今までにない、小さなお土産の数々!6つの品が持つ、ある共通点とは 提供:ふくしまみらいチャレンジプロジェクト By - grape編集部 公開:2018-02-22 更新:2018-06-18 お土産地震東日本大震災福島震災 Share Post LINE はてな 東日本大震災から、およそ7年。 2017年には、福島県に来た外国人観光客数が、初めて震災前の実績を上回るなど、被災地にも活気が戻りつつあります。しかしその一方で、解除のめどが立っていない避難区域なども多く、復興はまだ道半ばです。 出典:ふくしまみらいチャレンジプロジェクト 福島県の東部、太平洋の沿岸部に位置する相双(そうそう)地方も、対象地域の1つ。12市町村のうち5市町村は、現在でも避難区域に指定されています。 みんなで力を合わせて、相双の魅力を伝えたい! そんな想いを持った相双地方の事業者たちが、新しいプロジェクトをスタートさせました。 福島の隠れた魅力を、小さなお土産に 『福の小みやげプロジェクト』と称し、新しい福島県の象徴として『新たなお土産品』を作り上げようと、相双地方の10の事業者が集いました。 『福の小みやげ』は、福島にしかないようなものや、そこに住む人たちにずっと愛され続けてきたものなど、地域本来の魅力を詰め込んでいます。 スタート時に販売された6品に共通することは、どれも手渡しがしやすい大きさであること。 『小みやげ』サイズにギュッと凝縮したのは、福島の魅力が手から手へ、より多くの人に伝わっていってほしいという願いが込められているから。 またプロジェクトチームは、1つひとつのお土産に込められたストーリーを実感してほしいという想いのもと、プレス向けにお土産を作っている事業者を巡るツアーを企画。 ツアーに参加した編集部スタッフはそこで、相双ならではの温もりや風情を感じることができました。 自然の恵みを活かして育てた『幻の魚』 福島県、宮城県、茨城県にわたって連なっている阿武隈山地。そのほぼ中央に川内村という人口2500人程の小さな村があります。 豊かな山林に囲まれたこの地域には清流が流れていて、きれいな水のなかでしか生きられないと言われているヤマネやイワナが生息しています。 そこでイワナの養殖を行っているのが『いわなの郷』。震災後避難区域に指定され、観光スポットとしての役目を中断せざるをえなくなりましたが、2013年6月に再開。およそ10万匹のイワナを養殖しています。 施設に着くと、5年もののイワナを網上げしてくれました。成長するとこんなに大きくなるんですね! 『福の小みやげ』のために作られた『スモークいわな』は、およそ2〜3歳の小ぶりなイワナを使用。骨が柔らかくなるまで圧力鍋で煮込んだイワナを、桜のチップでじっくりとスモークさせています。 飼料管理を徹底した『いわなの郷』のイワナは、川魚にありがちな臭みがないのが特徴。『スモークいわな』も優しい味付けでイワナ本来のうまみが堪能できます。そして食べた後に鼻から抜けるほのかなスモーク感は、お酒にもぴったりです。 ツアーでは細かく切ったものを試食しましたが、『いわなの郷』のスタッフは「ビール片手に1匹まるごとかじってみなよ!」と大胆な提案を!確かに、思い切り食べるのもいいかもしれないですね。 江戸時代からの伝統を守り続ける職人 プレスツアーが次に向かったのは『いかりや商店』。ここでは浪江町大堀の伝統的工芸品『大堀相馬焼』を製造・販売しています。 浪江町大堀は、福島第一原発からたったの10キロ。『いかりや商店』の山田さんは強制退去を余儀なくされ、現在は白河市にある仮設店舗で営業をしています。 大堀相馬焼の特徴は、器面に広がる『青ひび』。これは陶器を窯から出したとき、冷却することによって起きるそうです。 ひびができる時に鳴る「チリンチリン」という風鈴のような音は、『うつくしまの音30景』にも選ばれているほどの美しい響きなのだとか。 湯呑みの多くは、外側と内側の2重になっていて、注いだ飲み物が冷めにくい構造になっています。この『二重焼』という技術は、大堀相馬焼以外で見かけることはほとんどないそうです。 山田さんは、いまでも成形から本焼き、仕上げまで、全ての工程を自ら行っています。