ジャンルの違うミュージシャン、三浦和人とChage 2人の意外な共通点とは By - grape編集部 公開:2018-01-19 更新:2018-01-19 Share Post LINE はてな 中島みゆき、長渕剛、世良公則&ツイスト、チャゲ&飛鳥、クリスタルキング 70年代・80年代の音楽シーンをけん引してきた、そうそうたるアーティストたち。彼らの楽曲は、30年以上経った現在でも多くの人たちを魅了し続けています。 そんな偉大なアーティストたちに、ある共通点があるのはご存知ですか。 一世を風靡した、全国規模のコンテスト それが『ヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)』。1969年から1986年まで行われたこの大会は、音楽界への登竜門でした。グランプリに優勝すると、待っているのはレコードデビュー。 全国各地のアマチュア・ミュージシャンは、プロを目指し、このコンテストに挑んだのです。では、ポプコンに出演した人たちは、どのような想いで大会のステージに立ったのでしょうか。 ポプコンでグランプリを獲得し、デビューを果たしたChageさんと三浦和人さんに話を伺いました。彼らによると、ポプコンで熟成されてきたものは、現在の音楽シーンでもなお受け継がれているといいます。 そこは、色気ムンムンな場所でした ーー70年代の音楽シーンとはどのようなものでしたか。そして、そのなかでポプコンはどういうものでしたか。 三浦:僕的には、ウォークマンが出て、移動しながらステレオが聴けるようになって、ものすごく音楽が身近になった時代です。同時に、アマチュアが作詞作曲をして歌う『シンガーソングライター』というものが生まれた時でもあります。 その時に僕が何を感じたかというと「自分の中に、まだ眠っている自分がいるかもしれない」ということ。ある意味『色気ムンムン』で、音楽家になりたいと思って挑んだのがポプコンでしたね。 Chage:プロになりたくて応募してますからね。あのころには、作詞家の先生、作曲家の先生たちが作った曲を歌って、芸能界という中で育つといった感じでした。その中で「自分たちで曲を作る、それを自分たちで歌う」という異色なものが出てきたんです。そういうものが芽生えた時期ですね。 それで全国で支店があったヤマハがポプコンというものを作って、そこに夢を持ったアマチュアがテープ音源を送る。ヤマハがポプコンやってなかったら、多分僕はデビューしてなかったと思う。そのくらいの影響力はありましたよね。 ーーポピュラーソングと名前がついていますが、幅広いジャンルがありましたね。 三浦:出ているのはロックからフォークもいれば、アイドル、学園祭のような出し物もあったし。実際の大会は各地区の応援団が応援合戦をしている。だから本当に夏の甲子園大会に似たようなものがありました。非常ににぎやかで華やかな場所でしたね。 Chage:朝9時からやるんですもん。 三浦:やったよね。 Chage:で、夕方終わるんですよ。エントリーが多いから。 三浦:それぐらい人気があったんだよね。 ーーポプコンで育まれたものが、いまでもそこから引き継がれているものはありますか。 Chage:その後シンガーソングライターという言葉ができあがるくらい、自分たちで作って歌うことが当たり前のようになった。そういう行動はいまの若者もやっています。いまはネットで自分たちの音源を公開できるから、それに移行していますけど「ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい」という、アーティストとしての基本的な気持ちは変わってないわけですね。 ーーいまはポプコンのような大会はありませんが、それについてどう思いますか。 Chage:いまはネットという環境でできていると思います。音楽というのはなくならないんだな、というのは最近つくづく思いますね。流行りすたりはありますけど、音楽というカテゴリーは不動ですから。絶対に音楽に興味を持つ若者は出てくるわけです。それをネットというものを通じて、日本のみとはいわず世界規模で展開できるわけですから、すごいことだと思いますよ。 Chage:でも1つ懸念しているのは、ライブがちゃんとできるかというところ。会場に来てもらったお客さんの前で、最高のパフォーマンスをする…。それには、アーティストだけではなく、最高のスタッフもそろえなければいけない。 そこをちゃんと構築しないと、手前味噌で終わってしまうことが多くなってしまうと思うから。