「犬猫の殺処分は減りました」本当に喜んでいいの? そのからくりとは
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「夕飯を作ろうと思ったら…」 立てなくなったワケに「爆笑」「意志を感じる」2匹の猫と暮らしている、飼い主(@kunyan_kainyan)さん。愛猫の1匹である、カイちゃんの写真に、12万件以上もの『いいね』が寄せられました。
散歩をしていたらほかの犬から「ワン!」 柴犬の表情に「笑った」「頑張れー」柴犬のろくくんと暮らしている、飼い主(@roku125shiba)さん。 ある日、ろくくんと散歩していたら、ほかの犬から「ワン!」と吠えられたそうです。
環境省の統計資料によると、殺処分された犬や猫などのペットの頭数は年々減少を続けています。例えば、2004年度に殺処分された頭数は39万4799匹。2015年度には8万2902匹と報告されています。
では、殺処分が減ったという事実だけで、本当にペットが救われたと言っていいのでしょうか。
『殺処分ゼロだけじゃダメ!?日本ペット闇事情』と題された動画が公開され、Facebookを中心として拡散されています。
2015年に施行された『改正動物愛護管理法』により、都道府県は動物取扱業者からの犬や猫などの引き取りを拒否できるようになりました。
この法律によって犬や猫の引き取り数は減少。それに伴って殺処分数も減少しました。
出典:ずーシャキ
業者はペットが老齢や病気などで販売できなくなった場合でも、終生飼育することが義務付けられました。ですが、悪質な業者により大量にペットが遺棄されるという、痛ましい事件も起こってしまったのです。
自治体に引き取りを拒否され、業者が飼育を放棄したペットは行き場を失い、悲惨な結末を迎えてしまいました。
ペットショップのショーウインドウで、ペットたちの可愛らしい姿を見て心癒される人も多いでしょう。しかしその裏側には、生体販売が行われているがゆえの、目を背けてはいけない現実もあるのです。
ペットの販売業者がすべて悪であるとは言い切れません。もちろん、深い愛をもって動物たちと向き合っているブリーダーも数多くいます。
ですが、当たり前のようにペットショップで生体が販売されている今の日本では、少なからず悪質な業者が現れてしまいます。ペットの生体販売の是非は、今後ますます厳しく論議されていくでしょう。
まずは、保護された犬猫の里親になる選択を
出典:ずーシャキ
哀しい思いをするペットを減らすために、私たちにできることがあります。
日本の各地で、ボランティアによって保護された犬や猫が新しい家族を探しています。ペットショップで購入する前に、まずは保護された動物の里親になることを選択肢にすることを多くの人に知ってもらいましょう。
『譲渡会』と呼ばれる、里親を探すイベントは各所で開催されて賑わいを見せています。また、里親募集サイトには、日々多くの情報が掲載されています。
きっとそこに、家族となるペットとの素敵な出会いがあるはずです。
誰か一人が、一匹の保護されたペットを引き取る…そのことが、多くのペットたちを救う大きな一歩になることは間違いありません。
[文・構成/grape編集部]