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『夜は短し』から間髪入れず最新作!? 今度は、湯浅政明が本当に作りたかった物語

By - grape編集部  公開:  更新:

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『アニメ界の異才』とも呼ばれ注目を集めている、アニメーション監督の湯浅政明さん。

2017年4月7日に公開された『夜は短し歩けよ乙女』は、湯浅作品の特徴でもある奇抜な画の動きなどが功を奏し、3週間連続ランキングするほどの人気になっています。

©2017 ルー製作委員会

まだ公開から1か月も経たないうちに公開された『夜明け告げるルーのうた』。2017年5月19日に公開され、すでに絶賛の声があがっています。

サブカルチャーに精通しているニッポン放送の吉田尚記アナウンサーも試写会に参加。感動をTwitterであらわにしています。

『夜明け告げるルーのうた』は、寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)に住む中学生の少年・カイのストーリー。少年と人魚の少女の出会いと別れが、丁寧に描かれていて、心が打たれます。

主人公役の下田翔大に迫る『自然体で演じること』

映画の公開にともない、主人公役を演じる下田翔大さんに話を伺いました。

――長編の声優は始めてだと聞きましたが、実際やってみてどうでしたか。

現場入りする前から、声優は難しそうだなと思っていました。僕はお芝居をやっているのですが、それとは違って、声優は声だけで、体が映らない。
自分が映らないから表情とかでは何も見せられなくて、声だけで表現することが難しそうで、すごい緊張していました。

――アテレコの現場で印象に残ったことを教えてください。

まず、緊張して現場に入ったんですけど、監督が緊張してたのがわかったのか、「自然体でやっていいよ」という指示をいただきました。自然体な姿が、カイくんに一番近いとおっしゃってくれて「自然体ってどこでも一番なんだな」ということを実感することができました。

その言葉をキッカケに肩の荷が下りて、リラックスしてできました。共演する声優さんの方々も僕とやりたいと言ってくださって…元々アニメの映画は個人個人で録ることが多くて、同時に収録することは少ないんです。今回は違って3人のところを3人で一緒に現場で録ることになって、プロのアフレコの様子を見ることができて、とても勉強になりました。

――主人公のカイは、ちょうど下田さんと同じくらいの年齢ですね。

そうですね。自分のやってたカイは、共感できる所がたくさんあります。作品を通じて彼を理解することができたので、より「自分と近いな」と思うようになりました。そしてカイくんも僕も音楽が好きなので、そこに接点を感じました。カイくんのように作曲はできませんが…。

――そしてカイくんは浮き沈みが激しい性格ですね。下田さんは主人公の性格に共感できますか?

僕、血液型AB型なんですけど、クラスメートからは「AB色が強くでている」とよく言われます。例えば、黒板を消すのには黒板の下の部分を水拭きしたりするほどこだわるのに、身の回りが汚いんです。

――そしてカイくんは思春期で、お父さんに当たったりしますね。ご自身の反抗期と比べてどうですか?

僕、反抗期の兆候がまだないんです。だから、あまり感じなかったんですけど、友達とかは「マジ母さんウザいよ」とか言っていることを聞いて「これが反抗期か」と思いました。今回の作品では、友達の雰囲気とかを取り入れて、それを膨らませてカイに当てはめていました。

――『夜明け告げるルーのうた』で印象に残ったシーンを教えてください。

やはりクライマックスです。僕が思いをぶちまけるシーンがあります。この映画の舞台は、海がまわりにある町なので、水がよく出てくるんですよ。(人魚のキャラクター)ルーも水を操れたりできる不思議な能力があって、その水の表現に監督の個性を感じました。

――作品の中で、歌も披露しますよね?

歌うのは好きなのですが、人前で見せるレベルじゃないと思います。なので録音のときは緊張してしまいました。でも先生がついてくれて、一語一語に気持ちを込めるにはどうすればいいかということを、事細かく指導していただきました。

監督もお手本をみせてくれました。高い音が出なくて苦労していたら、監督のアドバイスで「相手に想いを伝える」ことをイメージしながらやったらとスッと自然に出てきて、自分でもビックリしてしまいました。歌って、自分の気持ちが連動してくると歌いやすくなることに気づきました。

自分が普段歌っているよりも、芝居とリンクしたと思います。自分が役柄に入るときは、キャラクターやシーンを掘り下げて想像しているのですが、その作業ととても似ていたんです。歌も一種の芝居なのだと実感することができました。

――下田さんは今後、どんな俳優になりたいですか。

自分を表現するツールとして、他の役者さんの良いところを取り入れて、それにもう一段階自分の気持ちが乗せられてはじめて、自分の演技になるのだと思ってます。なによりも、リアルを追及した演技をしていきたいです。

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

思春期は、全員が経験するものだと思います。思春期特有のむずかゆさとか、思い悩む感じがこの映画には入っているので、今悩んでいる人たちが、この映画を観て少しでも気持ちが楽になってほしいです。また人に想いを伝えることは、一見難しそうで簡単で、打ち明けたらどんなにスッキリするのか…ということが伝わればいいなと思っています。

夜明け告げるルーのうた
絶賛公開中
©2017 ルー製作委員会


[文・構成/grape編集部]

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