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発売前に苦節35年!? 『SORACHI 1984』の誕生ヒストリーがすごすぎた

By - grape編集部  公開:  更新:

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※写真はイメージ

「乾杯をもっとおいしく」のキャッチフレーズで知られる、サッポロビール。

サッポロビールといえば、『黒ラベル』や『ヱビス』など、長年親しまれている商品を連想する人が多いでしょう。

そんな数あるロングセラー商品の裏には、何十年にも渡る歴史を刻む『伝説のホップ』があります。

35年以上の歴史が詰まった『伝説のホップ』

高度成長期に差し掛かっていた、1984年。ビールの需要も伸びていた頃、サッポロビールの開発により、北海道空知郡上富良野町で、個性的な香りが魅力の『ソラチエース』というホップが誕生しました。

ホップとは、ビールの苦味や香りの元となる、ビール造りには欠かせない原材料の1つです。

しかし、当時のビールに求められていたのは、飲み口の爽快さや、水のようにたくさん飲めること。独特な香りを持つ『ソラチエース』は、日本人の口に合わなかったのです。

ですが、『ソラチエース』の開発に携わった人は諦めませんでした。

「さまざまな味わいのビールが求められているアメリカなら、『ソラチエース』にも注目してもらえるはず」

※写真はイメージ

そんな想いを胸に、1994年、『地ビール』の醸造が盛んなアメリカへ『ソラチエース』を持っていったのです。

なかなか日の目を見ることがない日々が続きましたが、2002年に転機が訪れました。

アメリカで莫大なホップ農園を経営しているマネージャーであるダレン・ガメシュさんに見い出された後、ビールを醸造する有名な職人が『ソラチエース』を使用したことから、徐々に認知度が広まったのです!

ビールの職人界隈で注目の的となった『ソラチエース』はさまざまな醸造所で使用され、アメリカからヨーロッパと、世界中にその名が知れ渡りました。

ダレンさんや職人との運命的な出会いをきっかけに、北海道で生まれた『ソラチエース』は、苦節35年の末、世界中で大ブームを巻き起こす『伝説』を刻むことになったのです。

『ソラチエース』のみ使用された『SORACHI 1984』が誕生

サクセスストーリーを築いた、伝説のホップ『ソラチエース』ですが、日本ではまったく周知されていない存在でした。

しかし、2014年に1つの転機を迎えます。ドイツのミュンヘンに留学していた1人のサッポロビール社員が、醸造家から『ソラチエール』の存在を教えてもらったのです。

『ソラチエール』の存在に衝撃を受けた社員。「日本人が飲めるような状況を作らなければならない」と強く思い帰国したところ、商品開発部門から声がかかり、『SORACHI 1984』の開発が始まりました。

親元であるサッポロビールで、『ソラチエース』を使用したビール『SORACHI 1984』が誕生したのです。

『SORACHI 1984』の特徴は、『ソラチエース』を使用した、一風変わった香りと味わい。

ホップや麦芽をブレンドしながら味をととのえる通常の製法とは異なり、『SORACHI 1984』は、国内外の『ソラチエース』が100%使用されています。

色は気品あふれるゴールデンエールで、アルコール度数は5.5%と標準的な数値。

独自のドライホッピング製法を採用し、ヒノキやレモングラスを思わせる、凛とした香り立つ味わいに仕上がっています。

『ソラチエース』ならではの楽しみ方も!

『SORACHI 1984』は普通に飲むのもいいですが、『ソラチラテ』という飲み方もおすすめなのだとか。

『ソラチラテ』とは、ビール大国であるチェコの飲み方の1つで、ジョッキに泡のみを注ぎます。

『ソラチエース』の香りと甘みが引き立ち、ビールが苦手な人でも楽しめるのです。

また、同商品は2021年3月にリニューアルし、北海道上富良野産『ソラチエース』の比率をアップしたそうです。

昭和に誕生後、平成は海外で一斉を風びし、令和に故郷である日本へ帰ってきた『ソラチエース』。

『SORACHI 1984』に込められた約35年の歴史を、あなたのノドで体感してみませんか。


[文・構成/grape編集部]

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