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孫が生まれた女性「抱っこさせてと言えなかった」その理由にハッとする

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

朝起きて、歯を磨いて、ごはんを食べて、買い物をして…。誰もが当たり前に過ごしている日常ですが、病によってそれが困難に感じる人もいます。

これから登場する女性たちに、あなたは何を感じるでしょうか。

孫を抱けなかった、あの日

ある日、孫が生まれて病院の新生児室に向かった女性。手袋をしていた彼女に、 看護師は手袋を外して手洗いをするように伝えます。すると…。

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女性が患っているのは、『掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)』という皮膚の病気でした。

手のひらや足の裏に膿がたまった小さな水ぶくれが繰り返しできる病気ですが、人にうつることはありません。

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それでも、人の目に触れるところに症状が出るため、周囲の目線が気になってしまったり、見た目で「うつりそう」と判断されてしまったり、病気を知らない人からの理解を得られないことで、不安や苦しみを抱えている患者さんも少なくないのです。

生まれたばかりの可愛い孫を前に「抱っこさせて」といえず、今でも後悔している女性。私たちも知らないうちに、病気についての知識がないばかりに、目線や言葉で彼女たちを傷付けてしまっていることがあるかもしれません。

朝の目覚め

『掌蹠膿疱症』でつらいのは、見た目のことだけではありません。日常生活を送る上でこんな影響も。

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よく晴れた、気持ちのいい朝。でもこちらの女性にとっては、小鳥のさえずりさえもつらい一日の幕開けを告げる合図となってしまうのです。

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ベッドから降りようと足を床に着いた瞬間、足の裏に激痛が走った女性。たった一歩が踏み出せません。

足の裏の角層が積み重なって厚くなり、足の裏に触れるだけで表面がひび割れてしまい、強い痛みやかゆみを生じてしまうことも。中には、歩くことさえ困難になってしまう人もいます。

また、患者さんのおよそ10%~35%が骨関節炎を合併し(※1、2、3)、身体のさまざまな部分に激しい関節の痛みを伴います。寝返りを打てない、歩くことができないほど強い痛みを伴うこともあります。

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これらは、製薬会社のヤンセンファーマが公開しているラジオCMです。ご紹介した2人の女性は、実際に『掌蹠膿疱症』に苦しんでいる、患者会代表を務める方のエピソードを元に作られました。

『掌蹠膿疱症』は、手のひらや足の裏に『無菌性膿疱』が多発し、かゆみとともに皮膚の炎症により痛みが生じる、慢性で難治性の皮膚疾患です。まだ、はっきりとした原因は解明されていません。

日本には約13万6千人の患者さんがいるとされ、男女比はおよそ1:2(※4、5)と特に女性に多く、発症は30代~50代(※5、6)に多いといわれています。

『掌蹠膿疱症』は不治の病ではない

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日常生活において、手で物を持つ時や、歩行時に踏み込む時など、生活の何気ない動作が制限されることに加え、水ぶくれや紅斑(こうはん)、膿疱などの症状が「人から見られているのではないか」と気になってしまう患者さんは多く、精神的な負担も大きいとされています。

また、疾患についてまだ広く知られていないことで、周囲の理解が得られず相談もできないことから、患者さんも悩み孤立してしまい、不安を抱え込んでしまうことも。

『掌蹠膿疱症』は、数年でよくなる人もいれば、数十年ずっと付き合う人もいるなど、個人差が大きい病気といわれています。でも、他人にうつることはなく、適切な治療を行うことで症状を抑えること、治すことが可能です。