音楽が多様化されているのは事実ですけど、僕が求めたいのはライブでどう表現していくか。それができると音楽っていうのは、ずっとつながっていくんでしょうね。 ポプコンのグランプリ受賞者が、プロになって再集結した時 ーー『僕らのポプコンエイジ』去年のポプコンコンサート。 Chage:このコンサートの出演者は全員アマチュアだったんですよ。そのアマチュアだった人がプロになって、長い時を経て、またポプコン出身者として戻ってきたんです。 横須賀に集まったみんなはもうプロですから。気持ちはアマチュアに戻っているというか…。不思議な感覚ですね。それから仲間意識。ポプコン出身であるという自負があって、原点回帰できる場所を持っていて、みんなが楽しんでいて、それを観てお客さんも楽しんでいる。そんなキャッチボールができている所を体験して欲しいですね。 ーーこのコンサートの魅力を教えてください。 三浦:ポプコン出演者同士がコラボレーションを行う所も面白いです。いままでやったことなかったんですね。僕らも2人で一緒に1曲やっています。ある意味音楽が新しい古いの次元を超えて、積み上げてきた人たちが奏でる音楽って、余裕もあるし雰囲気の違うものを感じることができると思います。そういう部分を楽しんでもらえたらいいなと思います。 Chage:この放送を観たいと思っている人は、ポプコンをリアルタイムで観てきた人が多いと思います。なのでぜひとも娘さんとか息子さんに伝授してもらって、観てもらいたいなと思います。 良質な名画を観ているような感じで観てもらえれば、楽曲を知らなくてもスッと入ってこれるんじゃないかなと思います。各アーティストのパフォーマンスでもお客さんの表情でも、そういうものを観ているだけでも、音楽の素晴らしさを体感できると思います。 三浦:どんな曲でも、世に名を残した楽曲は、必ず1か所いい部分があります。それを探してもらえれば入りやすいと思います。「ここのフレーズ、好きだな」と。 後、「大人たちが心から楽しんでやると、こんないい雰囲気が出るんだ」というのを感じてもらえれば嬉しいかなと思います。ハッタリがないですから。自分のスタンスを長年積み上げてきたので、いまさら見栄を張ったりしてないんです。それを感じてもらえれば嬉しいですね。 BSフジ『僕らのポプコンエイジライブ2017』 放送日時:2018年1月20日(土)15:00~16:55 [文・構成/grape編集部] 出典 BSフジ Share Post LINE はてな
中島みゆき、長渕剛、世良公則&ツイスト、チャゲ&飛鳥、クリスタルキング
70年代・80年代の音楽シーンをけん引してきた、そうそうたるアーティストたち。彼らの楽曲は、30年以上経った現在でも多くの人たちを魅了し続けています。
そんな偉大なアーティストたちに、ある共通点があるのはご存知ですか。
一世を風靡した、全国規模のコンテスト
それが『ヤマハポピュラーソングコンテスト(ポプコン)』。1969年から1986年まで行われたこの大会は、音楽界への登竜門でした。グランプリに優勝すると、待っているのはレコードデビュー。
全国各地のアマチュア・ミュージシャンは、プロを目指し、このコンテストに挑んだのです。では、ポプコンに出演した人たちは、どのような想いで大会のステージに立ったのでしょうか。
ポプコンでグランプリを獲得し、デビューを果たしたChageさんと三浦和人さんに話を伺いました。彼らによると、ポプコンで熟成されてきたものは、現在の音楽シーンでもなお受け継がれているといいます。
そこは、色気ムンムンな場所でした
ーー70年代の音楽シーンとはどのようなものでしたか。そして、そのなかでポプコンはどういうものでしたか。
三浦:僕的には、ウォークマンが出て、移動しながらステレオが聴けるようになって、ものすごく音楽が身近になった時代です。同時に、アマチュアが作詞作曲をして歌う『シンガーソングライター』というものが生まれた時でもあります。
その時に僕が何を感じたかというと「自分の中に、まだ眠っている自分がいるかもしれない」ということ。ある意味『色気ムンムン』で、音楽家になりたいと思って挑んだのがポプコンでしたね。
Chage:プロになりたくて応募してますからね。あのころには、作詞家の先生、作曲家の先生たちが作った曲を歌って、芸能界という中で育つといった感じでした。その中で「自分たちで曲を作る、それを自分たちで歌う」という異色なものが出てきたんです。そういうものが芽生えた時期ですね。
