リンゴは追熟しない?食べ頃の見分け方と正しい保存方法をご紹介
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甘いリンゴの味を期待してひと口かじったら、想像より酸っぱかったり甘味が薄かったりして、がっかりした経験はありませんか。
バナナやキウイのように「少し置いておいて甘くしよう」と思う人もいるかもしれません。しかし、リンゴは収穫後に甘さが増す『追熟』を必要としない果物だといわれています。
そのため、購入時に食べ頃を見極めることが大切だといえるでしょう。
本記事では、リンゴの追熟についてや、食べ頃のリンゴを見極めるポイントを解説します。さらに、甘みを引き出し、鮮度を長持ちさせるための正しい保存方法もまとめました。
リンゴは追熟するの?
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リンゴは、追熟する『追熟型果実』に分類されますが、追熟の必要がない果物のようです。
収穫後のリンゴは『エチレンガス』と言う、果実の成熟をうながす成分を放出します。エチレンガスはリンゴの成熟をうながし、劣化が進みやすくなるのだとか。
リンゴを購入したら早めに食べることで、おいしく食べられるでしょう。
また、リンゴは完熟しすぎると、歯ごたえがなくなり食感が悪くなります。これを『ぼける』と表現し、水分や甘みが抜け、おいしさが低下している状態のようです。
購入したリンゴは早めに食べてしまうのがよいですが、たくさんある場合は適切な保存が必要になります。
リンゴの食べ頃を見分けるためのポイント
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リンゴは追熟の必要がないと考えられるため、一般的に購入時が甘くてみずみずしいとされていますが、品種や個体差によっては、期待通りのおいしさではないと感じることもあるかもしれません。
よりおいしい、リンゴの食べ頃を見分けるためのポイントをまとめました。
青リンゴだったとしても、尻が黄色がかっている場合は食べ頃と見分けられます。
つやが出る品種の例は、『つがる』や『ジョナゴールド』に見られるようです。
リンゴの食べ頃は、複数のポイントから見分けましょう。下記記事で詳しく解説しています。
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購入したリンゴが甘くなかった場合の対処法
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購入したリンゴが、想像していたよりも甘くなかったらがっかりしてしまいますよね。
本章では、購入したリンゴが甘くなかった場合に試してほしい対処法をまとめました。
時間を置く
リンゴは追熟の必要がないと言われていますが、すぐに食べずにしばらく置いておくと甘くなるとされています。
ただし、甘みを増すためには、冷やすことがポイントになるようです。
リンゴには『果糖(別名:フルクトース)』が含まれています。フルクトースは低温の環境で甘みが増すという性質があるようです。保存に理想的な温度は、0℃~5℃程度と考えられています。
リンゴは冷やすと甘みを感じられるため、保存する際は温度管理に気をつけましょう。保存方法については、下記の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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加熱して使う
リンゴが甘くなかった場合は、加熱して使うことで甘みを増やせるようです。
ここでは、加熱する場合のレシピを2つご紹介します。
リンゴの甘煮
【材料】
【作り方】
1.リンゴをひと口サイズまたはいちょう切りにして8等分にする。
2.耐熱皿にリンゴを入れて、砂糖とレモン汁をふった後混ぜ合わせる。
3.ラップをしたら電子レンジで4分~5分ほど加熱する。
4.リンゴを裏返す、またはかき混ぜてさらに2分~4分ほど様子を見ながら温めて、透き通れば完成。
砂糖の量は、好みに合わせて調節します。加熱時間は電子レンジの機種やリンゴの品種などで異なるため、様子を見ながら進めましょう。
そのままでは甘すぎる場合は、食パンやクラッカーにのせたり、ヨーグルトに入れたりなどアレンジしても楽しめます。
焼きリンゴ
【材料】
【作り方】
1.リンゴは皮を剥かずに1.5cm程度の厚さに輪切りをして、芯を取り除く。
2.フライパンを中火にかけて、バターを溶かす。
3.切ったリンゴをフライパンに入れて、蓋をしながら両面に焼き色がつくまで3分程度加熱する。
4.リンゴが柔らかくなったら、砂糖をふりかけて溶かしたら完成。
シナモンパウダーをふりかけたり、バニラアイスと一緒に食べたりしても合うでしょう。
リンゴの保存方法のコツ
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リンゴは低温で保存すると甘みが増すようですが、おいしさにはみずみずしさも欠かせません。
保存する際は、温度と湿度管理を意識することが大切だと考えられています。上手に保管できれば1か月程度日持ちするでしょう。
リンゴの保存方法には常温と冷蔵がありますが、それぞれ保存のコツが異なります。
常温保存では、リンゴを1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーで包んだ後、ポリ袋に入れて封をしましょう。
ただし、リンゴは温度変化や高温、乾燥に弱いため、暖房を使う部屋での保存を避けたほうが安心です。また、冬以外は冷蔵保存を検討しましょう。
冷蔵保存では、乾燥とエチレンガス対策が必要ですが、常温保存と同じように新聞紙やポリ袋で包装します。リンゴのエチレンガスは、冷蔵庫内の野菜や果物の追熟をうながして傷みを早める恐れがあるようです。
リンゴはほかの果物を追熟させる?
