape編集部]

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