患者役を演じたのは、女優・西田尚美さん

ラジオCMで患者役を務めたのは、女優の西田尚美さん。今回の収録を終えて、感想を伺いました。

今回はラジオCMということで、声だけで『掌蹠膿疱症』という病をどうやったら伝えることができるか、考えながら収録に臨みました。

いろいろな患者さんのケースをやらせていただきましたが、それによって私自身もこの病について初めて知ることができました。

一緒に収録していた声優さんの身近にも、同じ病に苦しまれている方がいると聞きました。

1000人に1人ほどの割合で『掌蹠膿疱症』にかかっている現状を知って、「自分が知らないだけで、この病に苦しんでいる方はこんなにいるんだ」と驚きました。

今回のラジオCMのエピソードにもありましたが、関節が痛くてまだ小さな子供と一緒にお風呂に入って、髪や身体を洗ってあげられない歯がゆさとか、想像しただけでもつらいだろうなと思いますね。

身体が思い通りに動かないことがストレスになって、余計に悪循環にならないか心配です。もっと周りが病気を理解してあげることで、少しでも患者さんたちの心のケアに繋がればいいなと思います。

『掌蹠膿疱症』について今回初めて知り、「知らない病がまだたくさんある」とハッとさせられたと語る西田さん。「もし身近でこの病に悩んでいる人がいたら、積極的にサポートしてあげる気持ちを持ってあげてほしい」と訴えました。

心身の痛みを分かち合う『ぶんつうプロジェクト』

精神的・身体的に苦しんでいる人が多いものの、まだまだ広く知られていない『掌蹠膿疱症』。

ヤンセンファーマは、『掌蹠膿疱症』の患者さんが抱える悩みや不安を顕在化するだけでなく、気軽に心身の痛みが分かち合える環境づくりを行い、病気への理解を深めて患者さんの孤立や不安を和らげることを目的とした『ぶんつうプロジェクト~掌蹠膿疱症の"痛"みを"分"かちあう~』を発足しました。

その一環として、お笑いコンビ・ナイツがパーソナリティを務める特別ラジオ番組『ナイツのぶんつうラジオ』(ニッポン放送)を企画。

全4回にわたって放送される番組内では、今回ご紹介したエピソードを含めた5つのラジオCMとともに、視聴者から募集した日常のエピソードを紹介するコーナーや、『掌蹠膿疱症』についての専門家とのトークセッションなど、聴くだけで前向きになれる"ぶんつう"(分かち合う痛み)を目指して展開されます。

3回目の放送となる12月25日(金)は、優先席を譲りたいけど悩んでしまうなど、「どうしたらいいか分からないこと」という投稿エピソードについて、4回目の放送となる12月31日(木)は、「頭皮の匂いが好き」など、『周囲に理解されないこと』という投稿エピソードについて、ナイツの2人の軽快なトークが繰り広げられる予定です。

『掌蹠膿疱症』のように、あまり知られていない『理解されない、いいづらい痛み』を、多くの人と分かち合うための第一歩として、ラジオ番組を聴いてみてはいかがでしょうか。

特別ラジオ番組『ナイツのぶんつうラジオ』(ニッポン放送)

・日時(全4回):2020年11月20日(金)・12月11日(金)・12月25日(金)各20時~21時、12月31日(木)11時~13時

・パーソナリティ:ナイツ

・ラジオCM声優:西田尚美(患者役)

・ドクター出演:福島県立医科大学医学部 皮膚科学講座 教授 山本俊幸先生、東京医科大学皮膚科学分野 教授 大久保ゆかり先生

・CM企画協力:PPPコミュニティ(掌蹠膿疱症患者会)

※詳細は特設サイトをご確認ください。

(※1)Sonozaki, H., et al.: Ann. Rheum. Dis., 40: 554, 1981

(※2)橋本喜夫ほか.: 臨皮., 60:633, 2006

(※3)加瀬貴美ほか.: 日皮会誌., 112:1375, 2012

(※4)Kubota, K. et al.: BMJ. Open, 5: e006450. 2015

(※5)藤城幹山ほか.: 日皮会誌., 125: 1175, 2015

(※6)Akiyama, T., et al.: J. Dermatol., 22: 930, 1995


[文・構成/grape編集部]

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