それで全国で支店があったヤマハがポプコンというものを作って、そこに夢を持ったアマチュアがテープ音源を送る。ヤマハがポプコンやってなかったら、多分僕はデビューしてなかったと思う。そのくらいの影響力はありましたよね。
ーーポピュラーソングと名前がついていますが、幅広いジャンルがありましたね。
三浦:出ているのはロックからフォークもいれば、アイドル、学園祭のような出し物もあったし。実際の大会は各地区の応援団が応援合戦をしている。だから本当に夏の甲子園大会に似たようなものがありました。非常ににぎやかで華やかな場所でしたね。
Chage:朝9時からやるんですもん。
三浦:やったよね。
Chage:で、夕方終わるんですよ。エントリーが多いから。
三浦:それぐらい人気があったんだよね。
ーーポプコンで育まれたものが、いまでもそこから引き継がれているものはありますか。
Chage:その後シンガーソングライターという言葉ができあがるくらい、自分たちで作って歌うことが当たり前のようになった。そういう行動はいまの若者もやっています。いまはネットで自分たちの音源を公開できるから、それに移行していますけど「ひとりでも多くの人に聴いてもらいたい」という、アーティストとしての基本的な気持ちは変わってないわけですね。
ーーいまはポプコンのような大会はありませんが、それについてどう思いますか。
Chage:いまはネットという環境でできていると思います。音楽というのはなくならないんだな、というのは最近つくづく思いますね。流行りすたりはありますけど、音楽というカテゴリーは不動ですから。絶対に音楽に興味を持つ若者は出てくるわけです。それをネットというものを通じて、日本のみとはいわず世界規模で展開できるわけですから、すごいことだと思いますよ。
Chage:でも1つ懸念しているのは、ライブがちゃんとできるかというところ。会場に来てもらったお客さんの前で、最高のパフォーマンスをする…。それには、アーティストだけではなく、最高のスタッフもそろえなければいけない。
そこをちゃんと構築しないと、手前味噌で終わってしまうことが多くなってしまうと思うから。音楽が多様化されているのは事実ですけど、僕が求めたいのはライブでどう表現していくか。それができると音楽っていうのは、ずっとつながっていくんでしょうね。
ポプコンのグランプリ受賞者が、プロになって再集結した時
ーー『僕らのポプコンエイジ』去年のポプコンコンサート。
Chage:このコンサートの出演者は全員アマチュアだったんですよ。そのアマチュアだった人がプロになって、長い時を経て、またポプコン出身者として戻ってきたんです。
横須賀に集まったみんなはもうプロですから。気持ちはアマチュアに戻っているというか…。不思議な感覚ですね。それから仲間意識。ポプコン出身であるという自負があって、原点回帰できる場所を持っていて、みんなが楽しんでいて、それを観てお客さんも楽しんでいる。そんなキャッチボールができている所を体験して欲しいですね。
ーーこのコンサートの魅力を教えてください。
三浦:ポプコン出演者同士がコラボレーションを行う所も面白いです。いままでやったことなかったんですね。僕らも2人で一緒に1曲やっています。ある意味音楽が新しい古いの次元を超えて、積み上げてきた人たちが奏でる音楽って、余裕もあるし雰囲気の違うものを感じることができると思います。そういう部分を楽しんでもらえたらいいなと思います。
Chage:この放送を観たいと思っている人は、ポプコンをリアルタイムで観てきた人が多いと思います。なのでぜひとも娘さんとか息子さんに伝授してもらって、観てもらいたいなと思います。
良質な名画を観ているような感じで観てもらえれば、楽曲を知らなくてもスッと入ってこれるんじゃないかなと思います。各アーティストのパフォーマンスでもお客さんの表情でも、そういうものを観ているだけでも、音楽の素晴らしさを体感できると思います。
三浦:どんな曲でも、世に名を残した楽曲は、必ず1か所いい部分があります。それを探してもらえれば入りやすいと思います。「ここのフレーズ、好きだな」と。
後、「大人たちが心から楽しんでやると、こんないい雰囲気が出るんだ」というのを感じてもらえれば嬉しいかなと思います。ハッタリがないですから。自分のスタンスを長年積み上げてきたので、いまさら見栄を張ったりしてないんです。それを感じてもらえれば嬉しいですね。
BSフジ『僕らのポプコンエイジライブ2017』
放送日時:2018年1月20日(土)15:00~16:55
[文・構成/grape編集部]