その腕前は言うまでもありません。 大堀相馬焼のシンボルでもある『走り駒』(馬が走る姿)の絵入れも、下書きすることなく直接行います。慣れた手つきに、ツアー参加者は驚きの声をあげていました。 『福の小みやげプロジェクト』の発起人の1人である松永武士さんは、大堀相馬焼の窯元生まれで、現在は自身でも企画・販売を行っています。 『福の小みやげ』では、5つの大堀相馬焼による豆皿をセットにしたものを制作。地元の人たちと一緒にデザインした豆皿は、どれもかわいらしいものばかり。 1枚1枚丁寧に作られた、温もりあふれる豆皿を手に取ると、江戸時代から続く伝統の息吹を感じられます。 福島の風情を、手のひらにのせて 福島の知られざるお宝を集め、小さなお土産にした『福の小みやげ』。スモークいわなや、大堀相馬焼の豆皿のほかにも、昭和15年創業の老舗が手がけた『クリームチーズの味噌漬け』や、1つひとつ丹念に作り上げた『和栗のしぶ皮煮』など、福島の風情が感じられる、さまざまなお土産が用意されています。 全ての小みやげは、プロジェクトのメンバーが事業者と相談を重ね合わせて作ったもの。どれも心がこもっていて、福島にしかない素朴で面白いものや、個性豊かなものをしっかり感じ取ることができます。 松永さんは『福の小みやげ』が、福島のことを知る『窓口』になってほしいと言います。 地域の魅力が詰まった小みやげを通じて福島のことを知ってもらいたいと思います。そして、小みやげを気に入ったら、今度は福島に来てもらえると嬉しく思います。 復興に励む福島県相双が生んだ『福の小みやげ』。あなたも福島に来たら、ぜひ手に取ってみてくださいね。 福の小みやげ 参加事業者:菅野漬物食品、石井農園、あぶくま川内、ダノニー、玉野屋本舗、いかりや窯、京月窯、春山窯、半谷窯、松永窯 購入方法:3月1日から Fukushimartにて店舗販売 [文・構成/grape編集部] Share Post LINE はてな
東日本大震災から、およそ7年。
2017年には、福島県に来た外国人観光客数が、初めて震災前の実績を上回るなど、被災地にも活気が戻りつつあります。しかしその一方で、解除のめどが立っていない避難区域なども多く、復興はまだ道半ばです。
出典:ふくしまみらいチャレンジプロジェクト
福島県の東部、太平洋の沿岸部に位置する相双(そうそう)地方も、対象地域の1つ。12市町村のうち5市町村は、現在でも避難区域に指定されています。
みんなで力を合わせて、相双の魅力を伝えたい!
そんな想いを持った相双地方の事業者たちが、新しいプロジェクトをスタートさせました。
福島の隠れた魅力を、小さなお土産に
『福の小みやげプロジェクト』と称し、新しい福島県の象徴として『新たなお土産品』を作り上げようと、相双地方の10の事業者が集いました。
『福の小みやげ』は、福島にしかないようなものや、そこに住む人たちにずっと愛され続けてきたものなど、地域本来の魅力を詰め込んでいます。
スタート時に販売された6品に共通することは、どれも手渡しがしやすい大きさであること。
『小みやげ』サイズにギュッと凝縮したのは、福島の魅力が手から手へ、より多くの人に伝わっていってほしいという願いが込められているから。
またプロジェクトチームは、1つひとつのお土産に込められたストーリーを実感してほしいという想いのもと、プレス向けにお土産を作っている事業者を巡るツアーを企画。
ツアーに参加した編集部スタッフはそこで、相双ならではの温もりや風情を感じることができました。
自然の恵みを活かして育てた『幻の魚』
福島県、宮城県、茨城県にわたって連なっている阿武隈山地。そのほぼ中央に川内村という人口2500人程の小さな村があります。
豊かな山林に囲まれたこの地域には清流が流れていて、きれいな水のなかでしか生きられないと言われているヤマネやイワナが生息しています。
そこでイワナの養殖を行っているのが『いわなの郷』。震災後避難区域に指定され、観光スポットとしての役目を中断せざるをえなくなりましたが、2013年6月に再開。およそ10万匹のイワナを養殖しています。
施設に着くと、5年もののイワナを網上げしてくれました。成長するとこんなに大きくなるんですね!
