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箱根駅伝を目指すも左足を切断、そこからトライアスロンへ 最下位からの挑戦『中山賢史朗』

By - grape編集部  公開:  更新:

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有酸素運動の中でも究極を極める競技といえば『トライアスロン』です。トライアスロンは水泳、自転車、長距離走を連続して行う競技で、障がい者が行うトライアスロンは障がいの種類や程度に応じて道具の使用や改造が認められているもので『パラトライアスロン』と言います。

普通のトライアスロンは水泳1.5㎞、自転車40㎞、長距離走10㎞の計51.5㎞ですが、パラトライアスロンはその半分の距離で様々な障がいをもつ選手間でより公平かつ安全に競技ができるようにルールが整備されています。

さて、そんな究極の有酸素運動であるパラトライアスロンですが、今年のリオの大会で初めて正式競技となりました。これから注目度が高まっていきそうなパラトライアスロンの選手で4年後の東京大会で金メダルを目指せる逸材がいます。『中山賢史朗』選手です。

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中山選手は元々、大学で箱根駅伝を目指す長距離走の選手でした。しかし21歳の時に左足に腫瘍ができ、左足の切断を余儀なくされます。「なぜパラリンピックは大腿切断対象の短距離走はあるのに大腿切断を対象にした長距離走はないのか?」という疑問を持ちながらも再び競技を行うため、懸命にリハビリに取り組んでいるとき「リオの大会からパラトライアスロンが正式種目になる」ということ知り、パラトライアスロンの世界に飛び込みました。

しかし中山選手は自転車と水泳は全くの初心者。手術から1年後に初めて出場した大会では散々な結果でした。その時のことをこう語っています。

「その時は、(タイムは)1時間50分とかで、もう断トツのビリでしたし…。ただ苦しかったし。…なめていた…それですね」

ニッポンチャレンジドアスリート ーより引用

甘くない現実を突きつけられた中山選手は持ち前の負けん気の強さでトレーニングに励みます。それでも世界の壁は厚く、2014年に初めて出場した国際大会でも最下位・・・。しかし一転、国際大会での経験を生かし出場した2015年のアジア選手権では大腿切断部門で金メダルを獲得しました!

金メダルを獲るほどの実力を付けた中山選手は同年5月の国際大会にも出場。結果は最下位だったものの1位から最下位までの差は僅かだったことから、次の大会へ向けて大きな可能性が見えた試合になりました。今年のリオの大会には出場しませんでしたが4年後の東京大会では出場間違いなしの中山選手、東京大会へ向けての目標をこう語っていました。

「まず出場することを目標としてまして。今年のリオ大会でいえば、ぼくのクラスは参加できるのが、世界で10名ということなので。やはり世界ランクキングをみると、今、ちょっと及ばないなという選手が9名いまして、勝てそうなんだけどなかなか勝たせてもらえないなっていう選手が7名いるんですよ。

この3年間で7名をしっかり倒せるような実力になれば、4年後の大会は、おのずと出場が見えてくるんじゃないかな、と思っています」

ニッポンチャレンジドアスリート ーより引用

中山選手は4年後の東京大会に向けて、パラトライアスロンの強化指定選手に選ばれています。まだまだ経験は浅いですがここからさらに実力をつけて世界のトップレベルでの活躍を期待したいですね!

出典
ゲスト:中山賢史朗(パラトライアスロン)

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