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「何かお役に立てないかと…」1人の社長から、沖縄の小さな離島に贈られたのは?

By - grape編集部  作成:  更新:

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沖縄県・慶良間(けらま)諸島にある座間味村(ざまみそん)は、20余りの島々からなる、人口1000人弱の離島村です。

『ケラマブルー』といわれる透明度の高い海に囲まれ、ラムサール条約で保護されたサンゴ礁や、ウミガメが生息しており、その自然の豊かさで世界中の人々を魅了しています。

住民のほとんどが観光業や飲食業に携わっている座間味村。オフシーズンの冬場は、温暖な気候を活かしてマリンスポーツの大会やスポーツ合宿の誘致を行うなど、 観光に限定しない地域振興を目指しています。

2018年4月には、近年競技人口が急増している人気のマリンスポーツ、スタンドアップパドル(以下SUP)の『KERAMA BLUE CUP』が行われ、同年冬にはセーリングの日本代表の強化合宿が実施されます。

スポーツを通じた取り組みは、島の子どもたちのスポーツ育成においても、よい影響を与えているそうです。

そんな座間味島の地域振興事業を応援すべく、あるプロジェクトが発足しました!

離島にトレーニングマシンを

全国各地に展開する24時間年中無休のフィットネスクラブ、『エニタイムフィットネス』は、『社会とつながろう!OPENフィットネス宣言』としてSDGs(※1)に則した企業活動を展開しています。

その取り組みの1つとして、店舗リニューアル時に発生する入れ替えマシンを、日本全国の離島に寄贈する『Healthier Islands Project』(ヘルシア アイランド プロジェクト)がスタート。

また、エニタイムフィットネスは、座間味村が支援しているセーリングナショナルチームのサポートをしています。座間味島で行われる日本・フランス・スペインの3カ国合同強化合宿では、 プロジェクトに先立ち、最新のトレーニングマシンを贈る支援も行われます。

2018年10月16日、都内某所でエニタイムフィットネスの『社会とつながろう!OPENフィットネス宣言』の公式記者発表会が行われ、 Fast Fitness Japan代表取締役社長CEO兼COOの土屋敦之さんと、座間味村村長の宮里哲さんが『Healthier Islands Project』についての説明を行いました。

終始なごやかな雰囲気の中で行われた発表会。終了後、フリーアナウンサーの五戸美樹アナが『Healthier Islands Project』について、土屋社長と宮里村長にインタビューを慣行することに。 プロジェクトが始まった経緯や、熱い想いを語っていただきました。

離島の事業展開のきっかけになれたら

-キャンペーンの宣伝や新規会員の募集を呼び掛けが一切なく、CSV(※2)に特化した発表会というのは珍しいですよね。

土屋:24時間営業のフィットネスクラブのマーケットはいますごく広がっているので、ブランディングはとても重要です。

エニタイムフィットネスでは、「ヘルシアプレイスをすべての人々へ!」という想いのもと、誰もが気軽に運動やスポーツを通して、心身ともに健康になれる社会を目指し事業を展開しています。まさに今回のプロジェクトはその一つの施策になるので、そこをしっかり伝えることが大切だと思いました。

-御社では、以前からスペシャルオリンピックス日本(知的障害のある人々にスポーツのトレーニングをする機会と競技会を提供する国際的なスポーツ組織)のサポートもされていますよね。

土屋:はい。2年前にたまたまイベントの話があって、そこから協賛をさせていただいています。

僕もそれまでは、スペシャルオリンピックスの存在を知らなかったのですが、エニタイムフィットネスが100店舗を超え、ある程度知られるようになっていたので、 僕らが関わることでスペシャルオリンピックスの認知向上のお役に立てるかなと。

今後も、僕らが知ってほしいと思うものをサポートしていきたいですね。

-そして満を持しての、座間味でのマシン導入ですね。

土屋:そうですね。うちは店舗のクオリティを維持するために、5年でマシンを入替えします。 そのマシンで何かできないかと考えていた時に、座間味で開催された『Kerama Blue Cup in ZAMAMI 2018』というSUPのイベントに協賛をして、村長とお会いしたんです。

いろいろとお話をしていく中で、うちも何かお役に立てるのではないかと。

宮里:そもそものきっかけとしては、東京オリンピック、パラリンピックに向けて3年前からセーリングナショナルチームの合同合宿誘致に成功したところから始まっています。 今年で3回目となる11月の合宿では、スペイン・フランスのトップ選手も参加し、3か国合同で合宿を行います。

これまで、島の自然の中で練習はできるけれど、トレーニング用のマシンがないという課題がありました。離島や過疎地域など、小さな自治体になればなるほど税収も少ないですし、スポーツ施設を造るというのは非常に難しい。施設を建てる場所があっても、マシンも入れるとなると、目的も含めて予算を獲得しづらい現状があります。

過疎地域での健康増進や維持というのは重要な課題でもありますし、このプロジェクトが座間味村だけでなく、他の自治体でも行われて、地域活性化がひろがれば、これほどいいことはないと思います。本当にありがたいです。

-いままで村の方々、住民の方々は運動というのはどういう風にされているのでしょうか。

宮里:歩くか走るか泳ぐかですね。昨年、初めてSUPのキッズ種目の大会を開いてから、子供たちもトレーニングをするようになったんです。 今年茅ケ崎で行われた世界大会『マイナビ SUP JAPAN CUP』で、島の小学校6年生の男の子が、大人も一緒に競う部門で優勝しました。

冬場の寒い時でもトレーニングができる場所を用意できたら、そういった子どもたちもさらに強くなると思います。

また、沖縄はプロ野球やサッカーのキャンプ地として有名です。キャンプ前の自主トレーニングの場所として、座間味にアスリートの方が来て、マシンを使っていただけたらと思っています。

地元の子どもたちにとっていい刺激になり、青少年の健全育成にもつながります。いろいろと事業展開が考えられるので、とても期待をしています。

土屋:単にマシンを寄付するのは簡単ですが、それを起点として事業を行える、そのきっかけづくりを僕らがサポートするというのが一番のポイントです。

今回は自治体自体にきちんと目標があって、そのトップに地域活性化への想いがあったからこそ、なしえたのだと思います。

-座間味村の人たちの反応はどうでしょうか。

宮里:どうすれば活性化するかというのは離島自治体の悩みの種ですから、喜んでくれていると思います。

沖縄の経済自体は最近好調なのですが、二極化されていて、小規模離島や過疎地域というのはなかなか活性化が図られていない、経済振興ができていない状況もあります。

そういった意味では、私たち座間味村は観光が好調なものですから、まだいいほうです。今回のプロジェクトが、各自治体いろいろな事業展開を考えていただくきっかけづくりになればいいなと思っています。

座間味村に寄贈されたトレーニングマシンは、今後、地域住民の健康維持・増進のためにも活用されるそうです。

エニタイムフィットネスでは、この『Healthier Islands Project』ほか、マシンの運動データをポイント化するサービス『FLOW health TEC』(フローヘルステック)を、 2019年10月より順次導入を予定しています。

フィットネスジムをもっと日常的な場所として活用してもらい、いろいろな人や社会をつなぐきっかけを創出したい、と語った土屋敦之社長。

運動を通して健康の維持ができるだけでなく、誰かの役に立つ取り組みにつながるというのは、夢がありますよね。 今後もエニタイムフィットネスの挑戦から、目が離せません!


(※1)『持続可能な開発のための2030アジェンダ』にて提示された、2016年から2030年までの国際目標

(※2)社会課題の解決に取り組むことによって、社会価値と経済価値の両方を創造する経営モデル

[文・構成/grape編集部]

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