『福の小みやげ』のために作られた『スモークいわな』は、およそ2〜3歳の小ぶりなイワナを使用。骨が柔らかくなるまで圧力鍋で煮込んだイワナを、桜のチップでじっくりとスモークさせています。
飼料管理を徹底した『いわなの郷』のイワナは、川魚にありがちな臭みがないのが特徴。『スモークいわな』も優しい味付けでイワナ本来のうまみが堪能できます。そして食べた後に鼻から抜けるほのかなスモーク感は、お酒にもぴったりです。
ツアーでは細かく切ったものを試食しましたが、『いわなの郷』のスタッフは「ビール片手に1匹まるごとかじってみなよ!」と大胆な提案を!確かに、思い切り食べるのもいいかもしれないですね。
江戸時代からの伝統を守り続ける職人
プレスツアーが次に向かったのは『いかりや商店』。ここでは浪江町大堀の伝統的工芸品『大堀相馬焼』を製造・販売しています。
浪江町大堀は、福島第一原発からたったの10キロ。『いかりや商店』の山田さんは強制退去を余儀なくされ、現在は白河市にある仮設店舗で営業をしています。
大堀相馬焼の特徴は、器面に広がる『青ひび』。これは陶器を窯から出したとき、冷却することによって起きるそうです。
ひびができる時に鳴る「チリンチリン」という風鈴のような音は、『うつくしまの音30景』にも選ばれているほどの美しい響きなのだとか。
湯呑みの多くは、外側と内側の2重になっていて、注いだ飲み物が冷めにくい構造になっています。この『二重焼』という技術は、大堀相馬焼以外で見かけることはほとんどないそうです。
山田さんは、いまでも成形から本焼き、仕上げまで、全ての工程を自ら行っています。その腕前は言うまでもありません。
大堀相馬焼のシンボルでもある『走り駒』(馬が走る姿)の絵入れも、下書きすることなく直接行います。慣れた手つきに、ツアー参加者は驚きの声をあげていました。
『福の小みやげプロジェクト』の発起人の1人である松永武士さんは、大堀相馬焼の窯元生まれで、現在は自身でも企画・販売を行っています。
『福の小みやげ』では、5つの大堀相馬焼による豆皿をセットにしたものを制作。地元の人たちと一緒にデザインした豆皿は、どれもかわいらしいものばかり。
1枚1枚丁寧に作られた、温もりあふれる豆皿を手に取ると、江戸時代から続く伝統の息吹を感じられます。
福島の風情を、手のひらにのせて
福島の知られざるお宝を集め、小さなお土産にした『福の小みやげ』。スモークいわなや、大堀相馬焼の豆皿のほかにも、昭和15年創業の老舗が手がけた『クリームチーズの味噌漬け』や、1つひとつ丹念に作り上げた『和栗のしぶ皮煮』など、福島の風情が感じられる、さまざまなお土産が用意されています。
全ての小みやげは、プロジェクトのメンバーが事業者と相談を重ね合わせて作ったもの。どれも心がこもっていて、福島にしかない素朴で面白いものや、個性豊かなものをしっかり感じ取ることができます。
松永さんは『福の小みやげ』が、福島のことを知る『窓口』になってほしいと言います。
地域の魅力が詰まった小みやげを通じて福島のことを知ってもらいたいと思います。そして、小みやげを気に入ったら、今度は福島に来てもらえると嬉しく思います。
復興に励む福島県相双が生んだ『福の小みやげ』。あなたも福島に来たら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
福の小みやげ
参加事業者:菅野漬物食品、石井農園、あぶくま川内、ダノニー、玉野屋本舗、いかりや窯、京月窯、春山窯、半谷窯、松永窯
購入方法:3月1日から Fukushimartにて店舗販売
[文・構成/grape編集部]