縁起柄には理由がある!日本人なら知っておきたい『日本の伝統模様』が持つ意味 提供:株式会社印傳屋 By - grape編集部 公開:2017-02-03 更新:2018-05-19 日本日本文化自然 Share Post LINE はてな 桜、唐草、麻の葉、青海波など、日本には古来より伝わる美しい模様があります。 着物、がま口、巾着袋などの柄として用いられる様々なモチーフ。そのモチーフがどうして昔から使われているのか、ご存知でしょうか。 自然の美しさや動植物に込められた、人の想いや縁起などをご紹介します。 長年使われるのには理由がある! 小桜 「花は桜木、人は武士」のことわざからもわかるように、平安時代以降、花と言えば桜を指すほど代表的な花でした。 見た目の華やかさはもちろん、散り際の潔さが武士からも好まれたため、甲冑などによく使われていました。 青海波 同心円の一部が扇状に重なり合った模様は、大海原を表しています。 穏やかに広がる海のように平穏な生活が続いてほしいという願いが込められ、また幸福を呼び起こす吉祥模様として、能装束、着物・帯などに使われる人気の柄です。 トンボ トンボは、害虫を取り除く貴重な益虫として、五穀豊穣(ごこくほうじょう)の象徴とされてきました。 行動も前にしか進めず退かないことから、武士から「勝虫(かちむし)」と呼ばれ、縁起の良い虫としてもてはやされました。そのため、武具や装束など多くの装飾品に見ることができます。 麻の葉 六角形状に六つのひし形を結び付けた麻の葉模様。 成長も早く、真っ直ぐに伸びる麻にあやかりたいという願いから、子どもの産着や下着によく使われました。邪気を払うなど魔除けの意味もあったようです。また、江戸時代に女形の衣装に使われ、大人気になったとか。 亀甲 亀の甲羅を図案化した、六角形を組み合わせた模様は、四神の玄武(げんぶ)が由来と言われています。 厄を払い身を守る吉祥模様として、平安・鎌倉時代に流行り、服飾、調度品、武具など幅広く使われました。 人智の及ばないものに畏敬の念 古来より人は、雷や嵐といった自然の驚異、動植物の持つ人智の及ばない力に、憧れや畏敬の念を感じ、吉祥の願いを込めて様々な模様を生み出してきました。 そういった模様は、着物だけでなく鹿の皮などをなめしたものに漆で模様を描いた『甲州印伝』にも多用されています。 そんな印伝の総本家として、天正十年(1582年)の創業時から、自然への憧れや畏怖を模様のモチーフにしてきた印傳屋が、日本人ならではの美意識を再認識できるような映像を公開。 「自然を美しいと思える感性=”Sense of Wonder“」をテーマに、現代の何気ない日常にも感じる美しさをご覧ください。 この映像は、60カ国以上を旅し、日常を切り取る映像作家の赤地剛幸さんと、雑踏や雨音といった非音楽を編集し、楽曲にするサウンドクリエイターのYosi Horikawaさんが制作。 『日々の暮らしの中で感じる自然』と『ありのままの自然』の対比による映像美を追求したのだそうです。 こういった日常的な景色からも、古来から続く伝統模様のように、私たち日本人の美意識を刺激する新しい模様が生まれるかもしれません。 自然にあるもの、日常にあるものからも美しさを感じられる、日本人ならではの感性を大切にしていきたいものですね。 印傳屋 ※模様の由来などについては、諸説あります。 [文/grape編集部] Share Post LINE はてな
桜、唐草、麻の葉、青海波など、日本には古来より伝わる美しい模様があります。
着物、がま口、巾着袋などの柄として用いられる様々なモチーフ。そのモチーフがどうして昔から使われているのか、ご存知でしょうか。
自然の美しさや動植物に込められた、人の想いや縁起などをご紹介します。
長年使われるのには理由がある!
小桜
「花は桜木、人は武士」のことわざからもわかるように、平安時代以降、花と言えば桜を指すほど代表的な花でした。
見た目の華やかさはもちろん、散り際の潔さが武士からも好まれたため、甲冑などによく使われていました。
青海波
同心円の一部が扇状に重なり合った模様は、大海原を表しています。
穏やかに広がる海のように平穏な生活が続いてほしいという願いが込められ、また幸福を呼び起こす吉祥模様として、能装束、着物・帯などに使われる人気の柄です。
トンボ
トンボは、害虫を取り除く貴重な益虫として、五穀豊穣(ごこくほうじょう)の象徴とされてきました。
行動も前にしか進めず退かないことから、武士から「勝虫(かちむし)」と呼ばれ、縁起の良い虫としてもてはやされました。そのため、武具や装束など多くの装飾品に見ることができます。
麻の葉
六角形状に六つのひし形を結び付けた麻の葉模様。
成長も早く、真っ直ぐに伸びる麻にあやかりたいという願いから、子どもの産着や下着によく使われました。邪気を払うなど魔除けの意味もあったようです。また、江戸時代に女形の衣装に使われ、大人気になったとか。
亀甲
亀の甲羅を図案化した、六角形を組み合わせた模様は、四神の玄武(げんぶ)が由来と言われています。
厄を払い身を守る吉祥模様として、平安・鎌倉時代に流行り、服飾、調度品、武具など幅広く使われました。
人智の及ばないものに畏敬の念
古来より人は、雷や嵐といった自然の驚異、動植物の持つ人智の及ばない力に、憧れや畏敬の念を感じ、吉祥の願いを込めて様々な模様を生み出してきました。
そういった模様は、着物だけでなく鹿の皮などをなめしたものに漆で模様を描いた『甲州印伝』にも多用されています。
そんな印伝の総本家として、天正十年(1582年)の創業時から、自然への憧れや畏怖を模様のモチーフにしてきた印傳屋が、日本人ならではの美意識を再認識できるような映像を公開。
「自然を美しいと思える感性=”Sense of Wonder“」をテーマに、現代の何気ない日常にも感じる美しさをご覧ください。
この映像は、60カ国以上を旅し、日常を切り取る映像作家の赤地剛幸さんと、雑踏や雨音といった非音楽を編集し、楽曲にするサウンドクリエイターのYosi Horikawaさんが制作。
『日々の暮らしの中で感じる自然』と『ありのままの自然』の対比による映像美を追求したのだそうです。
こういった日常的な景色からも、古来から続く伝統模様のように、私たち日本人の美意識を刺激する新しい模様が生まれるかもしれません。
自然にあるもの、日常にあるものからも美しさを感じられる、日本人ならではの感性を大切にしていきたいものですね。
印傳屋
※模様の由来などについては、諸説あります。
[文/grape編集部]