カシューナッツの殻から自然にやさしいプラスチックができた!?
公開: 更新:
俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。
歌舞伎俳優、市川團蔵さんが逝去 「もっと見たかった」「早すぎる」2024年11月23日、歌舞伎俳優の市川團蔵さんが亡くなったことが分かりました。73歳でした。
- 出典
- 明治大学プレスリリース
grape [グレイプ] society
公開: 更新:
俳優・火野正平さんが逝去 腰痛の治療に励むも腰部骨折に火野正平さんが亡くなったことが分かりました。ご冥福をお祈りいたします。
歌舞伎俳優、市川團蔵さんが逝去 「もっと見たかった」「早すぎる」2024年11月23日、歌舞伎俳優の市川團蔵さんが亡くなったことが分かりました。73歳でした。
東京農工大学と明治大学の共同研究チームから、カシューナッツの殻に含まれる天然の植物油(カシューオイル)からグリーンプラスチックの開発に成功したと発表がありました。
いまさらプラスチックかと思うかもしれませんが、そもそもプラスチックってどんな特徴があるか知っていますか。プラスチックは別名ポリ塩化ビニールとも言われ、安くて軽くて丈夫で、透明にすることも出来るし着色や加工も自由などの多くの利点があります。
その反面、プラスチックは簡単には腐敗や分解が生じにくく、燃やさないかぎり半永久的にごみとして残ります。家庭から出るごみ容積の60%はプラスチックなどの容器包装といわれていて、埋める場所もなくなり、このままでは日本列島はごみだらけになりそうな現実をみなさんはご存知でしょうか。
その上、原料が石油だということは、リサイクルできなければ、有限物質をどんどん失っていくということにもなります。
そんな中、生まれたのが自然にやさしいプラスチック=グリーンプラスチックと呼ばれるものがあります。それは別名生分解性プラスチックと言って、原料はとうもろこしなどの植物から作られ、使ったあとは、土に埋めれば、徐々に分解し、ある一定期間後には跡形もなくなり、最終的には微生物によって水と二酸化炭素にされます。
生分解性プラスチックの多くはでんぷん等、石油以外を原料としており、焼却されたとしても燃焼カロリーは一般のプラスチックよりかなり低く、環境にやさしい物質になっています。利用するときは数多くの性能を保ち、不要になったら自然に戻るという理想的なプラスチックなんです。
ただこれまでの生分解性プラスチックは、値段が高いのと、熱に強くさせるのが難しかったこと。たとえば、イチゴパックの透明容器などに使うと、入れ物としては問題ないのですが、店に陳列したとき、太陽にあたって40度を越えると溶け始めてしまったりしてなかなか実用に耐えられなかったわけです。
今回の国立大学法人・東京農工大学大学院工学研究院応用化学部門の兼橋真二(かねはししんじ)特任助教と、大学院生物システム応用科学府の荻野賢司(おぎのけんじ)教授、明治大学・宮腰哲雄(みやこしてつお)名誉教授によれば、カシューオイルから生成されたグリーンプラスチックは、環境や人体に有害なホルムアルデヒドなどの化合物を使用せずに、室温で成形可能なグリーンプラスチック(バイオベースポリマー)を生成することが出来ました。
それは、摂氏300度付近まで熱的に安定し、酸・アルカリ・有機溶媒に対する化学的耐久性に優れ、フィルムや樹脂への成形性や耐熱性、酸・アルカリ・有機溶媒に対する耐薬品性、さらには大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌特性も有しており、至れりつくせりのプラスチックで、フィルムや樹脂としてパッケージングやコーティング材料をはじめ、自動車部材から電子材料部材まで幅広い材料分野への応用展開に大いに期待できるとのことです。
ちなみに2016年9月には、世界初となる『プラスチック製使い捨て容器や食器を禁止する法律』が、フランスで2020年1月1日から施行されるとAP通信が報じました。
フランスのニュースサイト『Les Echos』によれば、フランスでは毎年約47億個のプラスチック製カップが捨てられており、そのうちリサイクルされるのはわずか約1%だそうです。『パリ協定』にも採択しているフランスは、2016年7月にはプラスチック製のレジ袋の使用も禁止されています。
一方、英誌『New Scientist』によれば、スペインの科学者によってポリエチレンを食べ、消化する虫が発見されたというニュースも話題になっています。発見された虫は『ハチノスツヅリガ』という蛾の幼虫で、100匹の幼虫が半日でポリ袋全体の3%に相当する92ミリグラムを食すことを記録したそうです。
さらに、幼虫はただポリエチレンを口にして噛み砕くだけでなく、実際に消化している点に注目!
なんとポリエチレンを取り込んだ幼虫を調べたところ、ポリエチレンの分解を示す『エチレングリコール』が検出されたんだそうです。つまり幼虫はポリエチレンを体内で分解してしまうことが証明されたということです。
つまり時間は多少かかるものの、自然に風化される場合は100年以上かかることを考えれば「十分に早く」「自然に帰る」ということ。プラスチックはこんなところにまで注目が集まっているんです。
日本でもますますこうしたエコ活動への取り組みが強化されていく中、何より石油などの化石資源に依存しないプラスチックに大いに注目し、東京オリンピックなどに向けて、今後の実用化に期待したいところです。
[文・構成 土屋夏彦/grape編集部]
土屋夏彦
上智大学理工学部電気電子工学科卒業。 1980年ニッポン放送入社。「三宅裕司のヤングパラダイス」「タモリのオールナイトニッポン」などのディレクターを務める傍ら、「十回クイズ」「恐怖のやっちゃん」「究極の選択」などベストセラーも生み出す。2002年ソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に転職。コンテンツ担当ジェネラルプロデューサーとして衛星放送 「ソネットチャンネル749」(現アジアドラマチックTV★So-net)で韓国ドラマブームを仕掛け、オンライン育成キャラ「Livly Island」では日本初の女性向けオンラインで100万人突破、2010年以降はエグゼクティブプロデューサー・リサーチャーとして新規事業調査を中心に活動。2015年早期退職を機にフリーランス。記事を寄稿する傍ら、BayFMでITコメンテーターとしても出演中、ラジオに22年、ネットに10年以上、ソーシャルメディア作りに携わるメディアクリエイター。