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リンゴはエチレンガスを放出するため、ほかの果物と一緒にすると追熟をうながすと言われています。果物をおいしく食べるために、追熟を活用する人も多いでしょう。
キウイフルーツやメロン、西洋梨などは、リンゴのエチレンガスを活用して追熟させることができるようです。
リンゴと一緒にポリ袋に入れて、常温で数日間様子を見ながら追熟させましょう。適温は15℃~20℃と考えられています。
リンゴのエチレンガスの生成量が多い品種ほど、一緒に入れておくとほかの果物の追熟が早まると考えられているようです。
生成量を順番に並べると『きおう(黄王)』『つがる』がもっとも多く、次いで『ジョナゴールド』『王林』、最後は『ふじ』『シナノゴールド』になると言われています。
リンゴの追熟に関するよくある質問
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リンゴの追熟に関するよくある質問をまとめました。
赤いリンゴは熟しているサイン?
リンゴは追熟の必要がないとされていますが、赤く色づいていることが熟しているサインとはいいきれません。
赤いのは太陽を浴びた証拠と考えられており、赤いほど甘みがある可能性は高いといえます。
しかし、赤くなることだけで追熟や食べ頃を判断することは難しいでしょう。赤い品種のリンゴが真っ赤に染まっていなくても尻が黄色になっていれば、おいしい可能性があるためです。
追熟したリンゴを見分ける場合は、尻の色や香り、果皮の状態などから総合的に判断することが注意点といえるでしょう。
硬いリンゴは食べ頃ではない?
リンゴが硬くても、熟していないと言うわけではありません。というのも、もともと硬い品種があるためです。
硬い品種には、『紅玉(こうぎょく)』『早生ふじ(ほのか)』『サンふじ』『トキ』『シナノゴールド』などが挙げられるでしょう。
硬い品種の食べ頃も前項の解説と同じように、尻の色や香り、果皮のハリがサインになりますが、品種ごとにわずかな違いがある可能性も考えられます。
例えば『紅玉』は尻の色まで赤いもの、『シナノゴールド』は尻だけでなく全体が黄色になることが食べ頃なのだとか。
硬いリンゴでも品種の違いから、完熟のサインが異なる可能性があります。各品種のサインをきちんと把握しておき、食べ頃を逃さないことでおいしく食べられるでしょう。
リンゴは追熟が必要ない果物と言われている
リンゴは追熟の必要がないと考えられるため、購入時に食べ頃を見分けることが大切です。なお、鮮度を保ったままおいしく食べるためにも、購入後は早めに食べ切りましょう。
また、リンゴは冷やすと甘みが増すとされており、みずみずしさを味わうには正しい方法で保存することがポイントです。
甘くないリンゴは、加熱調理でおいしく食べられるケースもあるため、ぜひ本記事でご紹介したレシピを参考にアレンジしてみてくださいね。
[文・構成/grape編集部]